新ナマケモノ性格診断

「ユング心理学による簡単な性格テスト」の判定方法

このページは「ユング心理学による簡単な性格テスト」からの続きです。

 

前ページの性格テストの判定方法を説明します。

ただし、性格テストやその判定基準というのはあくまでも目安に過ぎません。

できればまず劣等機能講座を読んでいただき、さらに8タイプの説明すべてを読んでいただいた方が自分の性格を深く理解できます。

 

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基本的な性格タイプは8つ

 

ユング心理学ではまず性格を外向と内向に分けます。

外向的

内向的

 

外向と内向についての詳しい解説はこちら

(この解説ページは旧ナマケモノ性格診断の中にありますが、ユング心理学に基づいた説明になっています)

『外向と内向 ― 興味や関心の向かう方向』

 

 

性格を外向、内向に分けた上で、それぞれの中に次の4タイプがあると考えます。

思考タイプ

感情タイプ

感覚タイプ

直観タイプ

 

思考、感情、感覚、直観についての詳しい解説はこちら

(この解説ページは旧ナマケモノ性格診断の中にありますが、ユング心理学に基づいた説明になっています)

『思考と感情 ― ものごとの判断の仕方』

『感覚と直観 ― ものごとの知覚の仕方』

 

 

以上の2×4により、全部で8つの性格タイプを想定することになります。

外向的思考・・・・・内向的思考

外向的感情・・・・・内向的感情

外向的感覚・・・・・内向的感覚

外向的直観・・・・・内向的直観

 

 

性格タイプの判定基準

 

外向的内向的かはおそらくテスト結果から明確にわかると思います。

難しいのは「思考、感情、感覚、直観」の4タイプの判定です。

 

まず、下の「4つの性格機能の図」をご覧ください。
(このサイトですでに何度か掲載している図です)

上の図のように、「思考と感情」、「感覚と直観」がそれぞれ対立関係になっています。

そしてこのうち、どちらか一方のペアが「優越機能と劣等機能」、他方が「補助機能どうし」のペアになっています。

 

例えば、、、

思考優越機能なら、感情は劣等機能です。

その場合、感覚直観は補助機能となります。

直観優越機能なら、感覚が劣等機能。

その場合は思考感情が補助機能です。

 

 

ここからは実際に例をあげて説明することにします。

 

<例1>

もし、あなたの診断結果が次のようになったとします。

思考8・・・・・感情1

感覚4・・・・・直観5

 

この結果から見ると、優越機能はおそらく思考か直観だろうと想像できます。

 

もし思考が優越機能なら、あなたは思考タイプです。
(この場合、感情は劣等機能です)

直観が優越機能なら、あなたは直観タイプとなります。
(この場合、感覚は劣等機能です)

 

では、思考と直観のどちらを優越機能だと判定すべきでしょうか?

 

そこで左右のポイントの差に着目します。

思考と感情を比べた場合、思考8、感情1(差は7)だから、思考の方が圧倒的にポイントが高いです。

ところが感覚と直観を比べると、感覚4、直観5(差は1)だから大して変わりません。

 

そこでポイント差の大きい「思考・感情」の方を「優越機能と劣等機能」のペアだと判定します。

 

したがって、

思考→優越機能

感情→劣等機能

感覚・直観→補助機能

 

そしてもし「外向か、内向か」のテスト結果が「外向」であれば、あなたは外向的思考タイプという判定になります。

 

 

なぜ、こういうふうに考えるかというと、それには理由があります。

 

そもそも優越機能というのは意識の中の一番高いところにある機能です。

一方、劣等機能は無意識の中に深く沈んでいる機能です。

だから優越機能と劣等機能は違いが明確に出てくるはずなのです。

ところが2つの補助機能の場合、さほど大きな差が出てくるわけではありません。

 

次の記事をお読みいただけると、優越機能と劣等機能、補助機能の位置関係がよく理解できます。

『ユング心理学の劣等機能を世界一わかりやすく解説!(劣等機能講座①)』

 

したがってこの場合は思考、感情が優越機能と劣等機能のペアだろうと判定したわけです。

(この例では「思考:8」、「感情:1」なので思考タイプの方を優越機能と考えた)

 

ポイント差が何個以上あれは「差が大きい」、何個以下なら「差は小さい」という基準はありません。

なんとなく・・・で決めて下さい。

最初に述べたように、性格判定テストは目安に過ぎません。

 

 

<例2>

もし、あなたの診断結果が次のような場合、判定が少し難しくなります。

思考0・・・・・感情9

感覚8・・・・・直観1

 

例1の法則に従えば、この場合は感情が優越機能、思考は劣等機能、そして感覚と直観は補助機能なのかな・・・と思いますよね。

 

でも即断せず、それぞれのペアの中でのポイント差を比べてみましょう。

「思考・感情」のポイント差は9、「感覚・直観」のポイント差は7。

つまり、さほど大きくはない、ということです。

 

これは次のようなケースでも同様のことが言えます。

思考1・・・・・感情8

感覚7・・・・・直観2

 

この場合も「思考・感情」のポイント差は7、「感覚・直観」のポイント差は5なので、それほど明確な差はないと考えられます。

 

これら2つの例では

優越機能となる候補が2つあって、その差は微妙

ということですね。

 

こういう場合、必ずしもポイント数にこだわる必要はありません。

「自分の劣等機能は何だろうか?」というところから考えてください。

 

自分の劣等機能の見つけ方は劣等機能講座をお読みいただければわかるのですが、特に次の2つの記事に詳しく書いています。

『自分の劣等機能をヒントにして人生を開運させる(劣等機能講座⑥)』

『自分の優越機能と劣等機能を確実に見分ける方法(劣等機能講座⑦)』

 

自分の劣等機能がわかれば、その反対にある機能が優越機能です。

つまり劣等機能が思考だと思ったなら、優越機能は感情です。

したがってその場合は感情タイプと判定するのです。

 

 

<例3>

もう1つ例を見ておきましょう。

思考5・・・・・感情4

感覚3・・・・・直観6

 

このように4つの機能の中で「断トツ目立っているものがない」という人もいらっしゃるでしょう。

こういうパターンは「自分の性格について今まで深く考えたことがない」という人に多いかも知れません。

こういう場合もやはり劣等機能講座から読み直していただくといいでしょう。

性格というものの理解が深まれば、性格テストの結果が変わってくる場合もよくあります。

 

 

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補助機能について

 

ふつう、優越機能と劣等機能の意識化レベルの違いは「100対0」です。

しかし2つの補助機能については一般的にそこまでの大差はありません。

「70対30」とか「60対40」くらいになるのが普通です。

 

例えば思考タイプの場合、劣等機能は感情で、補助機能は感覚と直観ですよね。

この時、補助機能の感覚と直観の比率が「80対20」とか「70対30」の人がいたなら、この人はもっぱら感覚を補助機能として使っているはずです。

そして直観はむしろ劣等機能に近い状態でしょう。

 

 

ところが双方の比率が「60対40」くらいなら第1補助機能第2補助機能として、本人は割と意識的に両方を活用している可能性があります。

 

 

中には補助機能がほとんど50対50に近い人もいます。

この場合についてユングは次のように説明しています。

こういう人はどちらの補助機能も大して発達していないのだ

つまり優越機能だけが断トツよくて、あとの3つはドングリの背比べってわけですね。

 

 

できれば8タイプすべての記事を読む

 

新しい性格診断テストの判定基準についてはご理解いただけましたか?

 

ただし繰り返しになりますが、こうした性格テストや判定基準はあくまでも目安に過ぎません。

実際には全8タイプの説明を一通り読んでいただいた上で、「じゃあ、自分はどれに当てはまるだろう?」と考えていただくのがベストです。

 

また、自分のタイプと似たようなタイプの説明はぜひ読んでください。

 

たとえばあなたの性格タイプが内向的感覚タイプだったとします。

だとしたら、外向的感覚タイプはぜひとも読むべきです。

そうすると「感覚タイプが内向的とはどういう意味なのか?」がよくわかります。

 

また、感覚機能の反対は直観機能ですから、内向的直観タイプも読んでみてください。

すると同じ内向型でも感覚と直観がどれだけ違うのかが理解できます。

 

でも、繰り返しになりますが、8タイプすべての説明を読んだ後の方が自分の性格についても深く理解できるはずです。

 

 

こうして全8タイプが理解できると他の人の性格タイプまで手に取るようにわかります。

同じ職場の人の性格タイプもわかってきます。

すると、相手の正体がわかるぶん、何だか自分が優位に立ったように思えて、気持ちがラクになるでしょう。

 

 

各タイプの説明記事はこちらからどうぞ。

 

 

<参考図書>

各性格タイプの説明については可能な限り『タイプ論』(ユング著)の記述から逸脱しないように心がけました。

ところどころ自分の体験から得た知識を補足的に加えていますが、あくまでも一部分です。

参考にしたテキストは主に以下の4冊です。

 

タイプ論
みすず書房(林道義 訳)

Psychological Types
『タイプ論』の英訳本としては、ユングの友人でもあったイギリス人医師、Helton Godwin Baynesによる上記の本がおすすめです。
アマゾンを見ると、英語圏ではとても好評みたいです。
ドイツ語と英語は割とよく似た言語ということもあって、林道義さんの日本語訳より理解しやすいような気がします。

『個性化の過程』ユング心理学概説4
(C.A.マイヤー著/氏原寛 訳)
マイヤーはユングの高弟です。
この本はもう出版されていないかも知れません。

Lectures on Jung’s Typology

劣等機能講座の中ですでに紹介しましたが、この本の中の『The Inferior Function』を参考にしています。
著者のフォン・フランツもユングの高弟でした。

 

 

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