久しぶりにMBTIのテストを受けると、前回と診断結果が変わる場合があります。
「あれ、なんだか変だな・・・」
こんなふうに悩んでしまうことってありませんか?
実はMBTIの結果が変わるのには、ちゃんとした理由があるのです。
この記事ではその「理由」とともに、「では、どう考えればよいのか」という対策についてもお伝えしたいと思います。
MBTIは検査を受けるたびに結果が変わることがある!?
世界中で大人気のMBTIですが、アカデミックな心理学者の間では批判の声も上がっています。
まず、本人の自己申告制なので客観性に欠けるという批判。。。
また、MBTIの質問がすべて2択になっているというのも問題視されています。
なぜなら「どちらとも言えない」というビミョーな部分が無視されるからです。
そしてよく聞く批判が
MBTIは結果が変わる
というものです。
これは私たちも日頃からよく感じていることです。
たぶん一般ユーザーの間でも一番の疑問点ではないでしょうか。
確かに前回と今回とで診断結果が変わってしまったら、混乱してしまい、逆に悩みが深くなってしまいそうですよね・・・。
でも、実はこれにはちゃんとした理由があります。
そして、その理由さえわかれば、逆にMBTIの上手な使い方もわかってくるのです。
性格は変わらなくても質問への答え方は変わる
一般的にMBTIは「性格診断テスト」と言われています。
このサイトでも便宜上そのように呼ぶことがあります。
でも実を言えば、MBTIでわかるのは
その人は物事をどのように見て
どのような決定を下すか
という、「その時点」での傾向に過ぎません。
ここで大切なのは、「その時点」というキーワードです。
人は何かを質問された際、自分が持っている直近のデータや経験をもとに答えを考える、という傾向があります。
例えばMBTIで次のように聞かれたとしましょう。
あなたはAとBのどちらですか?
A.誰かといっしょにいると元気になる
B.1人で過ごしていると元気になる
もし昨日、友だちと遊んで気分がリフレッシュされ、そのために今日はエネルギーが充電できている状態でこの質問に答えたなら、おそらくAを選択するでしょう。
でも会社から帰ってきて家で1人になってホッと一息ついた後、この質問に答えたなら、たぶんBを選ぶはずです。
たまたまAを選べば外向的だと判断され、たまたまBを選ぶと内向的と判断される。
確かに「その時点」ではそういう結果でも、それが即、その人の普段のパーソナリティーだとは言い切れないわけです。
それと同じ理屈だね。
では、自分の性格について理解したい場合、MBTIは受ける価値がないのでしょうか?
私は決してそうは思いません。
むしろ自分の性格を理解するための第一歩になると思っています。
その理由について、次に述べます。
MBTIの弱点がわかった上で賢く利用する
もし、人から
「あなたの性格を教えてください」
と言われたら、どのように答えますか?
ある人は次のような答えるかもしれません。
まあ、正直な方だと思いますね。
また、次のように答える人もいるでしょう。
割と単純な性格かなあ。
・・・と、こんな短い表現を1つか2つ出されても、その人の性格の全貌は理解できません。
では、次のように答える人がいたらどうでしょうか・・・。
割と正直だけど単純。
正義感は強い思う。
だけどちょっと短気なところもあるかな。
それと映画とか観てすぐ泣ける。
どちらか言うと細かい計算は苦手。
とりあえず目標は立てるけど、
実現までたどり着かないことが多い。
だからたぶん理想家なのかもね。
もし、ここまで詳しく話してもらえれば、だいぶんその人のことがわかりそうです。
しかし普通はここまで自分の性格を分析して、語れる人はいないでしょう。
ところがMBTIのように、自分の考え方や行動をチェックする質問紙があれば、
「こういう時、自分はどういう行動をとるだろうか」
「こういう場合、自分はどちらを選択するだろうか」
というように、自分を見つめ直すきっかけが生まれます。
MBTIのよさは、まさにそういう「きっかけ」や自己分析のヒントを与えてくれる点です。
MBTIの結果だけで満足せず、ユング心理学も学んでみる
MBTIはもともとユング心理学のタイプ論を参考にして作られたものです。
ユング心理学にはMBTIのように「お手軽」な質問紙法はありません。
でも、ユングの性格論が理解できれば、MBTIの質問の意味もよく理解できるようになります。
そうすれば、診断結果が変わってしまっても悩むことはなくなります。
ここまで来れば、実はMBTIを
「自分の性格を理解するためのツール」
として、適切に利用できるようにもなるはずです。
MBTIとユング心理学の関係性はとても重要なことなので、下の記事で解説しました。