HSP・トラウマ・愛着障害

理想的な愛着スタイルが『Bタイプ』である理由

なぜ安定型がBタイプ?

 

先日、子供の愛着障害について下の記事を書きました。

☞『幼い頃、親たちからどんな愛情貯金を受けたか?』

 

実は記事をアップした後、読み返してみて、わかりづらい部分がいくつかありました。

そこで少し書き直しをしました。

 

各タイプの呼び方(日本語訳)を一部変更した他、説明もさらに深く、わかりやすくしました。

 

すでに前回の記事をお読みくださった方も、ぜひもう一度、目をお通しください。

 

 

さて、今日は前回の記事だけでは説明しきれなかったことを補足的に述べることにします。

愛着障害というものについて、さらに理解が深まると思います。

 

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なぜ正常なタイプをAにせず、Bタイプにしたのか

 

もう一度、前回の内容を簡単に振り返っておきましょう。

 

 

子供の愛着スタイルには次の4パターンがありました。

 

Bタイプ→安定型 Secure

Cタイプ→不安定型 Ambivalent

Aタイプ→回避型 Avoidant

Dタイプ→混乱型 Disorganized

 

この中でBタイプ(安定型)が正常な愛着スタイルで、全体の60%に当たると言われています。

これ以外のC、A、Dの3タイプはそれぞれ問題を抱えているタイプです。

 

※それぞれの詳しい内容については前回の記事を参照してください。

愛着障害の出発点
幼い頃、親たちからどんな愛情貯金を受けたか? 「生きづらさ」の原因は愛着障害かも・・・。 そう思って愛着障害のサイトを読んだり、 動画を観たりする人が増えています...

 

 

ところで、皆さんの中には

「なぜ、安定型がAタイプではなく、Bタイプなの?」

と思った方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

・・・だとしたら鋭いですね。

実はそこにこの愛着理論が誕生した当時の価値観がかいま見えるからです。

 

では、それについて詳しく説明しましょう。

 

 

学者たちのカン違いから始まった愛着理論

 

この愛着理論というのは、もともと西洋の精神科医たちが発案したものです。

 

それで例えばアメリカの家庭を考えてみると、あちらでは子供が生まれると早いうちから親とは別の寝室で1人で寝かせるという話を聞いたことがあると思います。

 

これは幼児期から独立心を育てようという、いわば「親の愛」から来た育て方です。

 

 

一方、アジア圏では両親と子供とが「川」の字のように並んで寝る習慣が多かったようです。

かつての日本でも庶民の家ではそういう生活形式が多かったみたいですね。

 

 

話を西洋に戻すと、向こうの国ではどちらか言うと「親にべったり甘える子供はよくない」という考え方が主流でした。

 

そこでこの愛着理論が考え出された当時、一見、早いうちから自立心を持っていそうな回避型が正常な愛着スタイルだと考えられたのです。

 

 

そこで学者たちは親に対して距離を取る幼児の愛着スタイルを

Avoidant 回避型

と名付けたのです。

 

しかし、これはとんでもないカン違いでした。

当初は回避型の子供こそ、順調に育っていると思われていました。

ところがそういう子供が大人になってから、いろいろ問題行動を起こしやすいことがわかってきたのです。

 

逆に幼児期、親の愛情を健全なカタチでたっぷり受けて育った子供の方が発育もよく、知能の発達もよい、ということがわかってきました。

 

そこで子育てに関する考え方が変わってきて、最初は「イマイチ」と思われていたBタイプが安定型に昇格したのです。

 

 

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まだ日本では大人の愛着障害についての情報が少ない

 

「ひょっとしたら自分は幼児期の愛着障害を引きずっているのではないか・・・」

・・・という思いを持つ大人が日本でも増えています。

 

そういう人たちはアマゾンで愛着障害の参考書を探すでしょう。

ところが愛着障害の本と言えば、たいがい子育て用のものばかり。

 

たまに大人用の本があっても、読んでみると「何だかピンと来ない」ということが多いと思います。

 

 

実はアメリカのアマゾンで例えば

「attachment_ theory_adult」

といったキーワードで検索してみると、たくさんの専門書がヒットします。

 

同様にウェブサイトでも大人の愛着障害について書かれた記事がたくさん見つかるでしょう。

 

もし、大人の愛着障害について、さらに詳しく知りたい場合、日本語で書かれた本を読むより、英語で書かれた記事を読んだ方がかえってわかりやすいかもしれません。

 

 

私は最近では英語の記事をできるだけ読むようにしています。

それで得た情報をこのサイトでできる限りわかりやすくお伝えしたいと思っています。

 

また、できればいつか海外の愛着障害の書籍を日本語に翻訳してみたいな・・・とも思っています。

 

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