「性格テストの判定方法」からの続きです
このページは
学者や研究者など、1人で考え込むのが大好きな人たちがこのタイプ。
自分の世界に閉じこもり過ぎて周囲と会話不足になるのが難点。
自分の思考世界に閉じこもって世の中には無関心
優越機能は「内向的思考」
内向的思考タイプの人は自分の主観的な基準にもとづいて物事を考察していきます。
したがってこのタイプの「思考」には外の世界とのつながりがありません。
どれだけ素晴らしいことを「思考」しても、それを世間に発表したり、他の人と意見交換することには消極的です。
自分1人で考えることに没頭するのが大好き。
まるで「考えるのが趣味」みたいな人です。
そもそも世の中の出来事や他人に興味を抱かないし、また他人との関わりや実体験を通して何かを学ぶというタイプでもありません。
ここで内向的思考タイプと外向的思考タイプの違いを明らかにしておきましょう。
外向的思考タイプはものを考える時、その根拠を外の世界に求めます。
(今、目の前の出来事から、こういうことが考えられるな…)
そして自分で考えたことを、もう一度、外の世界に戻して考えます。
(自分の考えを使えば世の中をこういうふうに変えられそうだ…)
ところが・・・
内向的思考タイプの場合、まず本人の心の中に「解決すべきテーマ」がぽっと生まれます。
たとえば「そもそも正義とは何なのか?」といった抽象的な問題が浮かんでくるのです。
しかしこのタイプの場合、本人の中でその「正義とは何か」が解決したとしても、それを誰かに説明しようとはしません。
ましてや政治家になって自分が考える正義を社会的に実現しようなどとは絶対に思いません。
内向的思考タイプにとって最も大切なことは自分自身を論理的に納得させることです。
自分が納得できればそれは正しい。
それがわかった以上、それをわざわざ他人に確認したり、説明する必要はない、というのがこのタイプのスタンスです。
しかし自分が考えたことは普遍的な法則だから、他の人たちもいつか自分と同じ結論に至るに違いないと信じています。
そして心の中では
もしかしたらそのうち私の偉大さに誰かが気づき、教えを請いに来るかもしれない。
よし、その時は丁寧に教えてあげよう。
と考えていたりします。
他人から見ると、内向的思考タイプというのは
1人で難しいことを考えているようだけど、何を考えているのかさっぱりわからない・・・
といった雰囲気の人物です。
何か心を閉ざしているように見え、「どうしたの?」と尋ねても教えてくれない。
まるで
「どうせ君に言ってもわからないよ」
と言われているみたいで、なんだか見下されているような気がすることもあります。
ひたすら考え続ける哲学者のイメージ
内向的思考タイプの人物像はまさに哲学者というイメージです。
哲学者に限らず、そもそも学者や大学教授たちは内向的思考タイプの傾向があります。
ただしアカデミズムの世界にいながら、学長になりたがるような出世意欲満々の人はこのタイプとは言えなさそうです。
ただし内向的思考タイプであっても「認められたい」という気持ちは持っています。
しかし根がシャイなので、自分が出世願望を持つことに一種の恥じらいを持っていたりするのです。
このタイプは考えるのが趣味なので、基本的に勉強好きです。
しかし教師などは向いていなさそうです。
なぜなら感情が劣等機能のため、共感力が弱く、勉強が苦手な生徒の気持ちがわからないからです。
また、簡単なことを易しい言葉で説明するのも苦手です。
自分を売り込むのは苦手だが根は優しい人
劣等機能は「外向的感情」
このタイプの劣等機能は外向的感情です。
したがって無意識的には「人や社会とのかかわり」に一応、興味は持っていることになります。
でも、その「興味」はどちらかいうと「一種の憧れ」と言った方がいいかも知れません。
外向的感情が劣等であるこのタイプの決定的な弱点は「自分を売り込むのが超苦手」なことです。
でも時折、劣等機能である不器用な外向的感情をふりしぼって自分から周囲に愛想を振りまこうと試みます。
しかし、ただ「ぎこちなさ」をさらけ出すだけで失敗に終わる場合がほとんど。
逆に周囲に変な誤解を与えることになってしまいます。
こうして、たまに外向的に振る舞おうとしてもボロが出てしまう。
それを本人も気づいているため、ボロを出すまいとして人付き合いがますます消極的になっていきます。
基本、内向的思考タイプは自分の感情を表に出さないため、周囲の目には冷たい人間のように見えます。
このタイプの人に初めて接した人たちは
「冷淡で他人に無関心」
「とっつきにくい」
「無愛想」
「1人で小難しいことを考えている」
・・・という印象を持つ場合が多いようです。
でも、親しくなるにつれてこの人物の優しい心がやっと理解できるようになります。
つまり心を開いてみれば意外に温かいということです。
なぜなら、このタイプの劣等機能である感情は無意識の領域にあるため、自我と関係していないからです。
自我がない、ということは、打算が働かないということでもあります。
(この点は外向的思考タイプも同じですね)
打算がないぶん、人に向ける感情がより純粋になるのです。
また、このタイプの劣等機能である外向的感情には外向的らしい「利他的」なところがあります。
したがって見かけの印象は冷たいけれど、
「さほど利己的な人ではなさそうだ」
ということです。
その点に関して言えば、逆に外向的思考タイプの場合は劣等機能が内向的感情なので、利己的、自己保身的な面が出てきます。
それがこの内向的思考タイプとは違う点です。
すでに述べてきたように、このタイプは「売り込みが下手」。
だから積極的に人間関係の輪に入っていけないところがあります。
それは外向的感情が劣等なため、人付き合いに必要な気持ちのやり取りが意のままにならないからです。
内向的思考に補助機能がからんでくると・・・
補助機能は「感覚」または「直観」
内向的思考タイプの補助機能は「感覚」または「直観」です。
前のページでも述べたように、片方を補助機能として使っている人もいれば、両方を第1補助機能、第2補助機能として使っている人もいます。
《感覚を補助機能として使う場合》
内向的思考タイプはつい頭の中だけで考えをまとめがちです。
しかし感覚機能も使いこなせば外界の現実にも自然に目がゆくようになります。
そうすると実証的なデータを使って自分の考えを周囲に説明できるようになります。
さらに「説明下手」「会話下手」を克服できるかも知れません。
《直観を補助機能として使う場合》
内向的思考にとって直観は非常に相性のよい補助機能です。
ただしこの世の真理が見え過ぎるあまり、逆に他の人たちから理解してもらえず、苦しい思いをすることがあるでしょう。
このタイプの人の探究心は遠い未来に向いていて、同時代人に理解されない可能性もあります。
ユング的なアドバイス
このタイプの人は自分自身が自分の宣伝マンにならなければ、永久に誰からも注目されないでしょう。
そこで「自分の売り込み方を工夫してみる」ということも必要なのですが、それには何も大声を出して自己主張する必要はありません。
今ならネットを使えば自分の存在をアピールすることができますよね。
ちなみに私、ナマケモノも内向型(直観タイプ)なので、このようなサイトを使って日々努力しているつもりです。