「う~ん、いいヤツなんだけど、ちょっと無責任だよね」
と言われがちなのがESFPです。
ホント、陽気で幸せそうに生きているんだけど、周囲にはこのタイプに振り回されている人も結構いそうです。
この記事ではそんなESFPの性格タイプを詳しく読み解いていきます。
ESFP本人だけでなく、周囲にいる被害者(?)にも納得していただける内容となっています。
ESFPは五感を頼りに物事を判断している
ESFPは外向感覚(ES)型に感情(F)機能が組み合わさった性格タイプです
まずは外向感覚(ES)の性格特性から見ていきましょう。
これはざっくり言えば
カラダが喜ぶ生き方を求める人
となります。
もう少し心理学的に言えば
肉体的な「快・不快」を物事の判断基準として生きている
という性格タイプです。
さらに別の言い方をするなら
「五感」を「生きていく上での最重要センサー」として活用している人
ということです。
この「五感」というのは
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
のことですよね。
このうち、どの感覚を重視するかは人によって違います。
たとえば服を選ぶ時、色など見た目のデザインを重視する人がいます。
これは視覚派ですよね。
生地の肌触りで服を選ぶという人は触覚派と言えるかも知れません。
どの感覚を重視するかは人それぞれですが、いずれにせよこのタイプの人は五感のうちのどれかに非常にこだわって生きている傾向があります。
別の例で言えば、自分の部屋を常にアロマの香りで満たしておくという人がいます。
また、部屋でくつろぐ時はいつもお気に入りの音楽が必要だという人がいます。
あるいは「旨いものを喰うために生きている」というグルメな人もいます。
こういう人たちは皆、五感で物事を判断し、選択しているというわけです。
外向とは逆の内向感覚(IS)の場合だとちょっとオタク系の感覚になります。
ところが外向感覚(ES)は感覚(S)機能が外界に向かって働くので
環境を心地よくしたい
という開放的な趣味嗜好になるわけです。
物的世界を整えようという性格傾向があるため、基本的に
いわゆるセンスのよい人
が多いように思えます。
「五感を重要センサーとして生きる」という姿勢は行動面でも現れてきます。
外向感覚(ES)型の人は
「考えた上で動く」
「自分の気持ちを整理してから行動に移す」
というタイプではありません。
文字通り
感覚的にパッと受けとめ、
サッと動く
という人たちです。
良く言えば行動力はあるのだけれど、悪く言えば「思慮が足りない」という印象もあります。
こうした外向感覚(ES)型の人は
環境によって気分やパフォーマンスが左右されやすい
という傾向があります。
例えばレストランに行った時、出てきた料理に不満はなかったけれど、窓からの景色が殺風景だったので気分がぶち壊しになった・・・などです。
また「好きな音楽がかかっていないと気分が乗らなくて勉強できない・・・」という、ちょっと悲しい人もいますね。
このページのESFPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
ESFPは五感の喜びを仲間と分かち合う
さてESFPの場合、上記の外向感覚(ES)がベースとなり、そこに感情(F)機能が加わっていると言えます。
この場合、「自分の感覚を他人と共有しよう」、「人にも共鳴してもらおう」という気持ちが出てきます。
だから例えば
「おいしい店を見つけたから一緒に食べに行こうよ」
「誰々のコンサートに一緒に行こうよ」
という感じで友人を遊びに誘い出すことが多いようです。
また、誰かを喜ばせたくて得意の料理を作ってあげるという人もいるでしょう。
総じて言えば、
人と一緒に気持ちいいコトを体験したい
という傾向が出てきます。
直観(N)機能と思考(T)機能が苦手分野
ここでユング心理学の考え方を使ってESFPの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、感覚(S)機能と感情(F)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが直観(N)機能と思考(T)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
これら未開発の部分にかかわる問題はこのタイプにとってはまさに苦手分野となります。
しかし一番の問題はこうした苦手分野を持っていることではありません。
本人に「自分にはそういう苦手分野がある」という自覚がないことこそ、最大の問題なのです。
苦手な機能については開発するのはなかなか困難です。
しかし今述べたような自覚を持つだけでも生き方が変わったり、あるいはラクになったりするものです。
「じっとしているのは死に等しい」と感じる
「五感を満たす喜びを人と共有したい」というESFPの性格特性について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ESFPは思考(T)機能や感情(F)機能のフィルターを通さず、外界の出来事に即反応し、即行動するタイプです。
そしてこの現実世界を五感で徹底的に味わい尽くそうとします。
こうしたESFPにとって、のんびりと休んでいる暇などありません。
ESFPにとって「くつろぐ」とは「あちこち動き回る」ことなのです。
じっと停止しているなんて、死んでいるも同然なのです。
だから常に動き回り、自分の五感を楽しませることで「生きていることを実感しよう」とするのです。
とにかく、楽しまなければ人生じゃない・・・。
「休憩」より「気晴らし」を求める。
だから陽気で社交的。
何だかいつも楽しそうだし、パーティーや飲み会などでは盛り上げ役となります。
あけっぴろげな性格で、人見知りはしません。
だから初めて会った人ともすぐ仲よくなれます。
人間関係はまさに天才的と言えるくらいに得意です。
また、単に楽しい人というだけでなく、人への気配りをしているようにも見えます。
これは自分自身が「快」の求道者だけあって、他人にも不快な思いをさせたくないという思いがあるからでしょう。
だから人に嫌われることもめったにない人です。
うらやましい・・・
でも、ESFPをよく観察していると、案外、誰にでも「いい顔」をしているだけではないのか・・・と思えてきたりもします。
とは言え、なかなか憎めない性格の人物であることも確かです。
楽しい上に「いいヤツ」だけど無責任!?
ESFPはなかなか「いいヤツ」ではあるものの、ちょっと弱点も持ち合わせています。
一番目立つ弱点は我慢がきかず、欲求のままに動いてしまうこと。
早い話、誘惑に弱いということですね。
とにかく、「これはおもしろそうだ!」と思ったら、すぐに飛びつくタイプです。
そして何でもすぐに飛びつく割には、往々にしてすぐ飽きてしまう。
物事をとことんやるより、そこそこやったら次に移る、という性格なのです。
これは結局、何かをやる時に後々のことは考えないという性格が原因でしょう。
今、目の前にあることには興味を持ちますが、その後、自分がそれとどのように関わっていくかについてまでは考えないのです。
よって、しばしば軽薄に思われることもあります。
また、「いいヤツだけど無責任」といったイメージを持たれる場合もあります。
先ほどESFPはすぐ人を遊びに誘う・・・といったことを述べましたが、時々これでポカをすることがあります。
「おいしい店を見つけた」と言って誘ってくれるのは嬉しいのですが、下調べも何もしないで連れて行かれ、やっと着いたらその日は休業日・・・なんてこともあるのですね。
「ちゃんと調べてから誘ってくれよ」
と思ったりして・・・。
そんなわけで
「いいヤツだけど、いいかげんだなあ~」
という印象を持ってしまいがちなのがESFPです。
心は常に外界にあって「確固たる自分」がない
ESFPの弱点をもう1つあげておきましょう。
それは「自分が理解できていない」ということです。
これはある意味、「自分を見つめる習慣」が少ない外向(E)型の人間すべてに通じる特徴とも言えます。
でも、特にESFPの場合は意識のすべてが常に外側を向いていて、自分の中に中心核のようなものがない性格タイプなのです。
日本語には「何々に魂を奪われる」という表現がありますよね。
ESFPの場合がちょうどそれかも知れません。
例えばおいしい料理を食べている時には、その料理に魂を持って行かれている。
音楽を聞いている時には、その音楽に魂が入り込んでいる。
映画を観ている時にはスクリーン上に魂が張り付いている。
当たり前のように聞こえますが、ESFPの場合、常に五感が動いています。
そのため魂が常にどこかに出かけていて、1秒たりとも自分の中に収まっていない・・・という感じがするのです。
だからこのタイプは自分をじっくり振り返ることがありません。
そのため、自分に対する理解が不十分なままになってしまうのです。
ちょっと例をあげてみましょうか。
ESFPタイプの人は割と相手の話を信じやすいところがあります。
それでスピリチュアル系の人に出会ったりすると、突然、「修行」に目覚める場合があります。
そしてガラにもなく座禅などを始めてみたりします。
でも、いざやってみると「動かないのは死と同じ」という自分の性分を思い出し、結局1日か2日で挫折することになります。
また、このタイプは知的なものに対する憧れのようなものを持っていたりします。
そして人が難しそうな本を読んでいるのを見ると、自分もそれを無性に読みたくなってきます。
そこでガラにもなくその本を借りて家に持って帰るのですが、結局1ページも読みません。
それどころか本を借りたことさえ忘れてしまったりします。
そんなこんなで、下手すると周りの人から
「楽しそうに生きているだけで中身はカラッポ」
と思われかねません。
もちろんすべてのESFPがこういう弱点を持っているわけではありません。
このサイトではそれぞれの性格タイプを多少デフォルメして書いていますので、あくまでも「傾向」として理解してください。
内向直観(IN)を開発することが大事
ここまでの説明で、ESFPに向いていそうな仕事のスタイルもおわかりいただけると思います。
当然のことながらデスクワークより、現場で立ち回る仕事、あるいは出張などであちこち飛び回る仕事が合っています。
いろんな人に次から次へと出会う仕事も得意そうです。
要は、常に五感に刺激が次々と飛び込んで来るような仕事が似合っているということですね。
ESFPの場合、仕事を選ぶ際は「その仕事に社会的な意義があるか」、「人の役に立てる仕事か」といったことは判断基準にはなりません。
あくまでも、
やっていてカラダが快適かどうか
・・・が大切な要素となってきます。
また、このタイプは何をするにも目標を1つに絞りきれない傾向があります。
これはおそらく「自分が理解できていない」ということも原因だと思われます。
ともあれ、自分の能力を越えて「手を広げすぎる」人が多いんですね。
その結果、何一つ最後までやりとげることができず、適当に散らかして終わり・・・ということになりやすいです。
ESFPは「確固たる自分がない」というか、そもそも人生哲学がなく、一貫した方針を持たないタイプです。
だから職業をコロコロ変えるなど、蛇行した人生を歩みがちです。
さて、ESFPが自己改革をするなら、まず何をすればよいでしょうか?
実を言うと、まず「改革すべき自己を確立する」ところから始めるべきかもしれません。
そもためにはESFPという性格タイプにとっては「影」、つまり最も未開発の性格タイプとも言える内向直観(IN)を開発する必要があります。
そのためには、先ほど「ガラにもなく・・・」と書きましたが、やはりこのタイプには修行(苦行?)のようなことが必要だと言えるでしょう。
例えば1日5分でもいいので座禅や瞑想のようなことをやってみたらどうでしょうか。
もちろん三日坊主では意味がありません。
こういうことは何か月、あるいは何年単位で続けてこそ意味があるのです
こうした瞑想とか座禅のようなことを続けていると、普段、五感を使って外の世界に張り付き通しの魂を自分の内側に戻すことができます。
すると心の中にも広大な宇宙があることわかるでしょう。
それによって
物質的なこと以外にも人生には大切なことがある
という「真理!?」に気付けるかもしれません。
ESFPの性格診断をまとめると・・・
「いいヤツなんだけどなあ・・・」
と言われがちなESFPの性格特性を最後に簡単にまとめておきます。
●五感こそ「生きていく上での重要センサー」である。
●環境によって気分やパフォーマンスが左右されがち。
●五感の喜びを仲間と分かち合おうとする。
●のんびり停止しているのは耐えられない性格。
●おもしろそうなモノにはすぐ飛びつくが飽きやすい。
●自分自身を十分に理解できていない。
●内向直観(IN)を開発することが重要。
●自己改革には座禅などの「修行」がおすすめ。