旧ナマケモノ性格診断

超カンタン!ユング心理学の性格理論の基本の「き」

性格理解の基本

このページは『簡単な性格テスト』からの続きになっています。

 

今、このページをご覧いただいている方の多くはすでに簡単な性格テストを受けて下さった方だと思います。

(中には「他のサイトでテストを受けた」という方もいらっしゃるでしょう)

 

でも、ナマケモノのホンネはと言うと、

性格テストの結果だけで自分の性格がわかったつもりになるのはアブナイ・・・

 

はっきり言って、性格テストなんて

いいかげんです・・・

その証拠に、受けるたびに結果が変わったりするでしょう?

 

それに人間の性格というものは

どちらとも言えない
ビミョーな部分

の集積でできています。

でも、そのビミョーな部分は性格テストでは検出できません。

 

こうした性格テストの「いいかげんさ」をカバーするには、性格理論を自分で勉強してみるのが一番です。

そこでこのサイトではユング心理学で「タイプ論」と呼ばれている、性格分析法の基本をわかりやすくお伝えすることにしました。

まさに基本の「き」です。

でも、たぶんこれだけで十分でしょう。

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「16の性格」(MBTI等)の元ネタはユング心理学

 

以前のページでも述べたように、「16の性格」に関する診断法(MBTI)はアメリカ人がユング心理学を元ネタにして作った性格検査法です。

 

だから大半はユングの理論で構成されていますが、一部に独自の理論が含まれています。

では、どこが独自なのかをわかりやすく説明しましょう。

 

ユング心理学だと性格タイプは8種類

 

ユング心理学では性格タイプをまず次の2種類に分けます。

外向型
内向型

この2つをまとめて、日本語だと「態度」とか「(心の)構え」などと訳されます。

 

次にユングは「その人に最も特徴的に現れる性格」という観点から性格タイプを次の4種類に分けました。

思考型
感情型
感覚型
直観型

この4つをまとめて「(性格)機能」と呼びます。

 

したがって、ユング心理学では人間のタイプというものを次のような組み合わせで考えることになります。

2種類の態度×4種類の機能

 

つまり次のような8種類の性格タイプが想定されるわけです。

 

外向的思考型  内向的思考型

外向的感情型  内向的感情型

外向的感覚型  内向的感覚型

外向的直観型  内向的直観型

 

さらにここでもう1つ重要な考え方を書いておきます。

ユング心理学ではまず外向型内向型の対立関係を重視します。

外向型←→内向型

 

さらに4つの機能に関しても2組に分け、それぞれの組の中の機能が対立関係にあると考えています。

思考型←→感情型

感覚型←→直観型

 

つまりユング心理学においては性格タイプを3つの対立軸からとらえている、と言い換えることができるわけです。

ちなみにこの3つの対立軸はこの後に説明する「16の性格」を考える理論、つまりMBTIでもそのまま採用されています。

 

MBTIでは性格タイプを16種類に分ける

 

上で述べた通り、ユング心理学では性格タイプを

2種類の態度×4種類の機能

というふうに

2×4=8タイプに分類しました。

 

ところが16の性格、つまりMBTIでは考え方を次のように少しだけ変えています。

外向型←→内向型

思考型←→感情型

感覚型←→直観型

 

つまり2×2×2という発想にしているのです。

 

さらにMBTIではユング心理学にはなかった新しい対立軸を使っています。

それは判断型知覚型です。

判断型←→知覚型

 

勝手に新しい指標を加えてしまったんだね

 

したがってMBTIでは全部で

2×2×2×2=16タイプ

という分類になります。

 

注意!!「判断型」と「知覚型」はMBTI独自の指標

 

ところでこのMBTI流の「判断」「知覚」という概念もまたユング心理学にもともとあったものです。

ユング心理学では次のように定義づけています。

思考と感情→「判断」機能

感覚と直観→「知覚」機能

 

MBTIではユング心理学にもとからあった「判断」「知覚」という用語を拝借し、独自に設定した「性格機能の名称」として使っているのです。

 

これはユング心理学を専門にやっている人たちにすれば「誤解を招く迷惑な考え方」なんだよ

 

 

ではこの後、それぞれの対立軸について簡単に解説をしていきます。

ちなみに外向、内向、思考、感情、感覚、直観、判断、知覚のそれぞれをアルファベット1文字でどう表すかについても紹介していますが、これはMBTI独特の表記法です。

一般的に本来のユング心理学では性格タイプをアルファベットの組み合わせで表記することはありません。

 

 

外向(E)と内向(I)・・・興味や関心の向かう方向

 

Extrovert 外向

Introvert 内向

 

人の性格について考える時、もっとも基本となります。

興味や関心、希望、期待などが「周囲の世界に向けられる」のか、それとも「自分自身へ注がれる」のかの違いです。

 

外向(E)内向(I)については次のページにわかりやすい説明があります。

『外向と内向 ― 興味や関心の向かう方向』

 

 

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感覚(S)と直観(N)・・・ものごとの知覚の仕方

 

Sense   感覚

iNtuitive 直観

※イニシャルはIですが、「Introvert(内向)」と区別するために先頭から2番目の文字であるNを使っています。

 

感覚(S)直観(N)の2つの「性格機能」は人間の知覚機能に属すると考えられます。

つまり周囲の環境から情報をキャッチするための性格機能です。

インプットのための機能と考えてもいいでしょう。

 

▼感覚(S)直観(N)については次のページにわかりやすい説明があります。

『感覚と直観 ― ものごとの知覚のしかた』

 

 

思考(T)と感情(F)・・・ものごとの判断の仕方

 

Think 思考

Feel   感情

 

思考(T)感情(F)の2つの「性格機能」は人間の判断機能に属すると考えられます。

つまり物事に対する価値判断を下すための性格機能です。

アウトプットのための機能と考えてもいいでしょう。

 

思考(T)感情(F)については次のページにわかりやすい説明があります。

『思考と感情 ― ものごとの判断の仕方』

 

 

知覚(P)と判断(J)・・・周囲や他人との接し方

 

Perceive 知覚

Judge    判断

 

知覚(P)型か判断(J)型かは「情報を得てから行動する」のか、それとも「とりあえず行動してみる」のかの違いだと言えます。

 

前述の通り、この指標はユング心理学にはなく、MBTI独自のものです。

しかも独特の理論を展開しています。

少し理解しづらい点もあるのですが、このサイトではわかりやすい説明ができたと思っています。

 

▼MBTIにおける知覚(P)判断(J)については次のページで解説しています。

『知覚と判断 ― 周囲との接し方 その①』

『知覚と判断 ― 周囲との接し方 その②』

 

★本来のユング心理学における判断的機能と知覚的機能という用語の意味については次の記事でわかりやすく解説しました。

「判断的か知覚的か」という心理学用語の本来の意味

 

 

▼性格テストの診断結果を見たい方はこちらのページに進んでください。

どちらとも言えないグレーゾーンはどうする?

診断結果はこのページにあるよ

 

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