以前の記事で説明したように
大人の愛着スタイルは
人づきあいに積極的か否かで
2つのグループに分けられます。
今回はそれに加えて
自己肯定感が高いか低いかにより
分類する方法をお伝えします。
愛着スタイルの違いによって自己肯定感に差が出る
以前、こちらの記事にて大人の愛着スタイル4パターンをご紹介しました。
その4つをもう一度整理しておくと・・・
人づきあいに積極的なタイプ
・安心型
~Secure~
・不安型
~Anxious~
人づきあいに消極的なタイプ
・見下し回避型
~Dismissive Avoidant~
・恐がり回避型
~Fearful Avoidant~
このように大人の愛着スタイルは
対人関係に積極的か消極的か?
によって2グループに分けられるということでした。
これは表現を変えると
社会性があるか、どうか?
とも解釈できますよね。
大人の愛着スタイルはこのように対人、社会性という切り口で2グループに分類できるということ。
でも、実はもう1つ別の切り口で2グループに分類することもできるのです。
それは、
自己肯定感が高いか、低いか?
つまり、こういうことです。
自己肯定感が高いタイプ
・安心型
~Secure~
・見下し回避型
~Dismissive Avoidant~
自己肯定感が低いタイプ
・不安型
~Anxious~
・恐がり回避型
~Fearful Avoidant~
次に、このグループ分けの根拠について詳しく見ていきましょう。
自分の価値を信じているか、劣等感を持っているか
海外の記事ではself-esteem(自尊心)という言い方をしているものが多いです。
ここでは最近、日本でよく使われている自己肯定感という言葉を使いました。
自分は価値のある人間だと信じている
これは自己肯定感が高い、言い換えると自己評価が高いということです。
周囲の人の目にも堂々としているように映ります。
安心型
~Secure~
幼児の頃から周囲の大人、特に親から十分な愛情を受けて育てられてきた人に多いでしょう。
自分は人から尊重されるべき人間だと考えているため、自己卑下することもありません。
一方、自分を評価すると同時に、他人のよいところ、優れたところも素直に評価します。
見下し回避型
~Dismissive Avoidant~
基本的に自分は誰よりも価値のある人間だと思っています。
そのため、困った時も他人の手を借りずに自力で解決しようとします。
実際、独立独行で生きている人が多く、一種の自己完結タイプだと言えます。
自分に自信がなく劣等感を抱えている
自己肯定感が低い、言い換えると自己評価が低いタイプだということです。
周囲の人の目には自信なさげに映ります。
不安型
~Anxious~
自分自身にいつも「ダメだし」をしているタイプです。
劣等感が強いため、だからこそ「自分は他人なしには生きられない」と考えています。
一見、外向的な人間ではありますが、その裏には「自信のなさ」が隠れています。
恐がり回避型
~Fearful Avoidant~
本当は自分は価値のある人間だと信じたいのですが、その気持ちが自信のなさと表裏一体になっています。
もし相手が自分を嫌いになってしまったらどうしよう・・・という心配が先に立ち、結局は中途半端なところで人間関係から手を引いてしまいます。
見下し回避型は本当に自己肯定感が高いのか?
大人の愛着スタイル4パターンを1つの表にすると次のようになります。
アメリカでは大人の愛着スタイル4パターンについて、この表のように分類することが多いです。
ただ、この中で1つ気になるのが見下し回避型です。
このタイプは確かに周囲の目から見ると、いかにも自信を持って生きている人物に見えます。
でも、本当のところはどうなのでしょうか・・・。
実は見下し回避型の場合、想定外のハプニングには弱いという一面もあります。
普段からガードを固めて傷つかないようにしているように見えますが、実のところ、傷つきやすい自分を隠しているのかもしれません。
よく言えば見下し回避型は「西洋型の個人主義」を貫いているとも言えます。
しかし自分をさらけ出してしまうと、自分のアイデンティティが崩壊してしまうような脆さ(もろさ)が見え隠れしているようにも思えます。
だから実際のところ、本当に心の底から自己肯定感が高いと言えるのは安心型だけなのかもしれません。