できることなら永久に頭の中でアイデアを練り続けていたい・・・
というのがENTPタイプの人の願望かもしれません。
でも、そうやって思考活動ばかりしていても現実は前に進みません。
そこで、そうしたENTPの問題点を整理し、潜在能力をさらに伸ばすための方法を考えてみました。
ENTPはヒラメキ思考で生きている
ENTPは外向直観(EN)型に思考(T)機能が味付けされたような性格タイプです
外向直観(EN)、つまり直観(N)機能が外側に向いているということは、
この世の中をヒラメキで見ている
ということです。
1つ例をあげましょう。
目の前に川があって、そこに石でできた橋がかかっているとします。
そこを渡らないと向こう岸に渡れないのですが、橋が壊れないかちょっと心配です。
こんな場合、もし外向感覚(ES)型の人なら、その石の橋を触ってみたり、叩いてみたり、足でどんどんやってみて、頑丈かどうかを確かめるでしょう。
これに対して外向直観(EN)型の場合、その石の橋を一瞬見ただけで
この石橋は頑丈そうだ!
と文字通り直観的に思って、ためらうことなく渡ってしまうでしょう。
ところがENTPのように、この外向直観(EN)に思考(T)機能がかかわると性質が少し変わってきます。
なぜなら単なる「カン頼み」ではなく、論理的な根拠もくっ付いてくるからです。
だから
構造学的に考えて、
この橋の強度なら
99%の確率で安全だろう。
みたいな理屈を頭の中で瞬時に組み立てるわけです。
単なる外向直観(EN)に比べると、なんだか「地に足がついている」感じがしますよね。
また、普通の思考(T)機能に比べると、直観力という羽がついているので、
思考速度がめちゃくちゃ速い
って感じがしますよね。
実際、ENTPタイプの人の特徴は頭の回転が速いこと。
その頭の回転に比例して、早口の人も多いんですよね。
これは子供の頃から頭の回転に合わせて字を速く書く習慣があったから、自然と乱雑な字を書くようになったんだね
さて、頭の回転が速いということは、言い換えると、
短時間でたくさん考えられる
ということですね。
もう1つ言えることがあります。
それは、たくさん考えるわけだから、
1つ1つ重たくは考えない
ということ。
つまりライト思考で、マシンガンのように次々とアイデアを出してくる人だってことです。
ENTPの人って、もしテレビのコメンテーターにでもなれば引っ張りだこになるでしょうね。
その理由をいくつかあげてみると・・・
まず、ENTPの人って好奇心が旺盛だから話題も豊富です。
よって、どんな話題でも一通りコメントできる。
しかも話がおもしろい。
しかも話に論理性があるため、さりげなく説得力もある。
また、ゆっくりダラダラしゃべるのではなく、限られた時間でサクッと意見をまとめられる。
そしてもう1つ、コメンテーターとして重要なことがあります。
それは最初から「ああだ、こうだ」と断定せず、考え方のヒントを複数提供できるという点です。
こういうふうに話が上手なので、視聴者も「なんだか得したような気になる」というわけです。
このページのENTPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
感覚(S)機能と感情(F)機能が苦手分野
ここでユング心理学の考え方を使ってENTPの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、直観(N)機能と思考(T)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが感覚(S)機能と感情(F)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
これら未開発の部分にかかわる問題はこのタイプにとってはまさに苦手分野となります。
しかし一番の問題はこうした苦手分野を持っていることではありません。
本人に「自分にはそういう苦手分野がある」という自覚がないことこそ、最大の問題なのです。
苦手な機能については開発するのはなかなか困難です。
しかし今述べたような自覚を持つだけでも生き方が変わったり、あるいはラクになったりするものです。
独創的な解決方法にこだわる性格
世の中には
「考えるよりまず行動だ!行動しながら解決するんだ!」
という人がいます。
このタイプと対照的なのがENTPです。
ENTPの場合は
まず頭の中で様々な解決法を考える
実行に移すのはその後だ・・・
という順番になります。
時には頭の中でシミュレーションだけしてみて、実際には行動しない場合さえあります。
言い方は変ですが、
アイデアが多過ぎて全部は試していられない
・・・という状態になるからです。
あるいは、
すべて最後までやっていられない
というケースも多いです。
人は何か問題を抱えると、それを解決しようとしますよね。
それはENTPも同じです。
でもENTPにとっては実際に物事を解決することより、解決方法を考えることの方がずっと大切です。
しかも他人から教わった解決法ではなく
独創的な解決方法にこだわる
という傾向があります。
ENTPにとっては教科書とかノウハウ集なんてのは興味なしです。
「伝統的なやり方は・・・」という話にも無関心。
何と言っても「未知との遭遇」が大好きなので、できれば宇宙で自分1人だけが考えついた方法で解決したいと思うタイプなのです。
さらに言えば、ENTPは1つだけ良い方法を考えついても、それで満足はしません。
「もっと良い解決方法があるのではないだろうか・・・」
そう思って結局いつまでも考え続けてしまうところがあります。
これは結論を出さないということですが、先ほどのコメンテーターのところで言った
最初から「ああだ、こうだ」と断定せず、考え方のヒントを複数提供できる
というのと通じる部分でもあります。
ともあれ、このタイプは頭の中で解決方法を練るのが好きです。
ああするとこうなる、こうやればああなる、ということは・・・
このように、ENTPの人というのはまるで頭の中に実験室があって、そこで「問題解決法」の発明をやっているような人です。
そういう意味で「思考実験大好き」タイプだということです。
感情論は抜きで合理性を追い求める
ENTPタイプの人は基本的に思考(T)機能が強めです。
したがって問題の解決法を考える場合、
合理的か、非合理的か
論理的か、非論理的か
正しいやり方か、どうか
という基準で考えていきます。
逆に
その方法が好きか嫌いか
共感できるか、できないか
という、感情的な部分で判断することはあまりありません。
普通の人なら「気持ち的に割り切れない」と思った方法でも、ENTPは
「その方法こそ合理的だ」
と思ったらその方法を選ぶのです。
また、ENTPは外向(E)型なので、思ったことを割と素直に外に出します。
しかも自信家なので、割とものをハッキリ言うタイプです。
「オブラートに包んでものを言う」という習慣がありません。
だからこのENTPに対して
「話はおもしろいけど、けっこうズケズケとものを言うね」
という印象を抱く人もいるでしょう。
ところでもう一度、先ほどのテレビのコメンテーターの話に戻ります。
もしENTPタイプのコメンテーターが「〇〇感動ドキュメント」みたいな番組に出てコメントを求められた場合、どんなコメントをするでしょうか・・・。
コメンテーターの中には目を涙でうるませながら話す人もいますよね。
(こういうのは感情(F)型のコメンテーターです)
でもENTPの場合、まずそんなことはないでしょう。
もともとこういう感動モノのコメントは苦手な人ですが、もし何か言うにしてもまるで「他人事の話」みたいなコメントになりそうです。
ENTPが自分の潜在能力を仕事に活かす方法
仕事というのは多かれ少なかれ人の悩みを解決するのが目的です。
ところがENTPの場合はちょっと事情が違うようです。
「人のために何かを解決する」
というより、
「よりよい解決法を考えてあげる」
ということが自分の仕事だと思っています。
たとえるなら、自分の部屋が汚いことに気づいた人が部屋の掃除はそっちのけで、掃除機の発明に没頭するようなものです。
周囲の人にしてみれば、掃除機の発明なんて後でいいから、とりあえずホウキと雑巾で部屋を掃除すればいいのに・・・と思いそうですよね。
また、ある人はこう思うでしょう。
「結局、この人は現実逃避しているだけではないのか・・・」
「アイデアを考えるのは好きだけど、実行に移して結果を出すことには興味がないようだ・・・」
でも、ENTPタイプの人にとってみれば、
掃除なんて誰でもできる。
でも、掃除機の発明は自分しかできないんだ。
・・・という思いが強いのでしょう。
こうしてこのENTPは掃除機の試作品をいくつも作り続けます。
でも、100%満足のゆくものはなかなか作れません。
そうしていつまでも掃除機づくりに没頭し続けることになります。
でも、さすがにそのうち掃除機作りそのものに飽きてしまいます。
だから掃除機作りもやめてしまうことになるのです。
さて、ENTPの方はこの喩え話を「自分の仕事スタイルを俯瞰したもの」だと思ってください。
そうすればどこに問題点があるかが見えてくるのではないでしょうか。
例えば次の3点だけでも心がけてみてはどうでしょう?
●考えたら、いったん行動してみる。
●最初から100点満点を目指さない。
●あらかじめ考える期限を決めておく。
この3つを意識するだけでも、
「やる気はあるけどやりとげない」というENTPの汚名を返上することができるはずです。
そればかりでなく、ENTPの潜在能力が仕事でもさらに活かされるようになるでしょう。
ENTPはコミュニケーション能力もあり、何かと器用な性格タイプであるため、適職探し、天職探しでの悩みは他のタイプほど多くはないと思います。
でも、しばしば感じるのが
「自分の能力が活かされていない」
という思い。
それが悩みの種となりそうですね。
でも、ここまでの説明からもお気づきかもしれませんが、
結果を出す前に放り出していないか・・・
といういうことを自分でチェックすることも大切です。
また、自分自身で
「よし、これでやってみよう!」
と決断を下すことが苦手な傾向もあります。
たぶんそれは完璧主義過ぎて、100点満点を目指し過ぎるからでしょう。
でも、ENTPは高望みし過ぎるため、永久に自分で自分に100点を付けることはできなさそうです。
それより
「60点は取れたかな・・・」
というところで、いったん「よし」としましょう。
そこで満足するということも大切です。
ENTPの性格診断をまとめると・・・
クルマの整備に熱中し過ぎて、いつまで経っても走らせようとしない・・・
そんな習慣を断ち切れば、ENTPタイプはもっと上昇気流に乗ることができるでしょう。
最後に注意すべきポイントをまとめてみましたので参考にしてください。
●直観(N)型ではあるが論理的な説得力もある。
●独創的な解決法にこだわるあまり、実行が後回しになる。
●人の感情や気持ちを考慮することは少ない。
●実行そのものより、実行の仕方を考えるのが好き。
●考えすぎて、結局やりとげないことがある。
●完璧を目指さず「60点取れればよい」と考えよう。
●何かする時は完成までの期限を決めよう。