頭がキレて、議論好き。
ハッキリ言って、このタイプの人とだけは口喧嘩したくない・・・
というのがENTJタイプです。
もしあなたがENTJタイプ本人であれば自己改革のために、
もしあなたがENTJタイプを苦手としている人なら、このタイプの人を理解するために、
この記事がきっと役に立つと思います。
ENTJは議論好きの理想主義者
ENTJは外向思考(ET)型に直観(N)機能がガチッと組み合わさった性格タイプです。
そこでまず、この性格構造の中の外向思考(ET)からお話ししましょう。
思考(T)機能というのは感情的なものは横に置き、物事をとことん論理的、合理的に考えようとする性格機能のことです。
そして、あらゆることを「解決」しようとします
また、この思考(T)機能が外向(E)的に働くという点にも注意しなくてはなりません。
もし、反対の内向(I)型なら、おそらく自分の考えを心の中でずっと温め続けていることでしょう。
ところが外向(E)型の場合は自分の考えを外に向かって積極的に出していく、という性格タイプになります。
次にENTJタイプの直観(N)機能について触れたいと思います。
一般的に直観(N)機能が発達している人はアイデアマンだと言われます。
でも、ENTJの場合、この直観(N)機能の働きは理想主義精神というカタチで現れてきます
何をするにも、何を考えるにも、まず自分の頭の中に
これが理想だ!
というイメージが現れます。
この直観(N)機能と、先ほどの外向思考(ET)とが結びつくことにより
自分の理想論を外に向かって主張したい!
という性格傾向が現れてきます。
ところが自分の考えや意見をいつも他人に向かって主張してばかりいると、必ず異論を持つ人とぶつかり、時には論争となってしまいます。
普通の人なら他人とたびたび論争するなんて嫌だな・・・と思いそうですよね。
でも、ENTJにとってはむしろ「望むところ」のようです。
だからENTJの人には割と「議論好き」な性格傾向があるように思われます。
ところで議論している時のENTJの口調には、ある特徴があります。
情熱的に持論を述べ立てるのですが、ものの言い方がすごく「理詰め」な印象があります。
また、相手の話をさえぎってでも持論を述べ、自説を通そうとします。
それだけ自分の考えに自信を持っていると言うことですね。
こういうところから、ENTJは自信家だと思われやすいし、実際にそうです。
このページのENTJの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
感情(F)機能と感覚(S)機能が苦手分野
ここでユング心理学の考え方を使ってENTJの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、思考(T)機能と直観(N)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが感情(F)機能と感覚(S)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
これら未開発の部分にかかわる問題はこのタイプにとってはまさに苦手分野となります。
しかし一番の問題はこうした苦手分野を持っていることではありません。
本人に「自分にはそういう苦手分野がある」という自覚がないことこそ、最大の問題なのです。
苦手な機能については開発するのはなかなか困難です。
しかし今述べたような自覚を持つだけでも生き方が変わったり、あるいはラクになったりするものです。
自己肯定感が高めで相手を論破しようとする
ENTJタイプの人は理想主義者ですが、平和な理想主義という雰囲気ではありません。
むしろその反対に、
理想世界を実現するには
議論を戦わせることが重要!
と考えています。
ただし最終的には自分の理屈を通そうとします。
もし自分と反対の意見を言う人がいた場合、あくまでも「自分の考えが正しい」という前提で、相手の「間違った考え」を論破しようとします。
また、議論の際も相手の心情に配慮したものの言い方はしません。
とことん理詰めで相手を追い詰め、相手の間違いを証明する、という論法になります。
その結果、議論に負けた相手がへこんだり、傷ついたりしても気にしません。
そんなことより、議論によって何事も解決できると信じています。
また、議論によってお互いを高め合うことができ、両者とも理想世界に近づけると思っているようです。
ただし、その議論をはたで見ていると、ENTJはただ単に相手を自分の意見に従わせようとしているようにしか見えません。
ENTJは
「自分の理想と他人の理想はしばしば違う」
とは考えない傾向があります。
自分の理想は
すなわち人類の理想だ!
と頭から思い込んでいるフシがあります。
これはすでに述べたように、このタイプが自信家だからということもありますが、同時に
自己肯定感がきわめて高い人だからでもあります。
さて、すでに述べたように、ENTJタイプの人は理詰めで論争をしかけてきます。
だからこのタイプと激論を戦わせるとなると、その対戦者もよほど精神がタフじゃないと無理でしょう。
また、このタイプを上回る頭のキレも必要となります。
下手するとコテンパンにやられて終わり・・・ということもありえます。
また、ENTJタイプは議論の際は容赦のない言い方をしてくる傾向があります。
だから相手は
「なぜ、そんな言われ方をしなければならないのか」
という気持ちになってしまう場合さえあります。
ところで論戦の末、実際にENTJの方針通りにやっていくことになったとしても、現実は必ずしもこのタイプの理想通りに進むとは限りません。
結果的に「ENTJの考えは間違っていた」ということが後からわかる場合もあります。
そういう時、ENTJは言い訳することもなく、その戦場をあっさりと去ります。
これはもともと競争心が強い上、負けず嫌いでもあるので、自分の負けを認めたくないからかもしれません。
ともあれ、そういう場合はいったん戦場を別に移し、そこでまた新たな論戦にチャレンジする・・・という生き方になります。
持論ゴリ押し型リーダーになりやすい
ENTJは組織の中では優れたリーダーシップを発揮するタイプでもあります。
リーダーに向いているということについては次のような点を考えていただければ理解できると思います
外向(E)型である
➔周囲に訴えかける力がある
➔組織を動かす力がある
直観(N)型である
➔理想を持っている
➔組織の目標を明確にできる
思考(T)型である
➔物事を論理的に考える
➔やるべきことを明確にできる
判断(J)型である
➔優柔不断ではない
➔決断力がある
ただしENTJは日本的な「和を大切にするリーダー」ではありません。
先ほども述べたように、
自分の理想が
すなわち組織の理想だ!
という「前提」あるいは「思い込み」があるので、ただ組織を強力な統率力で引っぱってゆく、というタイプのリーダーです。
とはいえ、「独裁者」タイプでもありません。
もし、自分に異を唱える部下がいれば、
「では話を聞こうじゃないか」
と、一応は議論の席に着きます。
ところが結局、ここでもその部下を理詰めで説得し、最終的には従わせる・・・という流れになることが多いようです。
そこでもし従わない部下がいたら他部署への配置換えもやむなしとします。
なぜならそれが「目標達成のためには合理的」だと考えているからです。
ここまでの説明を読むと、
「ENTJって、なんか嫌なヤツ・・・」
と思うかもしれません。
しかし実際のところ、ENTJは正義感のカタマリだったりもします。
悪気は別になく、ただ単に
「自分は悩める人々を教え導く人間だ」
と思っているだけだったりします。
そして
複雑な問題を
自分の指導力で解決したい!
という欲求を持っていますが、そこには出世欲のような邪心があるわけではなさそうです。
ただ、ちょっとばかり「言い方がキツい」というわけですね。
このタイプは閉塞状態にある組織、いろいろ問題を抱えている組織にとっては救世主のような役割を担うことがあります。
しかし決して温情型のリーダーではないので、ENTJの下で働く場合はそれなりの覚悟と緊張感が必要かもしれません。
ちなみにリーダーシップはあっても、「できない人」を育てようとする気はまったくありません。。。
「できない人」がいたら先ほども述べたように配置換えさせるか、あるいは
「ちょっと裏で休んでいてください」
と言って、追っ払いそうな雰囲気があります。
そういう意味では人事担当者や新人育成の担当には不向きなタイプだと言えます。
感情(F)機能の未発達なところが弱点
ENTJタイプの人が理詰めでものを考え、ものを言うことが多いのは、感情(F)機能が相対的に未発達なためです。
だから落ち込んでいる人がいても「ちょっとやさしい言葉をかける」という柄ではありません。
この「感情(F)機能が未発達」ということは、「自分の感情を自分で意識的にコントロールするのが下手だ」ということでもあります。
ENTJの中には論戦の最中にしばしば激高し過ぎて号泣してしまう人がいます。
それはまさに自分の「興奮した感情」の制御法について未熟なためだと言えます。
また先ほど述べたように、ENTJは組織の中でこそリーダーというカタチで開花するタイプです。
したがって、常に他の誰かと一緒にいて、初めて自分の真価を証明できる人だと言えます。
そういう意味では決して一匹オオカミではなく、むしろ「寂しがり屋」の人が多いようにも思えます。
ただしこれは外向感情(EF)の「和」を大切にする感性とはだいぶん異質です。
あくまでも大勢の人がいて、みんなと競争をし、その結果として上に立ちたいという人です。
時には自分から「折れる」ことも大切
ENTJタイプは直観(N)型だけあって優れた先見性を持っています。
また物事を俯瞰的に見ることができるため、会社組織の中では重宝されるタイプです。
先ほど「出世欲はない」と書きましたが、欲はなくても実際のところENTJの人は出世が早い傾向があります。
それだけ組織の中では「できる人」として注目を浴びやすいということですね。
でも、しばしば周囲の人からは
「自信過剰で押しの強い傲慢な人間」
と思われることがあります。
つまり割とアンチを作りやすい性格なのです。
それでも自分の直観が当たりまくっているうちは大丈夫でしょう。
しかし時代の流れというのは突然変わるものです。
その時を境に、自分の直観が時代に乗り切れなくなる時期がやってくるかもしれませんね。
そうなった時のためにも、「和を尊ぶリーダー」、「メンバーの力を引き出す指導者」としての側面も兼ね備えておいた方がいいかもしれません。
そのためには、ENTJにとって最大の弱点でもある感情(F)機能を開発することも大切になってくるでしょう。
その第一歩として、まず、共感力を育てることが重要です。
・・・とは言っても、共感力というものは一朝一夕で身につくものではありません。
そこでまず相手の話に
「相槌を打ちながら耳を傾ける」
ということから始めましょう。
その際、反論するのはやめて、相手の話から良い点を見つけ出す努力をしてみることです。
また、論戦の時も時には自分の方で時には「折れる」ということも必要です。
そうすれば人間的にも幅のあるリーダーになれるはずです。
ENTJの性格診断をまとめると・・・
ENTJタイプの人は自己肯定感が高いため、他のタイプに比べると悩みは少ないかも知れません。
しかし逆に言えば、
「だからこそ人の悩みに共感できない」
という弱点もあります。
持ち前の「改革者精神」を時には自分改革のために使ってみてはどうでしょうか?
最後にENTJタイプの特徴をサクッとまとめておきます。
●問題を合理的に考え、そして解決しようとする。
●議論好きで、しかも常に自説を通そうとする。
●自信家で、自己肯定感がきわめて高い。
●競争心が強く、負けず嫌いである。
●自分の理想がすなわち人類の理想でもあると考えている。
●組織の中では優れたリーダーシップを発揮する。
●人を育てるより、できる人を起用しようとする。
●感情(F)機能を開発することで人間的にも幅が出る。
●相手の話を共感しながら聞く癖を付ければ人間的に幅が出る。