ISFPタイプの人は「実に良い人」です。
優しいし、穏やかだし、人の話をよく聞いてくれる。
平和な日々を送ることに満足を覚える性格で、決して冒険を好むタイプではありません。
でも中には「自分の人生を変えたい」と願うISFPの人もいます。
そういう場合、どんなところに注意すればよいのでしょうか。
この記事ではISFPの性格について解説しつつ、このタイプの人が「よりよく生きるコツ」についてまとめてみました。
ISFPは豊かな感情を内に秘めた温厚な人
ISFPは内向感情(IF)型に感覚(S)機能を味付けしたような性格タイプです。
内向感情(IF)の特徴を簡単に言えば
心の中に豊かな感情を秘めている
ということになります。
ただし内向(I)型なので、ド派手に喜怒哀楽を表現するタイプではありません。
でも、この人が優しい人だということは、その雰囲気からだけでもジンワリ伝わってきます。
また、その優しさにも決して押しつけがましいところはありません。
さらに現実主義者的な感覚(S)機能も発達しています。
それゆえこのタイプの感情(F)機能は現実感覚によって統制されている印象があります。
いわゆる「感情的な人」の中には自分の感情に振り回されて、我を忘れてしまう人っていますよね。
ところがISFPの場合、あまりそうはなりません。
適度に感覚(S)機能の制御が入るため、
うずまく感情は内に秘め、
外見的には温厚な印象を崩さない
といった性格が現れるのです。
また、「現実感覚がある」とは言っても、要領の良さで世渡りしている人ではありません。
むしろどこか不器用そうな雰囲気があり、しゃべり方も朴訥(ぼくとつ)です。
それでもなぜかそこに「人のよさ」が感じられるのです。
気の利いたジョークとかを言う人ではないし、出しゃばる人でもありません。
目立ちたがり屋でもありません。
でも、何げない一言に誠意や温かみが感じられ、人の言うことには「うんうん」と共感しながら耳を傾ける人です。
したがってISFPの全体的な印象は
つつましく誠実で、ほんわかしている人
といったところでしょうか。
周囲の人にとっては精神安定剤のように感じられる人かも知れません。
このページのISFPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
できれば思考(T)と直観(N)の両機能も開発したい
ここでユング心理学の考え方を使ってISFPの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、感情(F)機能と感覚(S)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが思考(T)機能と直観(N)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
この無意識下に眠る2つの性格機能を開発し、目覚めさせることがこのタイプの課題と言えるでしょう。
地道でも今日一日を平穏に幸せに生きようとする
繰り返しになりますが、ISFPには感情(F)と感覚(S)の2つの特性が混じっています。
したがって、
感情面は安定しており、地に足つけて生きている
といった雰囲気があります。
だから怒っている時も悲しい時も、仕事は仕事でちゃんとやる人です。
たとえば
「給料低いし、待遇悪いし、最低な会社だ・・・」
などと小声で文句を言いながらも、今日の仕事だけはしっかり終わらせて帰る人です。
また、ISFPタイプの人はそもそも欲がそれほど強いわけではありません。
権力へのあこがれも持っていません。
どちらか言えば、「足るを知る」という人が多いように思います。
「地道でも今日一日を幸せに生きられればよい」
と考えている人たちです。
そういう意味から言えば「人生上の大きな悩みを常に抱えている」というタイプではなさそうに見えます。
目の前の仕事にコツコツと取り組む性格
仕事に関しては自分のペースでコツコツと勤勉に取り組んでいくタイプです。
内向(I)型なので派手なチームプレイは好みません。
でも、組織に属したとしても、その中の良き一員として和を乱すことなくやっていこうとするでしょう。
一般にISFPタイプの人は出世や出世競争、地位にはさほど興味を持ちません。
つまり「ガツガツいかないタイプ」だからか、肉食系の職場では周囲から
「なんとなく物足りない」
「ぼんやりしている」
と思われる場合もあります。
こうした性格ゆえに、他と競い合わなくてはならないような仕事や職場は向いていないかも知れませんね。
また、遠い未来のことより、
「今、目の前にあることを自分はしっかりやればよい」
と考えるタイプです。
だから長期にわたる仕事より、短期で一区切りのつく仕事、すなわち「手離れのよい仕事」を選んだ方がいいでしょう。
「人の良い性格」が長所でもあり短所でもある
一般的に温厚で優しい性格のISFPタイプではありますが、弱点とも言える部分が1つあります。
それは「人が良すぎるところ」です。
このタイプは割と「性善説」の考え方で生きている人が多いように思います。
つまり人間関係においては
「(自分がそうであるように)相手もまた善人だろうから、悪意なんて持っていないだろう」
と思いこんでしまう人がいるのです。
その結果、人を信じてだまされたり、うまく利用されたりする・・・ということが出てきます。
そうならないためにも、ISFPの人もよい意味での「抜け目なさ」を身につけておいた方がよさそうです。
また、ISFPタイプの人は他人と争ったり、競争するのが苦手です。
ここにもまた「人の良さ」が影響しています。
確かに他人を蹴落としてまで上に行こうとか、他人を出し抜いてまで利益を得ようという気持ちがないのは素晴らしいことでしょう。
でも、そのために自分が不当に損をしていることに気づかない場合もありそうです。
もっともそれで本人が嫌でも何でもなければ、それはそれで問題はありません。
欲のない人に「欲を出せ」というのもナンセンスです。
しかし、横から見ているとちょっと惜しい気がします。
ISFPはもっと情報収集力を身につけよう
どういうわけかISFPタイプを冒険家だと言う人がいます。
でも私の観察ではそうは思えません。
ただ、このタイプも生涯ずっとおとなしいわけではなく、時に自分の人生を変えようとする場合があります。
そういう時はこのタイプにとっては大きなチャレンジとなります。
ところがちょっと残念なことがあります。
ISFPは長期にわたる展望というものをあまり持たないタイプなのです。
そのため「見通しの悪さ」がわざわいし、
「こんなはずじゃなかった・・・」
という結果になりがちなのです。
では、そうした失敗を回避するにはどうすればよいか・・・。
最大のポイントをあげるとすれば、コレです。
情報収集力を身につける
この情報収集力とはユング理論で言えば
外向(E)型っぽい意識の用い方を覚え
同時に直観(N)機能も目覚めさせる
ということです。
ISFPは常に「目の前のこと」にばかり注意が向く傾向があります。
だから「目の前のこと」には真剣に取り組みますが、「今、目の前にないこと」には関心をあまり持ちません。
でも、その「今、たまたま目の前にないこと」こそ、実は大切なことだったりします。
すでに述べましたが、ISFPの人は「地に足つけて生きている」人です。
しかしいくらなんでも
地に足をつけすぎている
ところがあるんですね。
たまにはジャンプして、ちょっと高いところに視点を置けば、見えてくる景色が変わります。
すると次にチャレンジするための作戦が上手に立てられると思います。
そういう意味で幅広くいろんな情報を収集するといいでしょう。
今、自分が興味あることだけをひたすら深く追いかけるのではなく、普段は見過ごすようなニュースを見てみたり、記事を読んだり、動画を観たり・・・。
こうやって、いつも自分の頭の中に新しい情報を幅広くインプットしていきましょう。
そしてできれば5年後、10年後、20年後の未来を想像してみましょう。
よい意味で「現実離れした思考」もこのタイプには必要です。
そうやって視野を広げていけば自分の天職を見つけることもできるでしょう。
また、それによって人生はさらに豊かなものになっていくはずです。
ISFPの性格診断をまとめると・・・
「足るを知る」という生き方をするのがISFPタイプの人たちです。
それだけに他のタイプに比べると「苦悩の人生を送っている」というイメージはあまりありません。
でも多少の欲を出すことで、さらに人生をステップアップさせることは可能です。
●心の中には豊かな感情が秘められている。
●感情(F)型ではあるが現実感覚も同時に持っている。
●遠い未来を考えるより今日一日を真剣に生きる。
●出世や地位にはあまり関心がない。
●人の良すぎるところが長所であり短所でもある
●情報収集力を身につけると人生はもっと開ける。
●未来に興味を持つことも大切。