「性格テストの判定方法」からの続きです
このページは
安定した暮らしは牢獄、変化のない人生は死んでいるも同然。
夢を追い求めるのはよいが、飽きっぽい性格については今後の課題。
現実世界ではなく、その背後に広がる可能性に目を向ける
優越機能は「外向的直観」
この外向的直観タイプについて考える場合、先に外向的感覚タイプを見ておいた方がわかりやすいと思います。
同じ外向的な性格でも、外向的感覚タイプの方は現実そのものを見定めようとする性格タイプでした。
これに対し、この外向的直観タイプはその現実から起こりうる未来の可能性に着目します。
つまり外向的であれ内向的であれ、直観タイプの場合、「そのもの自体」はどうでもよく、そこから何が生まれてくるかに関心が向くのです。
→現実そのものを見る
外向的直観
→可能性に関心を向ける
外向的直観タイプの人は結果が出てしまってそれ以上変化しようのない環境にいると窒息して死にそうになります。
なぜならこのタイプにとっては
安定した生活は牢獄に等しいから
・・・というのがその理由です。
同じ職場で定年まで働き続けるのも苦痛に感じます。
また、もともと優秀な人であっても家庭を持ったとたんにダメ人間になってしまう人もいます。
それは「安定」というものがこの人のポンテンシャルを奪ってしまうからです。
ところで外向的直観タイプなのに感覚タイプに見える人もいます。
本人も他人に対して常々「現実は大切だ!現実を見ろ!」と言っていたりします。
本来、直観と感覚は正反対の機能です。
だから直観機能が優れている場合、感覚は抑圧されるはず。
そうしないと使えないのが直観機能なのです。
それなのに、外向的直観タイプの中には感覚タイプみたいなことを言う人がいるのはなぜでしょうか?
外向的直観の場合、その直観は外の世界の情報をキャッチする必要があることから、感覚機能もそこそこ使う必要があります。
だから外向的直観タイプの人の中には「自分は感覚タイプだ」と思っている人もいます。
しかし外向的直観タイプにとって、感覚とは直観を働かせるためのヒントに過ぎません。
だから普通、外向的直観タイプは現実を見ていると言っても、実はチラッと見ているだけなのです。
そして意識の大部分は現実の背後に広がる「可能性」に向けられています。
直観タイプにとっては「未来」が大切
話をもとに戻しますが、先ほど外向的直観タイプは「未来の可能性」に目を向けると述べました。
すでに価値や評価が確定しているものについては、たとえそれが「定評」のあるものであったとしても魅力を感じないのがこのタイプです。
しかし時にはそういった環境に身を置かざるを得ない場合もあります。
そういう時、このタイプは何かの問題点を見つけ出し、それを自分の手で改革しようとします。
とにかく「安定=閉塞状態」なので、その閉塞状況を打開するのが自分の役目だと勝手に思い込んでいるのです。
また「未来の可能性」を見抜く力があるため、たとえば将来、発展しそうな企業の株を買っておいたりします。
あるいは将来、伸びそうなマーケットを見つけて手を打っておく、といったビジネスセンスもあります。
スカウトマンとしての才能も持っているので、将来伸びそうなスポーツ選手やタレント候補などを発掘するのも得意でしょう。
ただしここで1つ、困ったことがあります。
このタイプは他人の才能を見抜くことはできても、自分自身が何か偉大なことを成しとげるわけではありません。
そこでユングは外向的直観タイプの人間について
何かにつけて人生を簡単に浪費してしまう人たちだ
と述べています。
なぜならこのタイプは自分の人生を充実させるより、自分の周りにエネルギーを吹き込むのが大好きだからです。
さらにユングは次のようにも言っています。
自分が畑に種をまいたにもかかわらず、それが実るまで本人は待てない
だから結局、その収穫物は他の人に渡り、自身は何も得ることができないということです。
夢に投資するのが大好きな人たち
投資家、経営コンサルタント、起業家、ジャーナリストがこのタイプの代表的な人物像です。
上にも述べましたが、スカウトマンにも外向的直観の素質が必要でしょう。
投資家などは確かにこのタイプの典型的な人物像ですが、このタイプは大金が欲しくて投資しているわけではありません。
むしろ大金を得ることにロマンを感じている、と言った方が当たっているでしょう。
つまり夢に投資をしているわけです。
だから投資が大成功して、億万長者になってしまったら、「ああ、つまんない・・・」と感じるでしょうね。
一般的な仕事に就く場合はたいがい何度か転職する人が多いように思います。
劣等な内向的感覚によって生活崩壊の危険もある
劣等機能は「内向的感覚」
外向的直観タイプの人は自然に感覚機能を抑圧しています。
その抑圧された感覚機能は内向性を帯びた状態で無意識の領域にあります。
このタイプが優越機能である外向的直観ばかりに頼り過ぎていると、内向的感覚はますます無意識の方へ押しやられていきます。
別の表現をすると、常に意識を遠くに飛ばし過ぎて、自分の足もとがますます見えなくなっている、とも言えます。
だからこのタイプは壮大なことを言う割には私生活はメチャクチャという状態になりやすいのです。
ただし、このタイプの人はもし破産したとしても、それほど落ち込むことはないような気がします。
なぜなら安定している状態こそ、このタイプにとっては牢獄なわけです。
だから浮沈変転する人生はむしろジェットコースターのようで楽しいかも知れません。
本当はたまには痛い目に会った方がいいのでしょう。
しかし、
少々のことでは懲りない
のがこのタイプです。
内向的感覚に補助機能がからんでくると・・・
補助機能は「思考」または「感情」
外向的直観タイプの補助機能は「思考」または「感情」です。
前のページでも述べたように、片方を補助機能として使っている人もいれば、両方を第1補助機能、第2補助機能として使っている人もいます。
《思考を補助機能として使う場合》
ユングは「種だけまいて、収穫しない」と言いましたが、もしこのタイプが補助機能としての思考をしっかり使えたなら、人生は割と計画的で着実なものになるはずです。
また、論理的な改革者として活躍できるかも知れません。
逆に言うと、思考を使わなければこのタイプはただのギャンブラーで終わってしまいそうです。
《感情を補助機能として使う場合》
外向的直観タイプで、感情が補助機能という人は喩えるならば「姉御肌のスポンサー」といったところでしょうか・・・。
こういうのを日本文化の中ではタニマチと呼びますよね。
見込みのありそうな「ごひいき」の若者を経済的にバックアップするような人たちです。
ユング的なアドバイス
このタイプは現状に満足している人たちにまでハッパをかけ、奮起を促してしまう傾向があります。
「皆、ぼくと同じように夢を追っているはずだ」
と勝手に決めてかかるのです。
「青年よ大志を抱け!」とか言っても、相手にとっては余計なお世話かも知れません。
人にはそれぞれの生き方があるということを認識しておくべきです。