新ナマケモノ性格診断

「判断的か知覚的か」という心理学用語の本来の意味

 

判断的機能知覚的機能という用語は本来、ユング心理学で使われるものです。

ところがMBTIにも「判断的態度」「知覚的態度」という似たような言葉がでてきます。

「~機能」ではなく「~態度」である点に注意!

 

しかしユング心理学を学んでいる人からすると、このMBTIの言葉の使い方はとてもヘン!

なぜヘンなのか…その理由を説明します。

 

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ユング心理学でいう「判断的」「知覚的」の正しい意味とは?

 

ユング心理学における判断的知覚的という用語の使い方について簡単に説明しておきます。

 

これはMBTIの話じゃなくて、本来のユング心理学の話だよ

 

ユングは4つの性格機能のうち、思考と感情を判断的機能、感覚と直観を知覚的機能と呼びました。

思考と感情→判断的機能

感覚と直観→知覚的機能

 

つまり「判断的」も「知覚的」も「機能」にかかる言葉であることに注意して!

 

判断的機能

思考

機能を使うと「何々は正しいぞ」と思考で価値判断できます。

感情機能を使うと「何々は楽しいな」と感情で価値判断できます。

だからこれらは判断的機能

 

「あいつはいいヤツだ」とか「こんなヤツは大嫌い!」という感情の働きも一種の「判断」だよ

 

知覚的機能

感覚

機能が働くと肉体的な五感で情報を得ることができます。

直観機能が働くと予感や胸騒ぎなどの第六感で何かを察知できます。

だからこれらは知覚的機能

 

視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の5つが五感
ピーンとくるのは第六感

 

人間には判断系と知覚系の2つのタイプがある

ユング心理学では人を2つのタイプに分ける場合、まず「外向的か内向的か?」に分類します。

 

しかしもう1つの分け方として、「判断的機能が強い人か、知覚的機能が強い人か?」で分ける場合もあります。

思考タイプと感情タイプ→判断系の人

感覚タイプと直観タイプ→知覚系の人

 

だからユングによる8つの性格タイプは次のように考えることもできるわけです。

判断系

  • 外向的思考タイプ
  • 内向的思考タイプ
  • 外向的感情タイプ
  • 内向的感情タイプ

知覚系

  • 外向的感覚タイプ
  • 内向的感覚タイプ
  • 外向的直観タイプ
  • 内向的直観タイプ

 

 

MBTIが考える「テキパキ派」と「グズグズ派」

 

判断的機能と知覚的機能、もしくは判断系の人と知覚系の人についてのユングの考え方は上述の通りです。

 

ところがMBTIやそのネット版である16Personalities(以後、MBTIと統一的に呼びます)では上記の「判断と知覚」についてユングとはまったく別の考え方を採用しています。

 

MBTIや16Personalitiesは本来のユング心理学から大きく逸脱しているってことを覚えておいてね

 

MBTI流ヘンテコ理論

 

MBTIの創始者、ブリッグスとマイヤーズ親子による性格タイプについての考え方はユングとはまったく異なります。

 

だからMBTIはユング心理学ではないんだ!

 

そもそも、ユングは性格タイプについて次のように考えています。

性格タイプとは、あくまでも当人の心の中の問題。

だからこそ他人には簡単に理解できない。

 

他人が自分のことをどう思うかなんて、自分の性格タイプとは関係ないというのがユングの考え方

 

 

ところがっ…

MBTIでは次の視点を重視しています。

周囲の目には、あなたはどんな人間に映っているか?

 

つまりMBTIでいう性格タイプとは「他人が自分をどう見ているか」の問題らしい・・・

 

テキパキ? グズグズ? どちらに見えるか

そして、「自分が他人からどう見えているか」について、マイヤーズとブリッグスは次の2種類に分類できると仮定しました

①情報が不十分でも、結論を出すことを優先しているように見える人

②結論を急いで出すより、情報収集を重視しているように見える人

 

なぜ、こういうふうに仮定したのか?
その学問的根拠は特にないみたいだよ

 

そして、上記①と②を次のような2種類のグループに分けました。

①のテキパキ派は
→判断的態度の人→Jタイプ

②のグズグズ派は
→知覚的態度の人→Pタイプ

※JはJudgment(判断)、PはPerception(認知)から来ています。

 

 

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MBTIは「判断」「知覚」を違う意味で使っている

 

ところで、なぜMBTIを作ったマイヤーズとブリッグスは

性格タイプとは、他人が自分をどう見ているかの問題だ

・・・と考えたのでしょうか?

 

おそらくそれはこの親子が心理学者ではなく、本業が推理作家であったこと。

それで小説を書く上で、登場人物のキャラクターを決めないといけない。

そのキャラクター設定のために、ユング心理学をヒントにして、16タイプの人物像を考え出したのではないか・・・。

 

特に推理小説というのは「事件を解決していくストーリー」ですよね。

だから「解決する人」(シャーロック・ホームズみたいな人)も登場すれば、なかなか煮え切らない人物も登場してくるでしょう。

 

したがって小説の登場人物を描写するために、まず人間の性格を大ざっぱに「テキパキ派」と「グズグズ派」に大別したのではないか、と思うんですね。

 

 

しかし、ここでマイヤーズとブリッグス親子は大きな間違いを犯してしまいました!

それは上記の「テキパキ派に見える人」と「グズグズ派に見える人」に対し、ユング心理学の「判断系」と「知覚系」という用語を勝手に使ってしまったことです。

 

そもそも次元の違う話なんだけど・・・

 

すでに述べたように、ユング心理学でいう「判断系」「知覚系」というのは性格機能の話であって、その人物がテキパキしているように見えるか、グズグズしているように見えるかとは関係ない概念です!

 

判断的機能(思考と感情)が優位だったとしても、その人がテキパキしているように見えるとは限りません。

 

例えば、じーっくり、じーっくり、時間をかけて思考する人もいれば、同じ感情をずーっと、ずーっと、引きずる人もいるよね
こういう人は判断系でもグズグズしているように見える

 

また、知覚的機能(感覚と直観)が優位な人がいつもグズグズしているように見えるとは限りません。

 

感覚や直観に優れている人の中には、むしろ瞬間的に状況を見極め、すばやく判断する人もたくさんいるよ
こういう人は知覚系でもテキパキしているように見える

 

 

そもそも判断と知覚という概念は「態度」じゃないよ

 

ここでもう1つ、MBTIのヘンテコな部分を指摘しておきます。

 

そもそもユング心理学では「外向性」と「内向性」の2つの概念を「態度」と呼んでいます。

一方、「判断」と「知覚」は何度も言うように、あくまでも「性格機能」の話です。

 

それにもかかわらず、MBTIでは「判断的態度」、「知覚的態度」というように、態度」の話なのだか「機能」の話なのだかよくわからない用語の使い方をしているのです。

 

これはMBTIの創始者、マイヤーズとブリッグスが「機能」と「態度」の違いがわからず、ゴッチャにしていたってことだよ

 

 

今回、説明した通り、MBTIはそもそも理論の土台がヘンテコです。

そのヘンテコ理論でもって人間を16タイプに分けてもほとんど意味がありません。

だからMBTIはユング心理学の応用編でもないし、そもそも世界中の心理学者たちはMBTIを心理学とは認めていないのです。

 

★ここで述べたことは次の記事でもっと詳しく解説しています。

 

次回の記事に続きます~

性格は変わっても性格タイプは変わらない 前回の記事ではユング心理学における「判断」と「知覚」という言葉の意味を説明しました 同時に、MBTIではそ...

 

 

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