今回はMBTIの全16タイプの中でよく話題になるINFPタイプについて考えてみます。
あっ、
「自分は別のタイプだから関係ない」
と思った人、ちょっと待ってください!!
INFPを取り上げるのは、あくまでもMBTIの内向型の例として説明しやすいからです。
だからこの記事は別のタイプの人であっても役に立ちます。
特に内向型の人はぜひ読んでください!!
そもそもINFPってどんな性格なの?
この記事を読んでくださっている方の中で、MBTIあるいは16Personalitiesなどのサイトで自分の性格を調べたところ、INFPになった人がいらっしゃると思います。
そのINFPという判定が出た方たちに質問です。
ここに2種類の人物描写をあげてみます。
あえて言うなら、あなたはどちらの方が「より自分っぽい」ですか?
Aパターン
自分では大人しい人間だと思っていて、自分の意見をあまり口に出したり行動で示したりはしないが、基本、好き嫌いははっきりしている。
だからいったん「自分はこうだ」と思ったら、人からどう理詰めで説得されようが、自分の気持ちが変わることはめったにない。
そういう意味では自分はけっこうガンコな方かも知れない。
Bパターン
他人のことを「あの人はああだ、こうだ」と決めつけることはあまりない。
一応、人の話は聞くし、どちらか言えば自分は寛容な方だと思う。
でも正直言えば、自分は現実より空想の世界の方が大好き。
だから現実世界のことについてはジャッジするほど興味を持っていないだけかも・・・。
さあ、INFPの方々、あなたはAとB、どちらのパターンですか?
・・・・・
・・・・・
おそらくですが・・・INFPという判定が出た人の多くは
Bパターンの方が自分っぽい
と感じたのではないでしょうか。
実を言うとユングのタイプ論の考え方で言えば、Aパターンは内向感情(IF)型。
一方、Bパターンは内向直観(IN)型に相当します。
何が言いたいかというと、INFPという性格タイプはユング心理学で言えば内向直観(IN)型に相当するのではないか・・・ということです。
MBTIの内向型の理屈は何だかヘン!?
ところでMBTIでは、
性格というものは「主機能から劣等機能までの4層」で構成される
と考えています。
(MBTIでは「層」とは言わず、タイプダイナミクスと呼ぶそうです)
そしてMBTIではINFPのダイナミクスを次のように考えているみたいです。
主機能→→内向感情(IF)
補助機能→外向直観(EN)
第三機能→外向・内向感覚
劣等機能→外向思考
いかがですか・・・。
さっき「自分はBパターンだ」と感じた人、つまり内向直観(IN)型の人は
おやっ?
と思ったのではないでしょうか?
なぜなら主機能が内向感情(IF)、つまりさっきのAパターンになっているからです。
これはどういうことでしょう?
本当はここにもう1つ「おやっ?」と思うことがあります。
それは外向直観(EN)というのが補助機能のところにあることです。
この外向直観(EN)というのは
「鼻が利く」
「目端が利く」
・・・というタイプのことです。
例えば未来予想図がパッと頭の中に浮かんだりする。
極端なことを言えば
「20年くらい先が見えている」
ような人のことです。
「う~ん、これは自分じゃないな~」
という気持ちになりませんか?
では、なぜ、こういうふうに「実感とは違う理論」になっているのでしょう?
おそらくそれはMBTIは「理屈優先で作られた理論」だからだと思います。
MBTIのタイプダイナミクスの表を見たことがある人は気づいたかもしれませんが、
あまりにも整然と並び過ぎている・・・
という感があるのです。
『MBTIへのいざない―ユングの「タイプ論」の日常への応用』の中の38ページにタイプダイナミクスの表が載っています。
一方、ユングも経験重視で自分の理論をまとめたようですが、彼の本を読んでいると
別のところで書いてたことと違うでしょ!
みたいな部分があるんですね。
でも、だからこそ人間の性格というファジーなものにしっかり寄り添って研究していたんだな・・・ということがよくわかるんです。
MBTIの主機能と補助機能の決まり方について知りたい人がいらっしゃったら下の記事が参考になります。
ただし「前編」から読んでいただいた方がわかりやすいです。
本当は残りの第三機能と劣等機能についても言いたいことがありますが、ここでは省略します。
タイプ論で言えばINFPは内向直観(IN)型
MBTIでINFPの判定が出た人の性格というのは、ユングの考え方で言えばおそらく次のようになっているのでしょう。
主機能→→内向直観(IN)
補助機能→感情(F)
では、ここで補助機能の感情(F)は外向/内向のどちらだと思いますか?
これは絶対値として申し上げることはできません。
ただ、主機能の直観(N)がスジ金入りの内向なので、それとの比較で言えば
「相対的に外向かな・・・」
と言えなくはありません。
とはいえ、その感情(F)は主機能である内向直観(IN)の影響を濃厚に受けるため、
ゆるめの内向
とでも言った方がしっくりくるように思います。
なぜならこの場合の外向は意識化されていないから!
MBTIの内向型はJとPが逆じゃないの!?
上のINFPと非常にまぎらわしいタイプにINFJという1文字違いのタイプがあります。
Yahoo!知恵袋などを見ていると、
自分はINFP、INFJのどちらでしょうか?
・・・という質問を時々見かけます。
実は先ほどの2択でAパターンを選んだ人、つまりユング心理学では内向感情(IF)型に当たる人の場合、かなり高い確率でINFJと判定されるで可能性があります。
ところがMBTIのタイプダイナミクスの表を見てみると、これまた上のINFPと同じく逆転現象が起きています。
それをここに書き写してみます。
MBTIによればINFJは・・・
主機能→→内向直観(IN)
補助機能→外向感情(EF)
第三機能→外向・内向思考
劣等機能→外向感覚
(ここでも第三機能と劣等機能については突っ込まないことにします)
いかがでしょうか?
INFJの人の多くは自分を内向感情(IF)として認識しているのに
主機能は内向直観(IN)になっています。
そこであらためて先のINFPとこのINFJとを並べて見比べてみましょう。
ただし今度はわかりやすいように主機能だけを比べてみます。
INFP
主機能→MBTIでは内向感情(IF)
・・・ユング的には内向直観(IN)!
INFJ
主機能→MBTIでは内向直観(IN)
・・・ユング的には内向感情(IF)!
上の2つを見比べてみて、次のように思えてきませんか?
INFPとINFJの「PとJ」を入れ替えて考えた方がよいのでは?
まあ、実際には両者を入れ替えて読めばバッチリ当たる、というものではありません。
でも、理屈としては、どうも「あべこべ」になっているように思えてしまうんですね。
それに、ついでに書いておくと、16Personalitiesのサイトに書かれているINFJ(提唱者)の説明はなぜかほとんど外向型の説明になっています。
あれはとても内向型の説明とは思えないので、あの「提唱者」のところは読まない方がいいでしょう。
INFPの人が「やってしまいがち」なこと
自分の性格に悩みやすい人はだいたいが内向型です。
また、MBTIや16Personalitiesに興味を持つ人の大部分も内向型です。
ところがその内向型の理論がMBTIでは実感とズレているような気がします。
それはMBTIの理論を最初に作る時、見ばえのよい理論を作ろうとし過ぎたために、実感の部分を無視したからかもしれません。
ところでMBTIを開発したマイヤーズはINFPだったそうです。
ということは、主機能が内向直観(IN)です。
内向直観(IN)型の人がついついやってしまいがちなのが次のような点です。
現実のデータを無視する
現実より自分の理想を優先する
ある種の完璧主義
となると、マイヤーズがなぜJとPを逆にしたかが想像できます。
なぜならそうした方が
完璧で理想的な理論に見えるから。