ナマケモノ心理学コラム

競争心ゼロですけど、何か不都合でもありますか?

競争心ゼロ

 

いよいよ東京オリンピックが今月(7月)の23日から始まります

ただ、コロナのため無観客・・・。

ああ、つまんない・・・と思う人がいる一方で、そもそもオリンピックに興味のない人もいる。

この違いって何だろう?

この違いの分析から、また人間の本質が見えてきます。

 

Sponsored Link

オリンピックは究極の負けず嫌い大会

 

どんなにスポーツの才能があっても全員がオリンピック選手になれるわけではありません。

ましてや金メダリストになれる選手と言えば、優秀なスポーツ選手の中でもごく一部だけ。

確率で言えばたぶん何万分の1くらいではないでしょうか。

 

それにしても、そもそもオリンピックに出て、しかも金メダリストを取るような人というのは、それ以外の人たちといったい何が違うのでしょう?。

 

才能、素質が違うというのは当然です。

また、練習に打ち込めるだけの家庭環境、特に経済的な環境も整っていたと思います。

 

しかしそうしたことより、オリンピックで金メダルを取るような人が他の人と決定的に違う点があります。

それは競争心の強さです。

 

「絶対に負けてたまるか」という、並外れた負けず嫌いの精神がなければ決して金メダリストにはなれないでしょう。

 

そういう意味ではオリンピックとは

「究極の負けず嫌い大会」

です。

 

「負けず嫌い王」

を決める場所だと思います。

 

 

競争しなくても自分の価値は自分で決める

 

そもそも競争心とは何でしょうか。

それは

自分の価値を他人との比較によって判定する心の働き

のことです。

 

別の言い方をすると、

自分の価値を判定する際、他人という「ものさし」が必要だ

ということです。

 

だから競争心の強い人は他人と勝ち負けを競うのが本能のようなものです。

そして、その勝負に勝つことで自分の価値を確認しようとします。

 

だから、いつでも勝ち負けにこだわります。

つまり負けず嫌いなのです。

 

 

こういう負けず嫌いの人は基本的に外向(E)型でしょう。

でも、外向(E)型がみんな負けず嫌いとは限りません。

 

外向(E)型の中でも「みんな仲よく」をモットーにしている人もいます。

そういう人の場合、他人と競うことよりも「みんな仲よく」することに価値を置きます。

そうして自分の存在意義を確認しようとするのです。

 

ところが一部の外向(E)型は負けず嫌いとなって、他人との勝ち負けにこだわります。

そして、人に勝った数で自分の成長が量られると思っているのです。

 

 

一方、競争心ない人の場合、自分と他人を比べることに興味がありません。

なぜなら

「自分の価値はそもそも他人との比較で決まるものではない」

という考え方を持っているからです。

 

こういう人は性格タイプで言うなら内向(I)型に多いと言えます。

内向(I)型の場合、価値判断の基準が自分の中にあるので、他人と自分とを比べる必要がないのです。

 

だから競争心が出てこない。

「お互いに切磋琢磨」なんて言葉にも興味がありません。

 

 

Sponsored Link

競争社会と決別する勇気を持つ

 

残念ながら、この日本社会では「競争心がない人」は「やる気のないヤツ」というレッテルを貼られがちです

 

内向(I)型の場合、やる気の炎は常にその人の内部で燃えています。

しかし彼らはそれを外側に向かって可視化しません。

だから外向(E)型の社会ではなかなか理解されないのです。

 

 

また、世の中は競争心のない人をそっとしておいてはくれません。

 

親や学校の先生も

「競争心は大切だ」

と考えて、子供たちの尻を叩きます。

 

大人になって会社に入ると、そこはまさに競争社会。

ライバル会社と競争するのは当然として、自分の会社の同僚とも営業成績を競い合わなければなりません。

 

だから競争心のない人の場合、ちょっと生きにくい社会ではあります。

むりやり他人と競争させられるのが苦しいなら、思い切って競争社会と決別する勇気を持つ必要もあるでしょう。

 

 

自分のペースを守る生き方をする

 

マーケティング用語にレッドオーシャン、ブルーオーシャンという言葉があります。

 

レッドオーシャンとは“血の海”という意味。

つまり大勢がひしめき合って競い合いながら泳いでいる海。

脱落した者の死体が浮かぶ真っ赤な海を必死になって泳いでいくようすを表した言葉です。

 

これに対して自分1人が悠々と泳ける平和な海をブルーオーシャンと言います。

商売をするなら競争相手のいないブルーオーシャン市場を探せ!ということなのですね。

 

当然のことながら、競争心のない人は自分だけのブルーオーシャンを見つけるべきです。

かと言ってブルーオーシャンが簡単に見つかるわけでもありません。

 

では、どうすればよいか。

レッドオーシャンに行ってもかまわないけれど、そこで周りからどんなに発破をかけられても、競争には参加しないようにすればよいのです。

 

むりやり競争に参加してもよいことは何もありません

競争社会の尺度で勝手に劣等感を植え付けられたりしたら、たまったもんじゃありませんから。

 

また、もともと持っていない競争心をむりやり「空焚き」しても、自分を消耗するだけです。

精神衛生上もよくありません。

 

人との競争を強制されても、絶対に自分のペースは守る。

これもまた1つの素晴らしい生き方です。

 

Sponsored Link