ENFPは場を盛り上げる抜群の企画力を持っています。
ところが飽きっぽい性格から、何事も途中で放り出してしまう悪いクセがあります。
そんなENFPの問題点を掘り下げつつ、このタイプの人が人生をもっと充実させる方法について考えてみました。
ENFPは「人の喜ばせ方」が直観的にわかる
ENFPは外向直観(EN)を感情(F)機能がサポートしているような性格タイプです
外向直観(EN)型とは、ある状況を目の前にした瞬間、そこで起きている物事の本質がわかるということです。
たとえば学校の教室、あるいは会議室のようなところにドアを開けて入ったとします。
するとそこには知り合いが2人、向かい合って立っていたとしましょう。
その情景を見て、
「おや、なんだか空気が変だぞ・・・、さてはこの2人、ここでケンカをしていたんだな」
と、一瞬で状況を理解できる人がいます。
こういうタイプを外向直観(EN)型というのです。
別にケンカする声が聞こえてきたわけではありません。
「君たち、どうしたの?」
と本人たちに確認したわけでもありません。
それでも、いわゆる第6カンで状況がわかってしまう人、それが外向直観(EN)型なのです。
さて、その外向直観(EN)に感情(F)機能が加わると、どんな性格タイプになるのでしょうか?
この場合、簡単に言うならば、
「みんなが喜ぶこと」が直観的にわかる
という特徴が出てきます。
つまり早い話、
今、世の中で何がウケるか?
どんなイベントを企画すれば人が集まるか?
どんな商品を出せばよく売れるか?
・・・といったことが自然に分かるわけです。
こういうマーケティング関係のことって、普通だったら時間をかけて市場調査をやったり、データ分析をして結論を出していきます。
しかしこのENFPタイプにはそんな面倒な作業は必要ありません。
なんせ人の喜ぶパターンが第6カンでわかってしまうわけですから・・・。
そうした性格特性がENFPタイプの
外向直観(EN)+感情(F)機能
の正体なのです。
こういうタイプの人には例えば「学園祭の企画担当」などがうってつけです。
なぜなら斬新なアイデアを盛り込んだイベントを次から次へと思いつき、学園祭を大いに盛り上げてくれそうだからです。
このページのENFPの解説を読みながら
「どうも自分のタイプとは違うようだ・・・」
と感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その場合、そもそも判定結果が間違っている可能性があります。
そういう方はぜひ次の記事に目を通してください。
性格診断というものについて、一番大切なことが書かれています。
感覚(S)機能と思考(T)機能が苦手分野
ここでユング心理学の考え方を使ってENFPの性格機能を図にしたものをご紹介します。
《注意》MBTIでの解釈とは異なります。
ご覧の通り、直観(N)機能と感情(F)機能は「意識」の領域にあり、十分に開発されているため本人も使い慣れていることがわかります。
ところが感覚(S)機能と思考(T)機能については「無意識」の領域にあって未開発の状態になっていると言えます。
これら未開発の部分にかかわる問題はこのタイプにとってはまさに苦手分野となります。
しかし一番の問題はこうした苦手分野を持っていることではありません。
本人に「自分にはそういう苦手分野がある」という自覚がないことこそ、最大の問題なのです。
苦手な機能については開発するのはなかなか困難です。
しかし今述べたような自覚を持つだけでも生き方が変わったり、あるいはラクになったりするものです。
最初は盛り上がっても途中で飽きてしまう性格
ENFPの性格特性をもう少し突っ込んで見てみましょう。
まず、このタイプはいつも前向きです。
失敗したって、それを引きずったりしません。
なぜなら失敗に気づいた時には、すでに次のプロジェクトがこの人の頭の中で始まっているからです。
また、このタイプは外向(E)型ということもあって、何をやるにも仲間といっしょにやりたがる。
そして何かプロジェクトが始まると、誰よりも先に本質的な課題や問題点を見つけ、それに対して独創的な解決法を思いつきます。
でも、一般的な「お祭り男」とは少し違うんですね。
なぜなら現場でずっと汗を流し続けるのは好きではないからです。
ENFPが本気でがんばるのは最初のスタート時点だけ。
物事が軌道に乗ってしまうと、とたんに飽きてしまうという性格なのです。
仕事でも何でも、新鮮なうちはガッツリと関わる。
ところが長引くと飽きてしまって、つまらなくなる・・・。
もう一度、さっきの学園祭の話に戻りますね。
このタイプの人が企画を立てれば確かに斬新な学園祭がスタートすることでしょう。
人を見る力があるので、実行委員たちの配置を適材適所で考えたりするのも得意です。
誰の目から見ても
「ああ、この人がいてくれてホントによかった・・・」
と思われるタイプ。
ところが、いざ学園祭が始まってしまうともう現場にはいなくなる。
はっきり言って、飽きてしまうようなんですね。
最初のうち、自分の企画力を活かして働くのはいいのだけれど、その後の「単調な作業」まで関わり続けていたくないタイプなのです。
ENFPはコミュニケーション能力の達人
ENFPの問題点をあげつらってきました。
しかしですね、
「途中で放り出すことが多く、1つのことを最後までやりとげない」
という点を除けば、ENFPは極めて魅力的な人物です
まず、人に親切です!
これはもともと外向(E)型であるとともに、感情(F)機能が発達しているからでしょう。
しかしその親切心が決して押し売りとかじゃなく、まさに相手の気持ちを察した上での「ポイントを突いた優しさ」が出てくるのです。
ここらへんの「はずさない優しさ」というのは、やはり直観(N)機能のなせる技、つまりカンがいいからなのでしょうね。
ともあれ、困っている人を見つけるのは得意。
そんな人を見かけると、すぐにでも飛んでいって助けてあげるという人が多いです。
もう1つ、このタイプの特に素晴らしいところがありました。
それはコミュニケーション能力に秀でている点です。
ENFPタイプの人っていうのは、自分に対してもそうですが、他人に対しても「決めつける」ということをしません。
つまり人に対しても、世の中に対しても、常に柔軟にアプローチする才能を持っています。
それが「どんな人とでも会話ができてしまう」というコミュニケーション能力につながっているのでしょう。
だからホント、「途中で放り出す」という「例の弱点」さえ克服すれば商売人として大成功しそうですね。
ついでに言っておくと、このタイプの人がビジネスをやるなら、モノより人間相手の仕事が絶対に合うでしょう。
基本、ENFPは人間が大好きです。
何やかや言って、この人にとっては人間が一番刺激的だからです。
だから次から次へといろんな人に会っていると、この人は常に元気です。
また、人扱いも上手だし、周囲にはごく自然に人が集まってきます。
なぜなら人の気持ちが直観的にわかり、しかも共感力があるからです。
仕事についてはこの後にまた述べますが、こうした自分自身の「強み」をおさえておくことは大切です。
「転職好き」なのは人生を定期的にリセットするため
今までの説明からもENFPにとって
「仕事にも鮮度が大切」
ということがわかると思います。
つまり、仕事なんて「コツコツと地道に続けるものではない」という考えがどこかにあるようなのです。
特に面倒な実務に縛られるのは苦手そうです。
ルーティンワークなども嫌いです。
もちろんメンテナンスやサポート業務にはこれっぽっちも興味が持てません。
「毎日、同じことをやるなんて地獄だ」
「今日は昨日と違うことをやりたい・・・」
常にそう思っているようにも見えます。
このタイプの仕事観を一言でまとめると
「趣味のように仕事をしたい、できれば仕事を趣味にしたい」
となるでしょうか。
それで次から次へと新しい企画を打ち出すわけですが、どんな障害があっても「やりとげるぞ!」という「強い意志」に縛られているわけではありません。
それに最後までやりぬく前に飽きてしまうことも多い。
だからこの人の仕事場に行くと、ボツった企画書が山積みになっている・・・なんてこともあったりします。
また、ENFPタイプの人は転職好きです。
いや、転職好きというより、定期的に転職をしないと苦しくなってくるのかもしれません。
こうして人生で職業を何度か変えるのがこのタイプです。
前にも述べたように、このタイプの人は常に前向きです。
でも、全く「迷い」がなく生きているわけではありません。
例えばせっかく入った職場が硬直した組織だったりすると、自分の発想力、独創性が活かせないため「やってられないよ」的な気分になるでしょう。
でも、かりに何の不満もなくたって、このタイプは時々、転職というカタチで人生をリセットしたくなるようです。
これが案外、ENFPの本当の転職理由かもしれません。
さて、「16の性格」についての書籍やウェブサイトを見てみると、ENFPの適職などが詳しく書かれています。
しかしこのサイトでは同じことをもう繰り返すつもりはありません。
なぜなら、そこに書かれている通りの仕事を選んだからといって、必ずしも成功するとは限らないからです。
また、それ以上に、本人がその仕事に飽きてしまうということも想像できます。
それでも本人が幸せを感じながら生きていくなら大丈夫です。
でも、ここでもう少しだけENFPの人生をグレードアップさせる方法について考えてみたいと思います。
未開発の感覚(S)機能を目覚めさせよう
ENFPの最大の「売り」はやはり独創的な発想力です。
さらに人の気持ち、場の空気を察する能力。
この2つを同時に持っているなんて、何ともうらやましい限りです。
ただ1点、何度も言うように「1つのことをやりとげられない」のが残念。
これでは「スペシャリスト」にはなりにくいんですね。
基本、人生は何かのスペシャリストになった方が絶対にラクです。
そうしないと30代になっても、40代になっても、永久にビギナーとしての人生を繰り返すことになります。
こういうのって、おそらく20代とか、30代の前半くらいまでなら平気でしょう。
でも、40歳過ぎてからまた新しいキャリアをスタートさせるというのは、はっきり言ってキツいと思います。
直観(N)型と感覚(S)型の違いについての喩え話があります。
開墾して種をまくまでは直観(N)型がやる。
その後、育てて収穫を得るのは感覚(S)型。
つまり最終的に得するのは、往々にして感覚(S)型だということです。
直観(N)型にしてみれば、「種をまいたのは自分なのに、最後は向こうに持って行かれる」というわけです。
継続こそ力
という言葉がありますが、実際、人生というのは「続けたもの勝ち」のところがあります。
才能<継続
これが人生というものの本質だったりします。
そこでENFPタイプの人も、ぜひこの継続力を少しでもいいから伸ばした方がよい、という結論になります。
そのためには感覚(S)型の人の生き方、生活スタイルを見習うことです。
なぜなら感覚(S)型の人は「継続の達人」みたいな種族だからです。
そのためにまず次のような簡単なことから始めてみてはどうでしょうか。
●人生の長期目標を立てる
(最低でも5年、できれば10年単位で)
●目標達成のためのスケジュールを立てる
(けっこう具体的に落とし込む)
●最低でも頑張り続ける期限を決める
(早々と飽きないために)
そしてもう1つ、直観(N)型の人が感覚(S)機能を開発するためにものすごく有効な方法があります。
それは「部屋の片づけ」です。
実を言うと、直観(N)型の人の部屋、あるいは家の中って、散らかり放題のケースがとても多いのです。
これは感性が少し現実離れしているため
「自分の足もとをよく見る習慣がない」
だから
「部屋が散らかっていても気づかない」
というのが原因でしょう。
また、多少、部屋の中が散らかっている方が直観力が冴える!ということもあるかもしれません。
ともあれ、部屋の中にある余計なものを捨て、ボツった企画書の山も資源ゴミに出し、部屋の中をスッキリとさせてください。
そして掃除をしましょう。
そうすれば自然に感覚(S)機能が目覚めてきます。
これについては別の記事で詳しく書いていますので、よかったら参考にしてください。
下の記事は主に内向直観(IN)型について書いていますが、「部屋の片づけ」に関してはENFPにも参考になると思います。
ENFPの性格診断をまとめると・・・
実際のところ、ENFPは全16タイプの中でもかなり恵まれている方だと思います。
ただ、自分がとてもラッキーな性格を持っていることに本人が気づかないという点が惜しまれます。
ぜひ、自分の長所を伸ばしつつ、弱点克服にも注意を向けましょう。
●チラッと見て場の空気を直観的に理解できる
●みんなが喜びそうなことが直観的にわかる
●目新しいものが好きだが飽きるのが早い
●素晴らしいコミュニケーション能力を持っている
●できれば仕事と趣味を一致させたいと思っている
●定期的に人生をリセットしたくて転職する
●感覚(S)機能を目覚めさせると人生が変わる