英会話修行記

英語ネイティブの話し方が早口に感じられる理由

ネイティブスピードという嘘

 

英語のネイティブスピードって、

なんであんなに早口なの?

と思っていませんか?

 

私もこの間まで、そう思っていました。

しかし、それは間違い。

 

ネイティブスピードが速いのなら、

全アメリカ人が早口言葉の達人に

なってしまう・・・。

 

そんなはずがない!

 

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アメリカの映画やドラマの英語が聞き取れない

 

DMM英会話を初めて1年半以上となりました。

 

最初はほぼ一言も英語を話せなかったにもかかわらず、今ではとりあえず非ネイティブ講師となら25分間、ほぼどんな話題であってもフリートークができるまでになりました。

(時々その場で英単語を調べていますけど)

 

われながらよくぞここまで成長したと思います。

 

とは言え、最近になって気づいたことがあります。

それは、オンライン英会話だけやっていても、これ以上の成長は正直言って難しい・・・ということです。

なぜならアメリカの映画やドラマがほぼ聞き取れないからです。

 

 

これは何かで読むか聞いたかした話です。

幕末の戊辰戦争の時、土佐藩(高知県)、薩摩藩(鹿児島県)を中心とする官軍が会津城を陥落させました。

その後、双方で講和会議を開く際、一方は土佐弁や薩摩弁、もう一方は東北弁というわけで、お互い、何をしゃべっているのか理解できなかったそうです。

そこで三味線を持ってきて、双方、都々逸(どどいつ)の節に合わせてコミュニケーションを取ったとか・・・。

 

この話、ホンマかいな?

と思いますけど、同じ言語を話しているはずなのに、まったく相手の言葉が理解できない当時のサムライたちの気持ちが今の私にはよくわかります。

 

 

ネイティブ全員が早口言葉の達人であるはずがない

 

ところで非ネイティブとネイティブの英語の違いは何でしょうか?

よく言われるのが「しゃべるスピードの違い」です。

 

実際、英会話学習の世界には「ネイティブスピード」という言葉があります。

だからそのネイティブスピードに慣れるため、市販されている多くのリスニング教材の音声には

・ゆっくりと話しているお手本

・ネイティブスピードのお手本

の2種類が録音されているケースが多いです。

 

この両方が揃っているのといないのとで、売れ行きがずいぶん違うのではないでしょうか。

 

 

ところが最近、私はこの「ネイティブスピード」なるものに対し、「ウソだろ!」と思うようになってきました。

 

なぜかというと、

「アメリカ人も別に早口でしゃべっているわけではなさそうだ」

ということに気づいたからです。

 

早口でしゃべるっていうのはどういうことかというと、例えば若い頃の黒柳徹子さんみたいなしゃべり方だと思います。

つまり「口と舌を素早く動かしてしゃべることができる」ということです。

 

もし、アメリカ人がみな早口英語をしゃべれるのなら、これはもう民族的に口と舌が速く動くということになります。

 

しかし、そんなはずがない・・・。

 

そこでよく観察してみると、

彼らは別に口と舌を高速回転させながら話しているのではない、と思いました。

 

むしろ、

口や舌を速く動かさなくてすむように、発音を変えて話しているだけ

ということに気づいたのです。

 

私がこれに気づいたのは

Rachel’s English

という有名なYouTubeチャンネルを観るようになってからです。

 

 

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レイチェル先生のネイティブ発音指導

 

Rachel’s Englishは13年間も運営されている人気の英会話チャンネルです。

今現在、400万人近い登録者数がいます。

 

レイチェルさんは自分の動画の中でアメリカ人のような英語を話すにはどういう部分に気をつければよいかを徹底的に解説しています。

 

このチャンネルの中で、特におすすめしたいのは映画やドラマのセリフを解説している動画です。

 

レイチェルさんはアメリカの映画やドラマの中からほんの20~30秒のシーンを選び、その中でかわされる俳優たちのセリフの発音を詳細に解説してくれています。

そのシリーズだけで確か40本くらいありますが、下に1つだけ貼っておきます。

 

 

ここでは細かい説明は省きますが、レイチェルさんは例えば「リンキング」や「リダクション」、「ストップT」、その他の音声変化など、ネイティブが口や舌の動きをいかに少なくしながら、スムーズに言葉をつむいでいくかを種明かししていきます。

 

それらを視聴しながら、私は今まで他のどの動画でも、書籍でも、教わったことのない英語の音声変化を学ぶことができました。

 

 

そこでひとつ、私もレイチェルさんの真似をして、アメリカ人の発音解説をしてみようかと思います。

 

次の動画の1分5秒くらいのところに出てくるセリフを一度聞いてみてください。

 

正直言って、今の私にはこういうセリフは完全には聞き取れません。

しかし英語字幕を読んでみて、

「ああ、なるほど、レイチェルさんの説明通りだ」

と思いました。

 

 

ではでは、ちょっと解説していきます。

 

 

I’m going to make a lot of hand gestures.

と、字幕には出てきます。

 

しかし、絶対にそうは聞こえない。

当然です。

そうは言っていないのだから。

 

では、どう言っているか・・・

これをレイチェルさんの教え通りに解説してみます。

 

 

まず、I’m going toのところです。

 

この going to の発音が

gonna(ガナ)

となることは有名ですけど、ここではさらに g音が省略されて

muna(マナ)

と変化しています。

 

だから I’m going to が

I muna(アィマナ)

となっています。

 

 

次に make a lot of のところ。

 

make と a がリンキングして

maka(メイカ)

となります。

 

問題は次の lot of(ラット・オブ)です。

当然、t と o がリンキングして

lotof(ラトブ)

になりそうですが、そうはなりません。

 

まず、t の音は前後に母音が来ているので音が d音っぽく変化します。

この現象をフラップTと呼びます。

 

だから

lodaf(ラダブ)

かな・・・と思うと、そうでもありません。

 

この f(ブ)があると、そのぶん、口と舌を速く動かさなくてはならない。

そこで、この f(ブ)も脱落します。

そして、

loda(ラダ)

になる。

 

つまり、

make a lot of

メイカ・ラダ

になります。

 

 

次に hand も少し変わります。

 

この場合、変わるというより、最後の d が脱落するのです。

なぜならこの d を几帳面に発音しようとすると、これまた舌を速く動かす必要が出てくるからです。

 

だから

han(ハン)

となる。

実際には「ハン」というよりは「ヘアン」に近いかも知れませんが・・・。

 

 

さらに最後の gestures ですが、

ture の部分が cha となる。

だから

geschas(ジェスチャズ)

 

 

これらを全部つなぎ合わせると、

I’m going to make a lot of hand gestures.

は次のように変化します。

 

I muna maka loda han geschas.

アィマナ・メィカ・ラダ・ハン・ジェスチャズ

 

 

レイチェルさんが実際にこの動画のこのセンテンスを使って説明しているわけではありません。

でも、彼女が他の動画で説明していることを総動員するとこのように説明できる、というわけです。

 

 

いわゆる「ネイティブスピード」はリアルじゃない!?

 

話を最初の英会話のリスニング教材に戻します。

 

それらの多くでは「ネイティブスピード」ということで、早口のお手本が録音されています。

でも、そういうしゃべり方、ホントにリアルなのでしょうか?

あれはただ単に、早口でしゃべってくれと頼まれたから早口でしゃべっているだけではないでしょうか?

 

おそらくああいう英語の話し方って、CNNのニュース解説などでしか聞かないのではないかな、と思うんですね。

そういったところのアナウンサーなら噛まずに話せるようにトレーニングをしているでしょう。

しかし、「噛まずに話すこと」は英語を話す技術とはまた別です。

 

多くの一般的なネイティブたちは、たとえネイティブであっても早口言葉の達人ではありません。

だから話す時には口も舌も省エネですむよう、音を変えて話しているのです。

 

となると、必死になって早口の発音を聴き取るトレーニングをしている日本人の努力はどうも見当違いのような気がしてきたりして・・・。

 

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