HSP

HSPはMBTIではどのタイプに属するか【後編】

MBTIとHSP②

 

HSPはMBTIで言えばどのタイプになるのでしょうか?

 

前回、先に結論として、

MBTIとHSPを結びつけて考えない方がよい

と書いておきました。

 

今回はその具体的な理由を書いてみます。

MBTIで使う4つの指標とHSPの特性とを比べながら、1つ1つ説明していきます

 

なお、前回の記事をまだ読んでいないという方は先にそちらを一読されることをお勧めします。

 

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HSPは内向(I)型の方が多い

 

エレイン・アーロンさんの話によれば、全HSPのうち約70%がユング心理学で言うところの内向(I)型だそうです。

だから残りの30%は外向(E)型となります。

(あくまでもユング心理学上の話であって、MBTI上の数字ではありません)

 

この外向(E)型のHSPを特にHSSと呼ぶ場合があります。

 

ただ、外向(E)型のHSPが全HSPの30%というのはおそらくアメリカでの統計なので、国や文化が変わるとこの数字も変わってくるかも知れません。

 

外向(E)内向(I)については、こちらのページにわかりやすい説明があります。

『外向と内向―興味や関心の向かう方向』

 

外向(E)型のHSP、すなわちHSSというのは、いわばガソリンタンクが小さいにもかかわらず遠出をしたがるタイプと言えるでしょう。

 

そんなにすぐバテるなら静かに休んでいればよいものを、何かと好奇心旺盛で首を突っ込みたがる人。

そういう人、確かにいますよね。

ある意味、内向(I)型のHSP以上に大変かも知れません。

 

でも、日本においては30%もいないような気がします。

 

 

「取り越し苦労」派の直観(N)型が多め?

 

エレイン・アーロンさんはHSPの定義として次の4項目をあげています。

いわゆるDOESと彼女が呼んでいる定義です。

 

:脳内での処理が深い

:刺激に敏感である

:共感能力が異常に高い

:些細なことによく気づく

 

DOESについての詳細は次の記事に書きました。

『本物のHSPが持っている4つのハイパー能力』

 

一般的にHSPの人は上の4つの特徴をすべて持っていると考えられます。

ただし同じHSPでもが強い人もいればが極端に強い人とかの違いはあるでしょう。

 

そこでもし「:刺激に敏感である」が強いHSPの場合はどんな特徴が現れるでしょうか。

HSPならたいがい小さな物音などに敏感だと思われますが、それが極端な場合、感覚器官が異常なくらい発達していると言えそうです。

 

そしてそういう人がもしMBTIのテストを受けたなら、感覚(S)型と判定される可能性が大きいでしょう。

 

 

一方、「:脳内での処理が深い」が特に強い人の場合はどうなるでしょうか。

これはほんのちょっと目や耳から入ってきた情報をもとに、自分の脳の中で想像や思考が果てしなく拡大していくわけですよね。

 

こういうふうに現実以上に頭の中の処理を優先する人がMBTIのテストを受けた場合、直観(N)型と判定される可能性が大きいはずです。

 

こういう直観(N)型HSPというのは、未来予知が得意な一方、考えすぎて「取り越し苦労」もしやすいタイプです。

そして考えてみると、HSPの人って、こういう「取り越し苦労」派が多いと思いませんか?

 

実際、エレイン・アーロンさんもHSPの大部分はユング心理学で言う直観(N)型だと書いています。

 

感覚(S)直観(N)については、こちらのページにわかりやすい説明があります。

『感覚と直観―ものごとの知覚の仕方』

 

 

そしてもう1つ述べるなら、「:些細なことによく気づく」が強い人にも感覚(S)型と直観(N)型の2種類があると思います。

感覚(S)

・・・「五感でもって」些細なことに気づく

※これは先に述べた「小さな物音も気になる人」に近いと言えます。

 

直観(N)

・・・「直観的に」些細なことに気づく

※これはたとえば目をつぶって相手の話を聞いていても、直観的に相手の表情がわかってしまうようなタイプでしょうか。

 

ここで私、ナマケモノ自身のことを言えば、私は直観(N)型なので直観的にいろいろ気づいてしまうタイプです。

でも、その一方で「音」にもかなり敏感です。

となると、HSPであっても「直観(N)型か感覚(S)型か」と単純には分けられないということですね。

 

結論としては、エレイン・アーロンさんの言う通り、

HSPは感覚(S)型、直観(N)型いずれもあるけれど、直観(N)型が多いかもしれない

ということになのではないでしょうか。

 

ただ、これについてはあまり意味のない議論のような気もします。

 

 

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思考(T)型か感情(F)型かはHSPと関係ない

 

思考(T)型か感情(F)型かはHSPと関係ない」

と言われると、

ウソだろ!

と思う人も多いでしょう。

 

そう思う人はおそらく

HSPはみんな感情が繊細だから感情(F)型じゃないの?

と反論するでしょう。

 

しかし、それはそもそもユング心理学でいう感情(F)型、ひいてはMBTIのF型が正しく理解できていないからそう思うのです。

 

 

思考(T)型と感情(F)型の定義についてはこのサイトでさんざん述べていますが、もう一度おさらいしておきましょう。

 

思考(T)
☞ 物事を正しいかどうかで判断する

感情(F)
☞ 物事を好きか嫌いかで判断する

 

思考(T)感情(F)については、こちらのページにわかりやすい説明があります。

『思考と感情―ものごとの判断の仕方』

 

確かに「:共感能力が異常に高い」を考えるなら、HSPは感情(F)型である要素を一般の人よりたくさん持っていると言えるでしょう。

だから「異常に高い」という表現になっています。

 

しかし、中には共感した上で、「さて、どうすれば正しいだろうか」と考えまくるHSPもたくさんいるでしょう。

そういう人がMBTIのテストを受けると、これについては微妙ですが思考(T)型と出る可能性があります。

 

だからHSPは一概に感情(F)型とは言い切れない。

というか、そもそも

尺度の視点が違う

ということです。

 

 

理屈的には知覚(P)型が多いかも知れない

 

前回の記事でも書きましたが、判断(J)型か知覚(P)型かという尺度はMBTIのオリジナルです。

判断(J)

☞ 早めに結論を出してしまった方が落ち着くタイプ

 

知覚(P)

☞ 情報集めを優先して結論を先延ばしにするタイプ

 

判断(J)型と知覚(P)型については、こちらのページにわかりやすい説明があります。

『知覚と判断―周囲との接し方 その①』

 

エレイン・アーロンさんの言うDOESからも明らかなように、HSPというのは勝手にいろんな刺激や情報が自分の中に入ってきてしまうために疲労困憊してしまう人のことを言います。

 

だからHSPは通常、判断材料が多過ぎてなかなか結論を出せない人が多いと思います。

それでいつまでもクヨクヨ悩んだりするわけですよね。

 

そして、さんざん悩み抜いた末に、結局、結論は出ず、そして疲れ果てて休むということになります。

 

これを考えると、理屈の上では知覚(P)型が多いと考えられるでしょう。

私の実感としても、おそらく大部分のHSPは知覚(P)型だと思います。

 

 

ただ、例外があって、いつまでも悩んでいるのはツラいので、とりあえず結論だけを適当に出してサッサと休もう、というHSPもいるかもしれません。

 

こう言う人がMBTIのテストを受けたなら、判断(J)型となる可能性があるでしょう。

 

 

よって、HSPは理屈の上では知覚(P)型が多そうだけれど、実際には判断(J)型もいるだろう、と考えられます。

 

 




MBTIとHSPを結びつけて考えない方がよい

 

HSPの人がMBTIテストを受けた場合、確かに次のタイプの人が多く見られるかも知れません。

 

簡単に言えば、

岩のような信念を持っていなさそうなタイプ

となります。

 

ただし、ここまでの説明からもおわかりのように、HSPはDOESという特性を持ってはいるものの、実はいろんなタイプの人がいます。

 

つまり、どのHSPにスポットを当てても、全員、「個性はそれぞれ」だと言うことです。

 

だから「HSPはMBTIで言えばどのタイプか」を考えるのは、あまり有意義なことではありません。

したがって

HSPはMBTIとは関係ない

さらには

HSPは心理学的タイプでも特定できない

これがHSPの提唱者エレイン・アーロンさんの考えでもあると思います。

 

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