INFPタイプは理想が高く、そして純粋な心を持った性格タイプです。
それだけに実社会では生きづらさを感じる人も多いようですね。
このページではまずINFPの性格診断の結果をお伝えします。
その上でINFPの人が今以上に能力を伸ばす方法についても考えてみたいと思います。
INFPは夢や理想と豊かな感情を内に秘める
INFPは内向感情(IF)型に直観(N)機能がプラスされたような性格タイプです
このタイプは直観(N)機能が発達しているため、たいがい理想主義者です。
よって、いろんな物事に対して理想やあこがれを抱く傾向があります。
たとえば・・・
・理想的な暮らしを想像する
・理想的な職業を探す
・理想の自分を夢みる
etc.
ところが『内向(I)的な感情(F)型』が性格のベースになっているため、自分の「心の内」を素直に外に出すことができません。
それゆえ様々な夢や理想を抱きながらも、すべて自分の心にしまっておく・・・というタイプです。
その結果、「心の中」には豊かな感情エネルギーが充満しているのに、それが外には1㎎も漏れ出ていかないという状況になっているのです。
このタイプを理解するには、例えば「片思い」という状況を思い浮かべるといいかもしれません。
誰かを好きになった時、自分から見る相手の人はどんどん「理想化」されていきます。
たとえば普通の女性が女神に思えたり、普通の男性が白馬の騎士に思えたり・・・。
ところがいつまでたっても自分の「心の内」を相手に打ち明けることができません。
そうした「片思い」の時のような心理状況が1つの性格スタイルになったのがINFPだと言えるでしょう。
INFPは普段はおとなしく、存在感がほとんどない人もいます。
でも、先ほど述べたように心の中には様々な感情が渦巻いています。
だからいったんフタをあけてみると、実は誰よりもロマンチストだったり、あるいは誰よりも過激な思想家だったりします。
こういう「見た目と内面との大きなギャップ」がINFPの特徴でもあります。
下の図はユング心理学の立場でINFPの4つの性格機能を表したものです。
《MBTIでの解釈とは異なります》
このように感情(F)機能と直観(N)機能は意識化されていて、本人も使い慣れていることがわかります。
この図の通り、本来、INFPは感情(F)機能がメインですが、実際には直観(N)機能の強さもかなり目立つ性格タイプです。
一方、思考(T)機能と感覚(S)機能については無意識下に眠っており、未開発の状態です。
この無意識下に眠る2つの性格機能を開発し、目覚めさせることがこのタイプの課題と言えるでしょう。
このページのINFPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
まずは思考(T)機能を目覚めさせることが大切
INFPは基本的に内向感情(IF)型の人です。
この本質を理解するには外向感情(EF)との比較で考えてみるのが一番よく理解できると思います。
外向感情(EF)の場合、自分の喜怒哀楽を表に出し、そして積極的に周囲の人と感情を共有しようとします。
これに対してINFPのような内向感情(IF)の場合、感情は同じように豊かでも、喜怒哀楽を自分の中に包み隠そうとします。
また、自分から外に出てゆくというより、自分の方へやってきた相手と感情を共有しようとする傾向があります。
つまり、どちらか言えば「受動的な共感」なのです。
それが一番よくわかるのが職場でのINFPの振る舞い方です。
INFPは自分から手をあげて何かを率先してやろうとはしません。
そういう意味では本当に存在感の薄い従業員という感じです。
ところが誰かがINFPに頼み事をしたとします。
すると、INFPは
「やっと私の存在に気づいてくれたか」
とばかりに張り切って仕事をします。
やがて周りの人はそのINFPが意外に優秀でマジメ、しかも頼んだら断らない「優しさ?」を持っていることに気づき、次から次へと頼み事をしてきます。
一方、そのINFPはどんなに忙しくてもキッパリ断ることができません。
実際、相手が困っている気持ちには「共感」できるし、それをむげに断ったら相手に悪いような気がするからです。
でも、そのうち精神的にも「一杯一杯」となり、ある日ついにブチ切れる時がやってきます。
本当はそうなるまでに誰かに相談したり、自分の考えを周囲に説明すべきだったのですが、内向(I)型ということもあってそれができません。
だから
「もう限界!」
というまでずっと我慢しつづけることになるのです。
職場で今までおとなしかった人が突然キレたり、
「もうやってらんない」
と言って職場を去って行くのはこのパターンかも知れません。
残された人にしてみれば
「なぜ今まで、何も言ってくれなかったのか」
と驚くことになるのですが、後の祭りです。
これは結局、INFPが自分の状況を論理的に説明できないことが原因です。
つまり思考(T)機能が未発達なため、「ビジネスライクに要件を伝える」という発想が出てこないのです。
よってINFPのように感情(F)機能が特に目立つ性格タイプの場合、逆に思考(T)機能を意識的に開発していくことは自分の生き方を変えるためにも有効だと言えます。
▼INFPが自分の思いを「論理的に伝える」、「わかるように伝える」方法を次の記事にまとめてみました。
理想主義者ゆえに自分にダメ出しをしてしまう
INFPは基本的に寛容な性格で、よほどのことがない限り他人を責めたりはしません。
また、自分とは違う価値観に対しても理解を示すことができる人です。
ところが自分自身に対する要求水準はとても高く、
自分はまだまだ理想には届かない未熟者だ
と思いこむ傾向があります。
これは理想主義者にありがちな完璧主義のためでしょう。
常に完璧な理想形をめざしながら、そこに手が届かないのは自分自身の力不足のせいだ・・・と考えるわけです。
これは簡単に言えば
理想と現実のギャップに苦しむ人
の典型的な姿かも知れません。
それと同時にこのタイプは自己批判の精神も強いんだ
こうしてINFPはしばしば「生きづらさ」を感じながら人生を歩むことになります。
でも、その「生きづらさ」の正体は自分自身が勝手に脳の中でこしらえた「架空のハードル」に過ぎないことに気づく必要があります。
そのハードルは、もし自分がそう願うなら、いつでも消すことができるのです。
そうすれば、ずいぶんとラクになるはず・・・。
でも、そのハードルを消すには必要なものが2つあります。
1つは先ほど述べた思考(T)機能。
これによって、自分自身を論理的に説得しなければなりません。
そしてもう1つが現実感覚です。
脳の中の「架空のハードル」に苦しめられないためには、現実的に物事を見るという習慣が大切になってきます。
そのためには無意識の領域に放置されている感覚(S)機能を目覚めさせる必要があります。
▼感覚(S)機能を目覚めさせ、現実感覚を取り戻す方法についてはこちらの記事にまとめています。
「稼ぐ力」の有無がINFPの人生を左右する
INFPタイプにとって最大の悩みはおそらく仕事選びではないでしょうか。
ネットを見ると、芸術家がいいとか、占い師がいいとか、けっこう無責任なアドバイスが満ちていますよね。
そういった職業では余裕のある暮らしは不可能でしょう。
とか言われて、
「はい、そうします」
なんて言えないよね・・・
INFPにとって本当に大切なことは単なる適職探しではありません。
どんな職業に就くにせよ、しっかりと稼ぐ力を養うことです。
そのための考え方は次の記事にまとめましたので参考にしてください。
INFPの性格診断をまとめると・・・
INFPタイプの人が「自分の人生を変えたい」と思うなら、まず自分自身を客観的に理解しましょう。
そして自分の性格傾向を論理的に分析できれば、どこをどう変えてゆけばよいかが見えてきます。
また、悩み多きINFP女性に特化した形の記事はこちらに用意しています。
(実はINFP男性にも参考になります)
では、最後にINFPの性格についてまとめておきます。
●理想や夢を心の中にしまっておく。
●心の中に豊かな感情が渦巻いている。
●一見、大人しいが心の中は過激だったりする。
●見た目と内面とで大きなギャップがある。
●頼って来る人に対しては共感する。
●キッパリと断れない優しさ(弱さ?)がある。
●自分の考えを論理的に説明するのが苦手。
●完璧主義ゆえに自分自身にダメ出しをする。
●思考(T)と感覚(S)の開発が重要課題。