ナマケモノ心理学コラム

方向音痴を治すヒントはブラタモリにあった

タモリさんは典型的な感覚(S)型人間です。

その彼の性格特性が100%活かされているのが『ブラタモリ』

この番組は単におもしろいだけじゃありません。

実を言うと方向音痴の治し方のヒントが得られる番組でもあります。

 

Sponsored Link

「感覚(S)型のタモリさん」あってのブラタモリ

 

私はめったにテレビは観ません。

それでも『ブラタモリ』という番組が不定期に続いていることは知っています。

そして実際、何度か観たこともあります。

 

この『ブラタモリ』はタモリさんが古地図を片手に女性アナウンサーと街を散策するという番組です。

そして毎回2人の前にその土地に詳しい人物が現れる。

そしてその人物の講釈を聞きながらタモリさんらが歴史の痕跡を発見していくという流れになっています。

 

もともとタモリさん自身、街歩きが趣味らしく、特に坂道が大好きだとか・・・。

それで日本坂道学会とかいうのを設立し、その副会長までやっているそうです。

だからこの番組はまさにタモリさんには打ってつけの番組だと言えます。

 

 

さて、この『ブラタモリ』のおもしろさはいったい何なのか・・・。

それは街で何か変わった風景を発見した時のタモリさんの反応、そしてボソッとつぶやくタモリさんの言葉でしょう。

 

その様子を見て、私はいつも

タモリさんは典型的な感覚(S)型だな

と感じてしまいます。

 

 

本来、『ブラタモリ』という番組の趣旨は「歴史+地理」なのでしょう。

ところがタモリさんはどうやら歴史にはほとんど無関心のようです。

 

そのかわり「ちょっとした坂道」とか、「ちょっと変わった風景」には瞬時に反応し、いちいち感嘆する・・・。

そしてボソッとつぶやく。

 

こういう、「目の前の事実」に対する反応力はまさに感覚(S)型の特徴です。

 

感覚(S)型はどちらか言えば現実主義者
これに対して直観(N)型は理想主義者だったよね

 

また、タモリさんのように「坂道が好き」な人は空間認知が得意な傾向があります。

そしてこういう人にはやはり感覚(S)型が多いんですね。

 

私の知り合いのダンナにも坂道マニアがいますが、彼は性格的に完璧な感覚(S)型です。

今日は天気がいいから、どこそこの坂道をちょっと見に行ってくる

などと奥さんに告げ、1人でウキウキしながら出かけていくそうです。

 

 

話を『ブラタモリ』に戻すと・・・

番組の中でタモリさんが発するコメントの内容は常に「目の前の風景」に限定されています。

そこから決して飛躍はしません。

それもまた、感覚(S)型の特徴です。

 

それに番組の趣旨は「歴史+地理」であっても、タモリさんは歴史に関するコメントはほとんどしません。

なぜなら歴史の話をするということは、アタマを「現在」から「過去」へと飛躍させることであって、それは感覚(S)型のタモリさんには向いていないからです。

 

現実主義者の感覚(S)型は常に興味が「今、ここ」に向いているんだ

 

したがってタモリさんの口から

この坂道を豊臣秀吉が歩いたんだねえ~

などという空想的な言葉が出てくることはめったにありません。

 

 

直観(N)型は散歩していても風景を見ていない

 

タモリさんのような感覚(S)型の正反対にあるのは直観(N)型です。

もし、『ブラタモリ』に直観(N)型のタレントが採用されたらどうなるでしょうか?

 

まず、街の風景など見てないでしょうね。

適当にぶらぶら歩きながら、

今、ふと学生時代のことを思い出したんですけどね・・・

などと、風景とは無関係のことを唐突に語り出したりするでしょう。

これじゃ番組は成立しません。

 

理想主義者の直観(N)型は「遠いところ」に思いを馳せるタイプだからさ

 

直観(N)型にも街歩きや散歩が好きな人はたくさんいます。

でも、風景を楽しむために散歩するとか、散歩中に変わったモノを発見して大喜びするといったことは(皆無ではないものの)ほとんどないでしょう。

 

むしろ風景など全く見ていないケースがほとんどです。

歩きながら何か考えごとをしていたり、場合によっては「うわの空」で歩いている・・・。

それが直観(N)型です。

 

だから直観(N)型の人は毎日歩いている道で、ある日、どこかの店がなくなっていたり、逆に新しい店ができていても全く気づかなかったりします。

 

また一応、目は開けて歩いてはいるものの、その目は風景を認識していないため、知人とすれ違っても気づかないことさえあります。

 

このように考えると、散歩のスタイルだけでも感覚(S)型と直観(N)型とはずいぶん違うことがわかります。

 

 

Sponsored Link

方向音痴なのはたいがい直観(N)型の人

 

ところでタモリさんのような感覚(S)型の人には方向感覚の優れている人が多いです。

それに対して方向音痴はたいてい直観(N)型です。

 

その理由はここまでの話を振り返ると納得していただけるのではないでしょうか。

なぜなら方向感覚というのは「感覚」の問題というより、むしろ「観察力」に関係する能力だからです。

 

現実に対する観察力が優れているというのは感覚(S)型の特徴だったよね!

 

方向感覚の優れている人というのは、例えば初めての街を歩く場合、目印になるような建物や塔、山などを「覚えておこう」とする意識が自然に働くそうです。

 

こういう目印となる建物などをランドマークと呼ぶんだよ

 

道を歩いていて、そうしたランドマークに自然に目が行くという性格がすなわち感覚(S)型だというわけです。

 

 

一方、直観(N)型の場合、前に述べたように歩行中、そもそも風景を見ていない人が多いです。

いや、正確に言えば、無意識に見ているだけ。

それを目印(ランドマーク)としては意識化していないということです。

 

それどころか変わった風景を見つけると、

そう言えばあの建物、なんだか宇宙船に似ているな・・・

などと発想を飛躍させ、

そう言えば銀河系って渦を巻いてたなぁ

と宇宙を想像してみたり、

ワープ航法で本当に何万光年も遠くの星に行けるのだろうか?

などと思いを飛躍させていくのです。

 

そしてふと気づくと、

あれ、ここはどこ?

さては道に迷ってしまったか・・・

ということに気付き、やっと現実世界に舞い戻ってくるという始末・・・。

 

ついでに言っておくと、外向直観(EN)型の人より内向直観(IN)型の人の方が方向音痴は重症化しやすいかもね・・・

外向(E)型の場合、意識は外界に向いているため、直観(N)型でも割とランドマークを認識している可能性が高いんだよ

 

ちなみに私ナマケモノも直観(N)型ですが、実に重度の方向音痴です。

なにしろ私の場合、

角を2回曲がると
東西南北が
わからなくなる(泣)

という人間です。

 

昔、ある会社に面接に行った時のこと。

(当時、まだスマホがなかった・・・)

こういう場合、私は道に迷うことを想定し、あらかじめ約束の時間の30分前には現地の駅に到着するようにしています。

そしていったん会社の前まで行って場所を確認します。

その後、ちょっと引き返したところでドトールなどを見つけ、そこで20分ほど時間をつぶすというのが私のお決まりのパターンです。

 

ところがその日、

「そろそろ時間だ」

と思ってドトールを出たのですが、店を出て左に行かなければならないのに、間違って右に行ってしまったのですね。

 

10分ほど歩いても見たことのない風景ばかり。

「あれ、確かこのあたりに面接の会社があったはずなのだが・・・」

方向を間違えたことに気づいた時にはすでに大遅刻となっていました。

 

もっとも最近ではスマホの地図アプリのおかげで迷子になることは減りましたけど・・・。

 

 




方向音痴を治すには感覚(S)を目覚めさせる

 

ところでスマホに頼らず、根本的に方向音痴を治す方法ってあるのでしょうか。

これについて、ユング心理学の基本に立ち戻って考えてみましょう。

 

方向音痴の人はたいがい直観(N)型です。

そして直観(N)型の人の場合、

直観(N)機能は意識の領域にある

感覚(S)機能は無意識の領域にある

という特徴がありました。

例として、直観(N)型の性格タイプを2つあげてみます。

それぞれのページにある性格特性の図を参考にしてください。

・感覚(S)機能まるごと無意識下
INFJ「一直線すぎる理想主義者」

・感覚(S)機能の大部分が無意識下
INFP「寡黙なロマンチスト」

 

この無意識の領域に眠ったまま放置されている感覚(S)機能を目覚めさせ、活性化させれば

道を歩いていて、自然とランドマークにも目がゆくようになる

ということではないでしょうか。

 

でも、無意識の領域にあるものを目覚めさせるって、どうすればいいの?

と思われた方・・・

難しく考えないでください。

今まで意識していなかったことに

「ちょっと意識を向けてみる」

というだけです。

 

そしてできればタモリさんのように

風景を見てはボソッとつぶやく・・・

この繰り返しによって、ランドマークを記憶に定着させていけると思います。

 

まあ、もっとも私ナマケモノ自身、まだまだ修行中の身なので、あまりエラそうなことは言えませんが・・・。

 

Sponsored Link