「性格テストの判定方法」からの続きです
このページは
協調性があってムードメーカーになりやすい人気者タイプ。
ただし周囲に合わせ過ぎて自分を見失ってしまう危険性も・・・。
「客観的な感情」を持っている人たち!?
優越機能は「外向的感情」
一般的に「感情は主観的なものだ」と考えている人は多いでしょう。
ところが少なくとも外向的感情タイプの感情機能は主観的というより、むしろ非常に客観的です。
もちろん外向的感情タイプの人も「私はこれが大好き!」とか「大嫌い!」という主観的な言い方はします。
でも、それは本人だけの感情というより、
他の人たちが皆そのように感じているみたいだから、私もそのように感じる
というケースがほとんどなのです。
もし美人コンテストでこのタイプの人が審査員になったなら、「自分は誰が一番美人だと思うか」ではなく、より多くの審査員が票を入れそうな人に自分も票を入れようとするでしょう。
なぜなら外向的感情タイプの人は「何が正しいか」ではなく
どのような感じ方がその場の状況にふさわしいか
を判断基準にするからです。
こうした判断について、本人は客観的だと思っています。
そして自分は多くの人と意見を同じくする「多数派」であって、自分はその「多数派」の一員なのだから自分は正しいに決まっている・・・と考えるのです。
また、趣味にしても「みんながやっていることを自分もやる」、「今、流行っていることをやる」というタイプ。
常に周囲と同化していたい・・・と思っているのです。
このタイプは常にそういう姿勢で生きているため、空気を読むことにかけては天才的です。
ただしこれは世渡りが上手だという意味ではありません。
周囲に合わせる方が自然だし、その方が自分自身も心地よい、と感じているからです。
つまり外向的感情タイプとは「より多くの人が賛成票を投じるような生き方を好む人」だと言えます。
このタイプは初対面の人であっても話を合わせることができて、共感力もあります。
また、誰がどのように困っているかがすぐにわかり、その人を喜んで手助けします。
人と関わるのが大好きで、友だちを作るのも上手です。
人気者になりやすいので、多くの人に囲まれて幸せな人生を送れるでしょう。
ただし最初に述べたように、このタイプは周りに合わせ過ぎるあまり、周囲からは
自分の意見を持っていない人
気まぐれな人
信頼できない人
と思われる場合がよくあります。
その点は気を付けるべきでしょう。
空気を読む才を活かせる人気稼業が天職
外向的感情タイプは他人が「何を好んでいるか」「何をして欲しいか」に気づく才能があります。
そういう意味ではサービス業全般が向いていると言えます。
また、芸能人など人気稼業と言われる職業の人たちにもこのタイプは多いでしょう。
「空気を読む才能」だけでなく、このタイプは「大勢の共感を引き出す能力」も持っています。
したがって広告代理店の営業担当、あるいは企業の宣伝部のスタッフとして力を発揮する人にはこのタイプが多いかも知れません。
劣等な思考は感情機能の支配下にある
劣等機能は「内向的思考」
外向的感情タイプの劣等機能は内向的思考です。
内向的思考というのは本来、他人にはわかりづらいものですが、それが劣等機能となるとますますわかりにくくなります。
それもあって思考タイプの人の目には「外向的感情タイプはものを考えない」と映ってしまうようです。
でも、これは間違っています。
外向的感情タイプの人たちも「考える」ということはします。
ただし外向的感情タイプが何かを思考する時には、たいてい何らかの感情がともなうのです。
逆に言えば
感情のともなわないテーマについては頭が回転しない
と言うことになります。
このタイプが好んで考えるテーマとは、たとえば「親友のためにどんなパーティーをしてあげようか、どんなプレゼントを用意しようか?」といったことです。
この場合ならワクワクするような感情がともなうわけですが、こういうテーマに関しては思考タイプよりも頭が高速度で回転するのです。
ところが楽しくも悲しくも腹立たしくもないテーマ、純粋に思考そのものを必要とするテーマに関しては考える気にさえなりません。
ユングは外向的感情タイプの思考について次のように述べています。
外向的感情タイプの思考機能は感情の召使い、というか奴隷として存在しているだけだ
これは思考タイプが何よりも「考えること」を最上位に置くことと正反対ですね。
ところで外向的感情タイプの人は何でもかんでも感情を優先するあまり、論理的な思考を屁理屈として遠ざけてしまう傾向があります。
その遠ざけられた思考機能は無意識の中に抑圧されていきます。
それがこのタイプの劣等機能である内向的思考です。
この内向的思考は無意識の中にあるため、意識的な洗練がなされていません。
したがって未開発で、幼稚で、ヤボで、常に否定的に働こうとします。
先ほど、「外向的感情タイプの人は何かを考える時にも感情がともなう」と述べました。
ところがもし何かを感情抜きで考えざるを得ない状況になった時、このタイプはたいがい否定的な結論を出してきます。
たとえば相手のやること、なすことに反対してくるなど・・・。
思考タイプの人からすると、こういう時の外向的感情タイプは
ただ偏狭な理由を並べ立てて、ケチを付けてくるだけの人
と見えてしまいます。
しかしこれは劣等な思考機能から出てきたものです。
したがって本人は無意識のままに文句を言っていることになります。
だから後日、「なぜあの時、あんなことを言ったの?」と問いただしても、本人は「えっ、私そんなことを言ったかしら・・・」とまったく覚えていない場合がほとんどです。
外向的感情に補助機能がからんでくると・・・
補助機能は「感覚」または「直観」
外向的感情タイプの補助機能は「感覚」または「直観」です。
前のページでも述べたように、片方を補助機能として使っている人もいれば、両方を第1補助機能、第2補助機能として使っている人もいます。
《感覚を補助機能として使う場合》
もし知人が風邪で寝込むことになったとすると、頼まれもしないのに家に駆けつけて世話を焼いてあげたり、買い物に行ってあげたりするのがこのタイプです。
優しさや共感力を行動で表現できるタイプです。
《直観を補助機能として使う場合》
日本人でこのタイプはちょっと例をあげにくいのですが、キリスト教的に言えば「神の愛」によって理想の世界を実現しようと考えるようなタイプです。
例えば聖職者とか、特殊な理想のために働く教育者(一般的な学校の教員ではなく)などです。
ユング的なアドバイス
「好き」と「嫌い」、「正しい」と「間違っている」の違いについて、一度、自分の「感情」を抜きにして「考えてみる」のもいいでしょう。
論理的に説明する人を見て、すぐに「薄情だ」「理屈屋だ」と断定してしまうのは軽率かも知れません。