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INTJ「上手くいけば天才軍師」の性格診断
からの続きになっています
INTJ女性って、本当に希少な存在なのでしょうか?
少なすぎて、まるで天然記念物のような存在なのでしょうか?
ネット上にはこうした情報がたくさんありますが、どうもマユツバのような気がします。
このページではそのように判断できる理由をわかりやすく説明します。
そしてINTJ女性の悩みを解決するための考え方もご紹介します。
INTJ女性はそんなに珍しい存在か?
MBTIをマネて作った16Personalitiesというサイトがありますよね。
これはイギリスのNERIS Analytics 社という企業が作成したものだそうです。
しかし、もちろん本来のMBTIとはまったく関係ありません。
それはともかく、このサイトには
INTJの人口割合は非常に少ない・・・
と書かれています。
そして次のようなデータが記されています。
INTJは全人口の2%、
特に女性は全人口の0.8%
どうやらこの数字、単独で世界を1人歩きしているようなのですね。
それにしても、この数字の出どころは一体どこなのでしょうか?
実はこのサイトを見ていて妙に感じたことがあります。
このサイト内の記事は日本語や英語を含む全37か国語に切り替えて読むことができます。
・・・で、妙なのは、基本的に同一のテキストが各国語に翻訳されて出てくるのに、なぜか英語版だけまったく異なるテキストが使用されている、ということです。
したがって書かれている内容も英語版だけ異なっています。
さらにもう1つ、妙に感じたことがあります。
それは先ほどの
INTJは全人口の2%、
特にINTJ女性は全人口の0.8%
という記述についてです。
この数字は英語版以外で使われている36か国ぶんの版にはすべて掲載されています。
ところが1つだけ異なるテキストを使用している英語版にはこの数字は載っていません。
そもそも、なぜ英語版だけ異なるテキストを使用しているのか?
それもまた頭をかしげたくなる点ではありますが・・・。
それよりも疑問なのは、その他36か国ぶんのテキストで、なぜ前述の
全人口の2%、女性は0.8%
という数字を「共通で」使っているのか?
という点です。
なぜなら性格タイプの傾向というのは国によって、あるいは民族によって大きく変わるはずだからです。
これは皆さんも想像がつくと思います。
例えばアメリカ人と日本人、中国人とを比べると、それぞれ国民性が違う、というのは簡単に納得できますよね。
国民1人1人のパーソナリティーの集合体が国民性です。
その国民性はその国の歴史や文化と深い関係があります。
だからどの国にも独自の国民性がある。
逆に言えば、国民性が違うからこそ、国民1人1人のパーソナリティーの傾向も異なってくる。
そうであるなら当然、先ほどのINTJの人口比も国ごとに変わってくるはずなのです。
それなのに英語版を除く36か国版ですべて同じように
全人口の2%、女性は0.8%
という数字がまるで判で押したように使われているのは
おかしい・・・
としか言いようがありません。
ただし、もう1つ別の考え方ができます。
この全人口というのを「地球上の全人口」を指している、と考えるのです。
つまり、
全人口の2%、女性は0.8%
を全世界の平均値として考える、ということです。
しかし、日本という国に一個人として生きている自分の性格は全世界の平均とは何の関係もありません。
また、アフリカ諸国などについてもすべて統計を取ったのでしょうか?
南太平洋の小さな島国などもすべて調査したのでしょうか?
もし地球規模で統計を取ったのなら(莫大な調査費用がかかるでしょうね)、サイトにもそう記載されているはずです。
しかし、そうした記載はありません。
したがって、やはり
2%、0.8%というのは全世界の平均値
という考え方にも無理がありそうです。
以上、総合的に考えると
この2%や0.8%という数字には
信憑性がない
と言い切っても間違いではないでしょう。
それでもINTJ女性は少ないような・・・
今までの説明で、
INTJは全人口の2%だの、0.8%だのというデータはマユツバだ・・・
ということは何となく理解していただけたと思います。
でも、実際問題として、
INTJは少ないような気がする。
特に女性のINTJはほとんど会ったことがない・・・。
だからこの数字はあながちデタラメとは言えないだろう。
そういう反論をいただきそうです。
うん、確かにそうですね。
私、ナマケモノもそう感じます。
また実際、MBTI協会での検査でINTJという判定が出る人の数も少なめだそうです。
しかし、もう少し考えてみましょう。
人間の心理学的タイプというものは
外向(E)型か内向(I)型か
感覚(S)型か直観(N)型か
思考(T)型か感情(F)型か
の組み合わせになっています。
(ユング心理学では計8通り)
そして、各タイプにおいて補助機能となる候補が2パターンずつ考えられるため、
2×2×2×2=16タイプ
とするのがMBTIの考え方です。
そうなると1つのタイプは本来なら
100%÷16で平均6.25%ずつとなるはずです。
でも実際にはタイプによって多少のばらつきは出てくるようです。
そして特にINTJは異常なくらいに希少に感じられる、ということですね。
これはいったいなぜか?
その理由を考えてみたいと思います。
多くのINTJが自分の個性を押し殺している
もし、このページをご覧になっているあなたがINTJタイプなら、もうおわかりだと思いますが、INTJというのは良くも悪くも個性の強いタイプです。
もし、周囲の状況にピタッとはまれば天才と見られる。
でもそうでない場合は周囲と軋轢を生む存在となる。
INTJについての解説はこちらのページをお読みください。
自分の才能を上手く出せるINTJは周囲と軋轢を生じながらも何とかやっていけます。
ところがイマイチ自分の個性を活かせないINTJは自分の個性を押し殺しながら生きていくことになります。
つまり多くのINTJは
自分の性格特性を抑圧しながら生きている
ということですね。
特に女性の場合、残念ながら男性以上に「INTJだといろいろ不便」と言えるかも知れません。
なぜならINTJという性格タイプが「男性的だ」と見なされるのがこの社会の風潮だからです。
したがって
特にINTJ女性の中には他のタイプになりきっている人が多い
と言えるでしょう。
だからINTJ女性はますます希少化していくというわけです。
ところで、こうした「他のタイプのフリ」を意識的にやっているのなら、
ずいぶん器用な人ですね
ですんでしまいます。
そういう人はMBTIの検査を受けても、一応、ちゃんとINTJとして判定されます。
ところが「本来の自分を押し殺す」ことが完全に「板に付いた」状態になってしまうと、本人自身も本当の自分がわからなくなってしまうでしょう。
つまり無意識のうちに本来の自分を押し殺している、ということです。
そうなると、たとえばMBTIのようなテストを受けた場合、本来とは違うタイプとして判定されてしまう可能性があります。
そういう誤判定が出てしまうのは、やはり、MBTIのような質問紙による「自己申告型の性格検査」の欠陥でもあります。
心理学的な性格テストの功罪についてはこちらの記事で解説しています。
本当はINTJなのに、性格検査で違うタイプとして判定される人たちは、言わば「隠れINTJ」です。
逆にINTJだという判定が出たタイプは、良く言えば自分の個性を押し殺すことなく、
健全に生きてこられたINTJ
だと言えそうです。
しかし、中には先に述べたような
上手に自分を他のタイプにカモフラージュしているINTJ
もいますよね。
なにしろ素のままのINTJだとやりにくいからです。
次の項ではそういう人たちが抱える悩みについて少し考えてみたいと思います。
素のままの自分を生かす方法を考えよう
INTJという素のままの自分をそのまま出してしまっては生きづらいので、わざと他のタイプにカモフラージュしている人たちというのは
そこそこいる
と思います。
そういう人たちに心理学的なアドバイスをするとなると、恋愛とか仕事といったカテゴリー別に何かを言っても仕方ない・・・と思います。
それよりも、この世の中をもっと大きい視点で見直してみたいと思います。
実はこの『ナマケモノ心理学』のようなサイトを運営していて気づくのですが、自分の性格で悩んでいる人って、圧倒的に内向(I)型が多いんですね。
それは外向(E)型より内向(I)型に関するページの方がアクセス数がケタ違いに多いことからわかります。
このサイトにおける16タイプ別のアクセス数を多い順から並べると、上位8位までのうち7タイプが内向(I)型です。
ちなみにINTJは6位です。
ここで一体、何が言いたいのかというと、
基本、悩んでいる人というのは、たいがい内向(I)型である自分に悩んでいる
ということです。
INTJ女性であるあなたも、もし外向(E)型のENTJ(自己肯定型リーダー)だったなら、そんなに悩んではいなかったはずです。
それではなぜ、
内向(I)型の人は悩みが多いのか?
その答えは明白です。
この世の中が外向(E)型仕様になっているからです。
実はこの世の中、外向(E)型と内向(I)型は同数だけいるのに、なぜかその半分に過ぎない外向(E)型の方が利用しやすいような仕組みになっているのです。
しかし再度言うなら、内向(I)型はこの世の中に
半分もいる
のです。
そう考えると、内向(I)型の人が外向(E)型になる努力をしたり、あるいは外向(E)型のフリをするのは不合理だということがわかるでしょう。
少なくともINTJタイプの人が取るべき戦略ではありません。
しかもINTJ女性の場合、外向(E)型社会で、なおかつ男社会に適応させようと努力するのはあまりにもコストパフォーマンスが低過ぎます。
そんなところで無駄な努力をするくらいなら、全人口の半分もいる内向(I)型にウケる生き方を模索した方が合理的です。
また、そういう腹づもりで恋愛も仕事も考えるなら、これまでのような「悩みとの戦い」にはならずにすむでしょう。