寡黙な仕事人タイプのISTPタイプは器用な実務型人間です。
でも、それだけに周囲とのコミュニケーションが不足しがち。
その結果、知らない間に孤立していることも・・・。
そんなISTPタイプがもっと充実した人生を送る方法についてじっくりと考えてみました。
ISTPは自分1人で考えながら行動するタイプ
ISTPは内向思考(IT)を感覚(S)機能がサポートしている性格タイプです。
『内向(I)的な思考(T)型』というわけですから、物事の意味や理由を徹底的に考えずにはいられないタイプだと言えます。
とは言え、いつまでも考えてばかりの人間ではありません。
そこそこ自分なりに考えが固まったなら、それを実行に移し、積極的に試してみようとします。
こういう実証主義的な性格傾向は感覚(S)機能が発達しているからだと言えるでしょう。
でも、内向(I)型なので何をやるにしても周囲を巻き込んだりはしません。
だから周りの人には
あの人はさっきから自分1人でいったい何をやってるんだ?
という不可解な印象を与えがちです。
基本的にISTPは用心深いところがあって、何に対しても最初は距離を置いて様子を見ようとします。
でも状況がつかめてきたら、前述のように単独行動で何かを始める・・・という傾向があります。
パッと見た感じ、「やや情緒に欠ける人」あるいは「年配の職人みたいで何だか無愛想な人」といった印象があるかもしれません。
とは言え、何かと能力の高い人でもあります。
人の助けを借りなくても「たいがいのことは自分でやれる」というタイプです。
下の図はユング心理学の立場でISTPの4つの性格機能を表したものです。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、思考(T)機能と感覚(S)機能は意識化されていて、本人も使い慣れていることがわかります。
ところが感情(F)機能と直観(N)機能については無意識下に眠り、いまだ未開発の状態です。
この無意識下に眠る2つの性格機能を開発し、目覚めさせることがこのタイプのテーマと言えます。
それでは次の項からISTPについてさらに具体的に見ていくことにしましょう。
このページのISTPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
目の前の現実を徹底的に分析したがる
別にマニュアルを読まなくても電化製品の使い方がわかったり、時にはカンだけで修理できてしまう人っていますよね。
そういう人に多いのがこのISTPタイプかもしれません。
このタイプに共通しているのは「モノに対する優れた観察力」。
また観察して得られた情報を自分の頭の中で徹底的に分析するのも得意です。
こうやって1人で
「観察→思考→観察→思考→・・・」
のマイワールドを繰り広げるのがISTPタイプの特徴的な性格です。
未来や理想、他人の感情を配慮するのは苦手
このISTPタイプの場合、確かに観察力は優れています。
でも、その「観察力の射程距離」はあんがい短いと言えそうです。
つまり自分の目の届く範囲、手の届く範囲については細かいところまで観察できる。
ところが社会の出来事、国際問題など、遠くにあるコトに対する観察は苦手なのです。
また、時間的にも「今日」、「明日」のことには関心を持ちますが、遠い未来のことを想像したり、夢や理想を語るのは得意ではありません。
したがってISTPタイプの人に
「10年後、日本はどうなっていると思いますか?」
「あなたの将来の夢は何ですか?」
「キミの理想は何?」
などという質問はしない方がいいでしょう。
おそらく
「そんなの考えたこともないよ」
という答えが返ってくるでしょう。
もう一つ、ISTPタイプが性格的に不得意とするのは「他人の感情への配慮」です。
「他人のキモチ」というのもまた、ISTPタイプにとっては「遠いところにある未知の領域」なのですね。
このISTPタイプについて簡単に言えば
「今現在、目の前にあって、自分の手で実際に触れるモノにしか興味を示さない性格である」
ということになりそうです。
性格的に他人とのコミュニケーションが不足しがち
このタイプは基本的に他人と打ちとけるのが苦手。
自分の心の中を決してオープンにしない性格です。
だから悩みごとがあっても人に相談したりはしません。
また頭の中にある素晴らしいアイデアや手の内を容易に人に明かそうともしません。
これは結局、内向的な性格であることが原因です。
しかし同時にこれはISTPならではの
「持てるエネルギーをすべて使って自分の仕事に没頭する」
という性格特性を後押ししている側面もあります。
つまり
「仕事に没頭している最中に外部と余計なやりとりをして、エネルギーを消耗したくない」
ということなのです。
こうした「単独行動の傾向」はスポーツなどに対する好みにも見られます。
チーム戦でワイワイ楽しくやるような種目より、1対1で黙々と競い合うような種目の方が好きな人が多いようです。
さて、こういう「黙々と一人で仕事に取り組む」姿がこのタイプの基本スタンス。
見方によっては有能な実務家という印象です。
こうした姿を見て周囲の人は
「なんだか無口な人だ」
「無愛想だな」
「とっつきにくい人だな」
「何を考えているのかわからない」
と感じてしまうかもしれません。
しかし本人に悪気はありません。
ただ自分の仕事を一所懸命やっているだけなのです。
しかも仕事の完成度は常にハイレベル。
そういう意味ではまさに
「一匹オオカミの仕事人」
です。
ISTPタイプが自分の能力をさらに向上させる方法
現実対応力があって、しかも器用なISTPタイプ。
でも、マイワールドにこだわり過ぎると、自分の可能性を小さくしてしまう危険性も・・・。
そこで、ISTPが自分の能力をさらに向上させるには「心がけるべきこと」があります。
これはとても大切なことなので、下の別記事にまとめてみました。
ISTPの「自分自身への没頭グセ」は他人との関係性にも直結します。
中には恋人探しに苦労する人も・・・。
こうしたISTP特有の問題の克服方法についてはこちらの記事にまとめています。
さて、ISTPタイプは一見、ESTPタイプと似ています。
しかし両者には次のような違いがあります。
ESTPタイプの場合、かりに1人で仕事をしていても、声を出しながらにぎやかに仕事をやっているため、仕事の進み具合が周りの人にもよくわかるものです。
それ対し、ISTPタイプの場合は1人で黙々と仕事に集中しているので、どこまで進んでいるのか周りの人にはよくわかりません。
これはやはり外向タイプのESTPと内向タイプのISTPの違いが出ているわけですね。
こうした自分の流儀を理解しておくと、仕事選びにも役に立ちます。
ISTPの仕事についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
国や民族によって違いはありますが、一般にISTPタイプは少数派だと言われています。
特に女性では少ないかもしれません。
そこで次の関連記事では「女性のISTPタイプ」へのちょっとしたアドバイスをまとめてみました。
ISTPの性格診断をまとめると・・・
ISTP「一匹オオカミの仕事人」タイプは自分1人で何でもこなせる器用な人。
だから自給自足型の人間だとも言えます。
でも、周囲とのコミュニケーション不足からマイワールドに閉じこもりがちな一面も・・・。
自分の良い部分を伸ばすとともに、弱点を克服していくことが今後の課題になるでしょう。