身を守る心理学

『禁煙セラピー』で学ぶ「洗脳から逃れる知恵」

恐ろしい洗脳

 

洗脳なんて自分には関係ない、

と思っている人も多いでしょう。

 

でも、洗脳されている本人は

自分が洗脳されているとは

思っていません。

だから洗脳なのです。

 

今回の記事では

そのわかりやすい例として

タバコをとりあげました。

 

洗脳というものが

どういうカタチで私たちの人生に

入り込んでくるか、

それがよくわかるのがタバコです。

 

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『禁煙セラピー』という不思議な本

 

以前、私はタバコを吸っていました。

初めてタバコを吸ったのは予備校生の時。

本格的に吸うようになったのは大学に入ってからです。

 

社会人になってからは本数がだんだん増え、30代になってからは1日2箱(40本)は吸うようになっていました。

 

ところが40歳になった時、私はスパッとタバコをやめました。

…というか、やっとやめることができました。

おそらくこれは私の人生において最大の快挙だったと思います。

 

 

私はタバコを吸っていた20年間でたぶん1000回は禁煙にトライしました。

でも、たいがい3日どころか1日坊主で、その結果、自分の意志の弱さを徹底的に脳ミソに学習させる結果となってしまいました。

 

それなのに、どうやって私はタバコをやめられたのか。

先にネタバレしてしまうと、それはあの有名な本『禁煙セラピー』を読んだからです。

 

今回の記事は別にこの『禁煙セラピー』を宣伝するために書くのではありません。

そうではなく、この本には私たちが他人にダマされずに生きるための大切なヒントが書かれていると思うからです。

 

でも、タバコを吸わない人はおそらく一生、この本を読むことはないでしょう。

だからそういう人たちのために私はこの本をちょっと紹介してみたいと思ったわけです。

 

 

タバコは一種の洗脳ビジネス

 

現在、タバコを販売しているのは「日本たばこ産業(JT)」という会社です。

でも、これが昔は「日本専売公社」という国営の団体だったことを知らない人もいらっしゃるでしょう。

 

昔はCMなんかもずいぶんやっていました。

私が今でもよく覚えているキャッチフレーズは

「たばこは心の句読点」

ってやつ。

 

私が子供の頃、

当時の日本人男性のほとんどは

「大人になったらタバコを吸うのはアタリマエ」

と思い込んでいました。

 

実際、当時の私の記憶を思い起こすと、男性の8割以上はタバコを吸っていたように思います。

一方、女性でタバコを吸う人は少なかったですね。

 

私の記憶では、女性でタバコを吸っていたのは水商売の人か、そうでなければいわゆる「ギョーカイ」、つまりマスコミや広告業界の女性たちの中の一部だけでした。

 

今ではタバコを吸う人は男性で4人に1人、女性で13人に1人くらいだそうです。

男性はずいぶん減ったけど、逆に昔を知っている人間から見ると女性の喫煙者は「すごく増えた」気がします。

 

タバコは身体に悪いと言いながら、いまだになくならないのは税収が大きいということもあるでしょう。

また、JTへ天下りした官僚の反対などもあるのでしょう。

 

しかし、それと同時にタバコというのは一種の洗脳ビジネスだということを知っている人はほとんどいません。

 

 

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そもそもタバコは中毒になるのか?

 

さて、『禁煙セラピー』に話を戻しましょう。

 

この本に限らず、禁煙本というのは昔から星の数ほどありました。

本屋さんに行けば禁煙本関係で1つの書棚がいっぱいになるくらい。

 

でも、たいがいの禁煙本の内容は同じでした。

簡単にいえば、ニコチン中毒は身体に悪いからタバコはやめようというもの。

 

 

しかしその一方でこのタバコの中毒性を利用したビジネスもたくさん生まれました。

禁煙本もその1つです。

 

だいたいタバコを吸う人というのは「タバコをやめたい」と思っているものです。

だから禁煙本は必ず売れます。

 

しかしその禁煙本を読んでも、誰もタバコをやめられない。

そこで禁煙を挫折した人はまた別の新しい禁煙本を買って読む。

 

だから本を書く方にしてみれば、タバコ中毒がこの世からなくならない限り、禁煙本は永久に売れ続けるドル箱商品なわけです。

 

 

そう言えば昔、禁煙パイポというのもありましたね。

たんなるプラスチックの筒なんですが、これをタバコ代わりにくわえていれば、クチ寂しいのが紛れて禁煙できるだろう…という商品です。

 

そのキャッチフレーズは

「タバコやめますか?それとも人間やめますか?

…だったように記憶しています。

でも、私が知る限り禁煙パイポでタバコをやめた人は1人もいなかったと思います。

 

 

とにかくいったんタバコを吸い出すとニコチン中毒になるので、そこから抜け出すのは難しい…。

だからすべての禁煙本はこの「対ニコチン中毒戦」の方法について書かれていました。

「タバコを吸うと肺が真っ黒になりますよ!」

「肺ガンになると苦しい死に方をしますよ!」

 

ひたすらこうしたメッセージの連続。

とにかくあの手この手で喫煙者を脅してタバコへの罪悪感をかきたてるのが一般的な禁煙本の常套手段です。

 

 

ところがそれらの本とはまったく別の説得法を打ち出したのが『禁煙セラピー』でした。

その主旨は次のようなものです。

 

タバコを吸っても中毒にはならない。

だからタバコはいつでもやめられる。

 

えっ、なんだって!?

タバコを吸っても中毒にならないって!?

ナニ言ってんの、このオッサン…。

喫煙者はみんなニコチン中毒になっているから禁煙できないんじゃないの!

 

…と、ふつう、そう思いますよね。

でも、ここからの反証が『禁煙セラピー』の真骨頂なのです。

 

 

「ない」ものが「ある」と洗脳するのは誰か?

 

『禁煙セラピー』の著者アレン・カーによれば、タバコに含まれているくらいの微量なニコチンでは中毒症状は起こらないそうです。

たとえ何十年間、タバコを吸い続けたとしても。

 

でも、実際には中毒になっている人がいるように思われますよね。

これをどう説明するのでしょうか。

 

これに対してアレン・カーは意外な答えを返してきます。

中毒になっているのではなく、

中毒になったと刷り込まれているだけ。

 

アレン・カーに言わせると、

「タバコは中毒になるって、いったい誰が言ったのですか?」

ということなんですね。

 

たとえば例の禁煙本の著者たち。

彼らは本の中で

「タバコのニコチン中毒から抜け出す方法」

を徹底的に論じています。

 

しかし、もしその本が本当に効果があって、世の中からタバコを吸う人がいなくなれば、もうその本は売れなくなります。

それでは彼らも商売として困りますよね。

 

どの禁煙本の作者も、できればタバコを吸う人には一生タバコを吸い続けていて欲しい。

そして、定期的に自分の新しい禁煙本を買ったり、禁煙セミナーなどに参加して欲しい。

 

そこで、誰かがある時、よいアイデアを考えついたわけです。

「タバコは中毒になるので、吸い過ぎには注意しましょう」

という悪魔のフレーズです。

 

 

確かにニコチン少なめのタバコとか、あるいはニコチンゼロのタバコというのは大しておいしくありません。

これは元ヘビースモーカーだった私自身がよく知っています。

 

だからニコチンの効いているタバコがクセになるのはよくわかります。

 

しかしそれは例えばチョコレートが好きで毎日食べてしまうとか、かっぱえびせんは一度食べ出すとやめられない、というのと同じです。

 

「おいしいからやめられない」というのと、「中毒だからやめられない」というのは根本的に違います。

 

それなのにチョコレートやかっぱえびせんについては中毒とは言わない。

一方、タバコに関してだけは「中毒になる」という前提でものを言うことになっているようなんですね。

 

このままだと中毒になる

中毒になってしまった!

やめられない!

 

つまり、タバコに関してはこういう心理状態を意図的に作り出しているのです。

これは一種の洗脳です。

 

タバコにはニコチンが含まれています。

だから中毒になってしまいます。

中毒にならないために、

くれぐれも吸い過ぎには注意しましょう。

 

このように言われれば言われるほど、人はこう思います。

「そうか、タバコがやめられないのはニコチンのせいか」

このように脳に刷り込まれていくので、ますますタバコをやめられなくなるのです。

 

 

たいがいの禁煙本ではまず「ニコチン中毒の恐ろしさ」を説明した上で、そこから抜け出す方法を紹介しています。

 

でも、禁煙しようとして、そういう禁煙本を読めば読むほど「ニコチン中毒がある!」という洗脳を受けることになり、逆にタバコをやめられなくなるのです。

 

それがたいがいの禁煙本の正体。

 

 

昔の禁煙パイポだって同じです。

「タバコをやめるのはタイヘンです。だから禁煙パイポを使いましょう」

と呼びかけていたのですが、実はタバコには中毒なんてないので、やめようとさえ思えばいつでもやめられたのです。

 

 

政府もタバコ業界も、どこもかしこも声をそろえて

タバコの吸いすぎは危険です。

くれぐれも吸い過ぎないように注意しましょう。

 

こう呼びかけながら、結果としてタバコを吸う人が簡単にはタバコをやめられないように仕向けていたとも言えます。

 

 

もし、チョコレート業界が政府や学会と手を結び、

「カカオには微量ながら中毒性があることが発見されました。

健康のためチョコレートの食べ過ぎには注意しましょう」

と呼びかければ、

チョコレートの売り上げはあっという間に数倍になることでしょう。

 

 

タバコをやめてショックだったこと

 

『禁煙セラピー』を読み始めて、すぐに私はタバコ関連の各産業から今までダマされていたことを知りました。

だからもうその本を最後まで読まなくて、今すぐにでもタバコはやめられると思いました。

 

ところが『禁煙セラピー』の中でアレン・カーは

「この本を読み終わるまで、絶対にまだ禁煙しないでください」

と書いているんですね。

 

だから私は素直に彼の言う通りにしました。

タバコを吸いながら、その本を最後まで読んだのです。

 

でも、『禁煙セラピー』を読み終わると同時に、私のタバコ生活も終わってしまうわけですよね。

それが寂しく、私はわずか200ページくらいしかない『禁煙セラピー』を超ゆっくりと読みました。

確か、1か月くらいかけて読んだと思います。

超低スピード…。

 

最後の1ペーン時を読んでいる時、私は長年の友人と最後の別れをかわすような気持ちでタバコをしみじみとした思いで吸いました。

 

そして、最後の1行を読み終わると同時に、私は最後の1本を吸い終わりました。

寂しかったです。

だってね、もうタバコを吸いたいという気持ちが1㎎も残っていないのですから。

その、なくなってしまった欲求に対して、「寂しい」という妙な気持ちが生じたのです。

 

大切な友を失ってしまったような寂しさ…。

これは大きな喪失感であるとともに、私にとってはショックな出来事でもありました。

 

 

『禁煙セラピー』を読んでも禁煙できない人はいる

 

『禁煙セラピー』が効かなかった、タバコをやめられなかった、という人はいらっしゃるでしょう。

 

私も何人か、そういう人に出会ったことがあります。

 

彼らはみんな

「書いてあることの意味がわからなかった」

と言います。

 

これって、何なんでしょう?

読解力の問題?

 

知り合いの女性で外資系の会社に勤めていて、「日本語以上に英語ができる」と自分で言っている人がいました。

彼女はやはりタバコがやめられなくて、この『禁煙セラピー』を読んだのですが、意味がわからず、禁煙もできなかったそうです。

そこで彼女、「これはきっと翻訳が悪いからだろう」と思い、わざわざ英語の原書を取り寄せて読んだのですね。

それでもやはり禁煙はできなかったそうです。

 

思うに、これは「人間が素直かどうか」の問題ではないでしょうか。

 

素直な人は洗脳にかかりやすいかもしれないけれど、逆に洗脳も解けやすい。

しかし疑い深い人は簡単には洗脳されないが、いったん洗脳されるとなかなか解けない。

 

これは新興宗教なんかでもよくあるパターンです。

 

 

禁煙外来は新たな洗脳システム

 

日本では2006年から禁煙の“治療”に健康保険が適用されるようになりました。

 

つまり喫煙は立派な病気であると判断されたわけです。

そして、そのように判断したのはタバコの税収を放棄できない日本政府であるという点はおさえておく必要があります。

 

でも考えてみると、この禁煙外来そのものが洗脳システムですよね。

 

タバコは立派な病気です

自力では治せません

禁煙外来を利用しましょう

 

「タバコはニコチン中毒の病気です」

と言い切ることによって、喫煙者の洗脳を強め、ますますタバコを購入しつづけないといけない精神状態に追い込んでいるのです。

 

ところで禁煙外来の治療の成功率はせいぜい60%と言われています。

普通の風邪でも骨折でも、病院の治療の成功率が60%しかない病気なんて、そんなにあるものではありません。

2人に1人が治らない、というのはもはや重病。

つまり重病扱いされることで、ますます重病になってしまう…という悪のループに入り込むのです。

 

 

誰が本当のことを言っているのか?

 

タバコは中毒でもなければ、もちろん病気でもない。

やめようと思えばいつでもやめられるのがタバコです。

 

健康な人に向かって、全員で

「おや、顔色が悪いよ、病気じゃないの? 早く病院へ行きなよ」と言っていれば、本人も徐々に気分が悪くなって最終的には本当に病気になってしまうでしょう。

なんとなくそれとも似ていますよね。

 

 

「禁煙外来」の4文字は

「タバコは中毒になるよ~」

という悪魔のフレーズの現代版かもしれません。

 

結局、タバコをやめられなくして税収を確保しようとしているだけではないのでしょうか。

 

これはたぶん財務省と厚労省とが双方ともに損をしないよう、うまく手を組んだのでしょう。

 

 

さて、このタバコの一件からもわかるように、世の中の仕組みというのは本当に不思議なものです。

 

正義の味方ヅラしている人が、実は悪魔の使者だったり…。

誰が本当のことを言っているのか、ちょっとやそっとではわかりません。

 

世の中の裏側を見抜くには、やはり「それをやっている人の本当の狙い」を推測する力が必要です。

そのためにも心理学は役に立つと考えています。

 

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