旧ナマケモノ性格診断

知覚と判断 ― 周囲との接し方 その②

知覚と判断②

このページは『知覚と判断①』からの続きになっています。

 

前回の記事において、本来のユング心理学とそこから派生したMBTIの違いを説明しました。

大切な内容だけに、こってりした内容だったので難しく感じたかもしれません。

 

今回のテーマ、

判断(J)型か、それとも知覚(P)型か?」

は前回の続きですが、前回よりは単純でわかりやすいと思います。

たぶん説明を読むだけで自分がどちらのタイプなのか、すぐにわかるでしょう。

 

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知覚機能と判断機能

 

前回の記事の中で、

人間は外界から情報を取り入れ、そして様々な判断を下している

という話をしました。

 

そして

情報の取り入れが知覚機能

判断を下すのが判断機能

と述べました。

 

また、これをユング理論では次のように整理できるのでしたね。

感覚(S)直観(N)知覚機能

思考(T)感情(F)判断機能

 

 

MBTIでは上記の理論をさらに展開させて、独自の性格タイプ指標を作りました。

それが知覚(P)型と判断(J)型です。

 

これはものすごく簡単に言えば

「知覚機能と判断機能のどちらが発達しているか」

を見るための指標です。

 

なお、NとPという表記については前回の記事でも述べましたが、もう一度、確認しておきましょう。

知覚(P)→Perceive(知覚する)

判断(J)→Judge(判断する)

PとJはそれぞれの単語の頭文字ですね。

 

 

「もっと情報が欲しい」VS「早く判断したい」

 

ユング心理学では人間は

感覚(S)直観(N)思考(T)感情(F)

の4つの「性格機能」を持っていると考えています。

 

ユング心理学では外向(E)内向(I)は「態度」と呼び、上の「性格特性」とは区別しているよ

 

MBTI独自の知覚(P)型という指標は

上の4つの性格機能の中で

感覚(S)直観(N)のどちらかが特に強い

というタイプのことを言います。

 

一方、判断(J)型という指標は

上の4つの性格機能の中で

思考(T)感情(F)のどちらかが特に強い

というタイプの人を指します。

 

くどいようだけど、知覚(P)判断(J)を性格指標として使うのはMBTI独自の方法だよ

 

知覚(P)型は理解を深めるために時間をかける

「知覚」などと言うとわかりづらいかもしれませんね。

そこで、これを「理解」という言葉に置き換えてください。

 

たとえば、

あの親は子どもに対して理解がある

という場合の「理解」と同じ意味です。

 

これは子どもの事について親が

「あれは良い、これは悪い」

と即断せず、しばらく黙って見守る・・・

という場合に使われる「理解」ですよね。

 

その親は子を理解するために、しばらく子どもを観察し、話し声に耳をすまし、そしていろんな情報をキャッチすることで、自分の子どもに対する判断材料を増やそうとします。

 

そういった「理解」のことを、心理学っぽく「知覚」と呼んでいるのです。

 

知覚(P)型の人は

結論を出すのはまだ時期尚早だ。

全部をちゃんと理解するまで、もう少し様子を見よう。

と考える傾向があります。

 

判断(J)型は判断を下して前進しようとする

人が何かを「判断」しようとするのは

早く結論を出した方が落ち着く

という気持ちがあるからでしょう。

 

判断を下して結論を得れば、人は安心して前に進むことができます。

だから判断(J)型の人は「着実な前進」を好みます。

 

また物事を着々と進めるためにも

スケジュールやルールが決まっていた方が都合がよい

と考える傾向があります。

 

着々と進めるためには反対者がいない方がいいよね
だから他人を自分の意見に従わせようとする傾向も出てくるかな・・・

 

 

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「人の話を聞く派」VS「自己主張する派」

 

知覚(P)型と判断(J)型の考え方にはいろんな部分で対象的な違いが出てきます。

 

知覚(P)型の考え方

知覚(P)型は人の意見をきちんと傾聴する割には、自分自身の意見をあまり言いたがりません。

なぜなら人の意見を聞いているうちに、自分の意見もまた変わるかも知れないからです。

 

こうしたケース以外にも、知覚(P)型はとかく結論を先延ばしにしがちです。

なぜかと言うと、

今決めてしまうと後々よくない結果になるのではないか

という心配が先に立つため、

すべての状況を理解した後で判断しよう

と考えるからです。

 

早々と決めてしまうと後で変更がきかず、柔軟に対応できなくなるからね

 

判断(J)型の考え方

判断(J)型はさかんに自分の意見や考えを主張しますが、案外、その根拠はあいまいだったりします。

それは情報を集めて「裏を取らない」うちに判断してしまうことが多いからです。

つまり「とりあえず主張しておく」という性格傾向があるのです。

 

また、判断(J)型は何かと早く決めたがります。

なぜなら

結論を棚上げにしておくと、気になって逆にストレスがたまる

という理由があるからです。

 

たとえば美容院の予約とかは1週間先であっても必ず取ってから行くよ
予定を決めておかないと安心できないからね

 

 

したがって判断(J)型の人は

知覚(P)型の人って、いつまでも煮え切らない人が多いな・・・

に思うことがあるようです。

 

一方、知覚(P)型の人は

判断(J)型の人って、せっかちな上、何でもすぐに決めつけてくるな・・・

と思う場合がよくあるようです。

 

 

まとめ

 

知覚(P)型と判断(J)型については、総じて次のようなことが言えるでしょう。

 

知覚(P)型は

ちょっと優柔不断だけれど、柔軟な性格だ

判断(J)型は

決断力はあるけれど、頑固なところがある

 

 

すでに述べましたが、知覚(P)型と判断(J)型という指標はMBTI独自の指標で、これは本来のユング心理学にはありません。

 

ユング心理学をベースにしている当サイトとしては、この指標は参考程度にとどめています。

ただし性格タイプの説明がそれによって損なわれることはないと考えています。

 

★本来のユング心理学における判断的機能と知覚的機能という用語の意味については次の記事でわかりやすく解説しました。

「判断的か知覚的か」という心理学用語の本来の意味

 

 

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