ESTPは常に過密スケジュールに追われて生きています。
でも、その割に心の中はちょっと空虚・・・。
「自分の人生はすでに充実している」
と考えるのはかまいませんが、時には生きるスピードを落とすことも必要です。
そうすれば本当の意味で人生の質を上げることができます。
ESTPは五感を頼りに自分の人生を切り拓く
ESTPは外向感覚(ES)型に思考(T)機能が組み合わさった性格タイプです。
まず最初に外向感覚(ES)の部分からこのタイプの特徴を見ていきましょう。
これは簡単に言えば、
生きていく上での最重要センサーとして「五感」をフル活用している
ということです。
五感とは次の5つです。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
ESTPにとって、これらの感覚器官から入ってくる情報こそ、あらゆる面での行動指針、判断基準となります。
例えば何か電化製品を購入する際、このタイプはネット情報や口コミはほとんど参考にしません。
友人のアドバイスにもあまり耳を貸しません。
まず店頭に行き、現物の色やデザインを自分の目で見る。
そして自分の手で触れ、(もし可能なら)その場でスイッチを入れてみる。
また持ち上げてみて重さを確認してみる。
そして自分の五感にフィットするかどうかを考える。
そうしてやっと「買う・買わない」を判断するのです。
その製品を買って帰っても説明書は読みません。
いきなりスイッチを入れ、次々にボタンを押してみて、「どれを押すとどうなる」を指で確認していきます。
つまり、まず活動的な感覚(S)機能があり、それに思考(T)機能が追随していくパターンです。
普通だと「考えてから動く」という順番になるでしょう。
ところがこのESTPについて言えば、
まずカラダを動かさないとアタマも動かない
という順番になるのです。
でも、だいたいこんな感じの人かな
ESTPは思考(T)機能や感情(F)機能のフィルターを通さずに物事を感覚的に処理します。
つまり「立ち止まって論理的に考える」とか、「自分の気持ちを確認してみる」、あるいは「人の気持ちを忖度してみる」というプロセスがありません。
突然、動き始めるのです。
だから何をするにも
対処のスピードが早い
という特徴が出てきます。
それゆえ仕事などでは実働部隊として優れた能力を発揮します。
その一方、普段は周囲の人に
「何も考えないで、いきなり始める人だなあ・・・」
と不安を抱かれることもよくあります。
しかしESTPはもともと筋金入りの現実主義者です。
その上、一応、思考(T)型の要素も入っています。
だから周囲の心配とは裏腹に、割と現実的な選択ができている傾向があります。
次に思考(T)型という面について考えてみましょう。
ESTPタイプの人は、はっきり言って想像力が貧困です。
ロマンチックな要素もほとんどありません。
なぜなら思考(T)機能は発達しているのに、感情(F)機能の方は相対的に未開発だからです。
かと言って、思考(T)型の割にはさほど理屈っぽい性格でもありません。
なぜかと言うと、このタイプの思考(T)機能は行動面に現れることはあっても、会話や言葉の中にはあまり出てこないからです。
このページのESTPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
直観(N)機能と感情(F)機能が苦手分野
ここでユング心理学の考え方を使ってESTPの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、感覚(S)機能と思考(T)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが直観(N)機能と感情(F)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
これら未開発の部分にかかわる問題はこのタイプにとってはまさに苦手分野となります。
しかし一番の問題はこうした苦手分野を持っていることではありません。
本人に「自分にはそういう苦手分野がある」という自覚がないことこそ、最大の問題なのです。
苦手な機能については開発するのはなかなか困難です。
しかし今述べたような自覚を持つだけでも生き方が変わったり、あるいはラクになったりするものです。
「今やる」主義、しかも「全部やる」主義
ESTPの人は複数の選択肢の中からたった1つを絞るのが苦手です。
では、「いつまでも迷っているのか・・・」というと、そうでもありません。
全部片っ端から試してみよう
これがこのタイプの行動指針です。
「今やる」主義、そして「全部やる」主義の人だと言えます。
1つの結果が出てから次に移るのではなく、考えられる選択肢を同時にやってみる。
結果は後になればわかる・・・。
そういう性格なので、「一刻も時間を無駄にするまい」という姿勢で生きています。
先ほど「電化製品の説明書を読まない」と述べましたが、これも全く同じ発想です。
「片っ端からスイッチをオン/オフしていけば、何のスイッチかわかるはず」
と考えているのです。
また、会社に入っても新人研修を大人しく受けているのが苦痛だったりします。
中には一刻も早く現場に出たくてウズウズしている人もいます。
でも実際、割とカンもよいため、現場に出ても気おくれせずにやっていけます。
新人なのに「すでに歴3年」みたいな顔をして現場にとけ込むセンスを持っています。
逆にマニュアルや仕事の手順を押し付けられるとウンザリしてしまうかも知れません。
こうした部分でのESTPの性格傾向をワンフレーズにするなら
決まった手順を踏まない性格
と言えるでしょう。
「手順を踏まない」というと聞こえが悪いのですが、この「数打ちゃ当たる」主義には良い面もあります。
ESTPとはよく似た性格特性を持っている現実主義者タイプにESTJがあります。
こちらのESTJの場合、「一度決めたら方針は貫く」という融通の利かない面があります。
ところがESTPの場合は前述のごとく
行動しながら考える
というタイプです。
これは言い換えると、
行動するうち考えも変わる
ということ。
だから同じ現実主義者でも、ESTPは
柔軟な現実対応力がある
と言えるでしょう。
したがって予定にない事、想定外の出来事が起きた場合でも機転を利かせて立ち回れるのはESTPだ、ということになります。
忙しいのが大好きで暇だと死にそうになる
ESTPは「全部片っ端から試してゆく」と述べましたが、実際、非常に活動的な人です。
いや、もはや「非常に・・・」などというレベルではありません。
異常に活動的だ!
といった方がぴったりでしょう。
ESTPをパッと見た印象を言えば、まるで学生時代にバスケットボール部で大活躍していたかのような雰囲気があります。
これはまったく運動していなかった人の場合でも同じです。
とにかくエネルギッシュで、女性で言うなら「おてんば」という言葉がぴたりと当てはまりそうなイメージです。
また(少なくとも)人前ではめったに疲れた素振りは見せません。
疲れたら、疲れを吹き飛ばすために遊びに行くようなタイプです。
暇なのは大嫌い!
暇が続くと死んでしまう・・・
そんな性格傾向のESTPに付き合って遊ぶなら、それなりの体力は必要になるでしょう。
悪びれず自分本位なところがある
なにしろ行動しながら考えるESTPですから、自分1人、みんなとは違うやり方で何でも始めてしまいます。
良く言えば「型にはまらない人」。
でも、周りの人の目には
ずいぶん身勝手な人だなあ・・・
自分本位なところがあるなあ・・・
自己中心的だなあ・・・
と映っている可能性があります。
それでも本人は「自分は正しい」と思い込んでいます。
決して悪びれません。
まさか自分が人に迷惑をかけているなどと露ほども思っていません。
これは感情(F)機能が未発達なため、他人の気持ち、信条に配慮するセンスが不足しているからです。
だから例えば何かの約束、あるいはお店の予約などを自分の都合でドタキャンしても、それで相手が迷惑するなどとは考えません。
そもそもそういう想像力が働かないのです。
また、ESTPはスケジュールを立てる時、ついついやりたいことを欲張りすぎる傾向があります。
だから予定をぎっしりと組んでしまいます。
当然のことながら何もかも予定通りにいくわけがありません。
それで自分自身が損をしたり、あるいは他人に迷惑をかけることもあるのですが、それでも一向に懲りません。
ケロッとした顔で、すぐに次の「プロジェクト」を開始するという人です。
ESTPタイプの人は内面が発達していない
ESTPは典型的な外向(E)型です。
だから積極的に外界に働きかけていくタイプです。
しかしエネルギーをほとんど自分の外側で使い切る人なので、逆に言えば内面、つまり心の中がエネルギー不足になる傾向があります。
・・・と、小難しく述べましたが、もっと端的に言えば
少々、中身がない・・・
ということなんですね。
実際、その証拠にこのタイプは自分のことを上手に説明できません。
たとえば映画を観て、
「わあ~、楽しかったぁ」
と大声で叫ぶものの、
「どんなところが心に響いたの?」
と質問すると、自分の気持ちをうまく言葉にすることができないのです。
つまり自分について語るとなると、とたんにボキャ貧になってしまうのですね。
これは興味が常に外側の世界に向いていて、内面が未開発なままだからです。
良く言えば「表裏のない人」。
しかし人間なのだから、もうちょっと裏側もあった方がよいのでは・・・と思えたりします。
さて、内面が未発達な人にありがちな弱点として、
あやしげな新興宗教にはまりやすい
という点があげられます。
これは外向感覚(ES)全般にありがちなのですが、「精神世界」に対する免疫が不足しているのです。
その理由として、1つには外向(E)型は人の話を信じやすいから、というのがあります。
それは相手の話を聞いているうちに、自分も前々から相手と同じように考えていたように感じてしまうからです。
特にESTPは直観(N)機能が未開発なため、文字通り直観的に相手のウソを見破ることができません。
その結果、相手の話にまんまと引っかかり、気づくと高価な壺を買わされていたりするのです。
時には「宇宙パワーを手に入れる講習会」などに高いお金を払って通い続けたりします。
そういうESTPの人を見て周囲の人は
「あれほど仕事のできる人なのに、なぜ・・・」
と不思議がることになります。
ESFPは未来に対する想像力を鍛えよう
本来、ESTPは心の問題で悩んだりするタイプではありません。
内面の悩みという引力から解放されている性格なので、現実世界で大ジャンプできるのです。
日常のささいな出来事で常に悩みまくっている他のタイプからすれば、なんとも羨ましい限りですね。
だからこのタイプの人に向かって
「こんなことじゃ、将来、損するよ」
と脅しめいたことを言っても耳を傾けてくれないでしょう。
そこで逆に
「こうすればもっと動き回れるのに!」
という話をしてみたいと思います。
結局、ESTPもまた自分の影となっている性格特性を開発するしかありません。
すなわち直観(N)と感情(F)の2つの機能を開発する必要があるのですが、ESTPの場合は特に直観(N)機能を鍛えることが重要でしょう。
直観(N)機能とは簡単に言えば(五感ではなく)第6感で物事を理解する力を指します。
でもこのような言い方をすると、またアヤシイ新興宗教に走ってしまう危険性があります。
そこで、
未来について想像する力
と言い換えることにしましょう。
ESTPタイプの人は自分の将来の夢をちゃんと考えることなく、ただひたすら「今」を生きているケースが多いです。
「今」がよければそれでいい、と思っているのです。
そこで「今」についてはさておき、自分の将来設計を立ててみることをお勧めします。
それもできれば2年後、5年後、10年後、20年後といったスパンに分けて考えてみるのです。
こうして時間軸における視野を広げて自分の人生を考える習慣を付けるのです。
すると、今、本当に必要なことは何なのか、何をするべきなのかがわかってきます。
それと同時に
何をやらなくていいか?
もわかってくるでしょう。
これさえわかれば数多くの選択肢を片っ端から自分で試す必要はなくなります。
家電製品のボタンを全部自分で押してみるより、説明書にざっと目を通した方が早いことにも気づくでしょう。
また、ESTPは常に全速力で生きている感があります。
周りの人の目には「何だか落ち着きのない人」と映っています。
でも、やるべきことを減らせれば、スピードを落として生きることができます。
そうすると、今まで知らない間に自分が迷惑をかけていた周りの人の気持ちにも気づくようになるでしょう。
まあ、いずれにしても精神論になってしまいますね・・・。
しかし生き方をちょっと変えてみることで、周りの人には成熟した人格の持ち主だと思われるようになるはずです。
それは決して悪いことではありません。
ESTPの性格診断をまとめると・・・
最後にESTPの性格をおさらいしておきます。
何かと自覚の足りないESTPさんですが、せめて次のような自覚だけでも持っておきましょう。
その自覚こそ、人生を変える第一歩です。
ESTPは…
●自分の五感を頼りに人生を切り拓いていく人。
●先に体を動かすことで後から思考が付いてくるタイプ。
●現実対応能力が優れている。
●決まった手順を踏まずに何でも自己流でやりたがる。
●人への配慮がなく、やや自己本位なところがある。
●行動的だが内面はやや未発達である。
●直観(N)機能を開発することで、もっと成熟した人間になれる。