雑記(未分類)

雑音を気にせず自分が楽しめる方法をつらぬく

空を飛べなくなった男

 

楽しんでやっているうちが何ごとも一番上達します。

もっと上達したいと欲を出し、周囲の雑音を聞き始めた途端にスランプにおちいる。

素直さも時には害になることがあります。

 

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学研の『科学と学習』がなつかしい

 

私が子供の頃、学研の『科学と学習』という月刊誌がありました。

これはまさに「昭和の雑誌」とも言うべきもの。

ところが平成になってからは少子化などが原因で廃刊となってしまいました。

 

しかし、われわれの世代ではいまだに『科学と学習』をなつかしむ人も多い。

私もまたその1人です。

 

 

さて、この雑誌は理系の『科学』と文系の『学習』に分かれていました。

その『学習』の中には今思い出しても秀逸な小説がたくさん掲載されていました。

 

残年なことに今となってはタイトルも思い出せず。

ネット検索しても出てこず。

 

かりにタイトルが判明しても、おそらく出版はされていないと思われるので二度と読むことはできないでしょう。

 

そういう私の記憶の奥底にある小説の1つに『空を飛べなくなった男』についての短編小説があります。

(タイトルを思い出せないので、とりあえずこのまま『空を飛べなくなった男』としておきます)

 

 

空を飛べる自分に気づいた男の話

 

この小説の舞台はどこかの外国。

主人公は特に何の特徴もない、どこにでもいそうな普通の若い男性です。

というか、その小説ではその男性の特徴についてほとんど書かれていなかったように記憶しています。

 

ある日、その男性は気分よく道を歩いていると、あまりの気分のよさに身体がとても軽く感じられました。

そこでスキップをしたりしているうちに、たまたまピョーンと飛び跳ねてみると、意外に高く飛べたのです。

 

この男性、自分自身でもそんなに跳躍力があるとは思っていなかったので、意外に高く飛べた自分に驚きました。

そして気分がよいので、そのまま何度かピョンピョン飛び跳ねているうちに、しだいに高さも飛距離も増していきました。

 

 

そこで男性は毎日、飛ぶ練習をするようになりました。

飛び上がるたびに高く飛べるようになり、しまいには建物の屋根くらいまで飛び上がれるようになりました。

何だか自分にだけは地球の重力が働いていないかのよう・・・。

 

 

毎日、空を飛ぶ練習をしているうちに、やがて彼は空中に飛び上がった際、足で空気を後ろに蹴ると前に進む、ということに気づきました。

それで最初は普通にジャンプして着地するだけだったのに、足で空気を後ろに蹴るというテクニックを覚えてからは、飛距離を伸ばすことができるようになったのです。

 

 

空を飛ぶのがあまりに気持ちいいので、その男性は毎日、毎日、楽しみながら空を飛ぶ練習をしていました。

しかし実際には練習というより、ただ単に気持ちよかっただけなんですけど・・・。

 

 

こうして毎日空を飛んでいるうち、男性はまた新しい発見をしました。

1回ジャンプして、ふんわりと空間に浮かぶ。

飛距離を出すために足で空気を後方に蹴ると、そのぶん前に進む。

でも、やがて風船が地面に舞い降りるように地上にゆっくりと身体は落ちてきます。

 

これがちょっと残念で、その男性は身体が地面に落ちてくる際、足で今度は空間を下に蹴ってみました。

すると驚いたことに身体は再び上昇していきました。

 

こうやって足で空気を後ろに蹴ったり、下に蹴ったりしながら、その男性はついに大空を自由に、いつまでも飛び回れるようになりました。

 

 

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突然、見知らぬコーチが現れて飛び方を指導する

 

こうやって毎日、空を飛ぶことを楽しんでいた男の前に、ある日、1人の見知らぬ男が現れ、次のように言いました。

 

「自分は空の飛び方を人に教えている者である。

時々、あなたが空を飛んでいるのを遠くから見ていて、なかなかよい素質を持っていると感じていた。

ただ、あなたの飛び方には残念な部分がいくつかある。

そこのところをぜひともコーチさせていただきたい。」

 

レッスン料も要らないそうだし、もっと上手に飛べるようになるなら・・・というので男性はそのコーチの教えを受けることにしました。

 

さっそく「よりよく空を飛ぶ」ための特訓が開始されました。

そのコーチによれば、空を自由に飛ぶにはフォームが大切だということでした。

男性は今までずっと猫背で空を飛んでいたので、まず背筋を伸ばし、キリッとしたフォームで空を飛ぶように指導されました。

 

特に着地する時のフォームは大切だということです。

両手を上に伸ばし、なおかつ胸をはり、両足をそろえて美しく着地する。

また、呼吸の使い方などについてもそのコーチは細かく指導してきました。

 

さらにコーチは男性のためにわざわざ専用の体操着のようなものまで用意してきました。

 

 

そうやって毎日、毎日、男性は額に汗をにじませながらコーチの指導を受けていました。

しかし、そうやってコーチの指導を受けているうちに、男性はしだいに自分の身体が重く感じられるようになってきました。

そしてふと気づいた時には空を飛べなくなっていた、というお話です。

 

 

空を飛べなくなっていた自分自身に気づく

 

実は最近、このブログを書くようになってから、『空を飛べなくなった男』の話を思い出すようになりました。

 

というのは、ブログの世界には大ブロガーと呼ばれる有名ブロガーたちが何人もいます。

彼らはインフルエンサーとも呼ばれています。

そういう人たちって、どういうわけか「教えたがり」が多いので、自分のブログの中で「大ブロガーになるコツ」みたいな講座をよく開いていたりするのです。

(最近ではそれをYouTubeでやっていたりもします)

 

私自身、もともと文章を書くのが大好きでしたが、もっと上手に書けるようになりたい、と思うようになりました。

 

そこで大ブロガーたちのブログ入門講座みたいなのを片っ端から読んだり、あるいは動画をガツガツ見たりしていました。

 

彼ら文章の達人が言うには、文章はまず論理的でなければいけない、ということらしいです。

そして彼らがあちこちで紹介する文章作法というのはほぼ一致していて、それが「PREP法」と「PASONAの法則」でした。

これらはいずれも有名な文章作法で、その入門書なども売られています。

 

PREP法とは文章を書く際、

①結論(Point)

②理由(Reason)

③具体例(Example)

④結論(Point)

この順番で書いていけば「読者の心をワシづかみにできる」という、まるで魔法の杖みたいな文章作法です。

 

PASONAの法則も似たようなものですが、こちらはやや上級レベル。

①問題(Problem)

②親近感(Affinity)

③解決策(Solution)

④提案(Offer)

⑤絞り込み(Narrowing Down)

⑥行動(Action)

この構成で文章を作れば「読者の心を自由にあやつれる」という詐欺まがいの文章作法です。

(実際にはそんなこと不可能なので、この法則こそ詐欺っぽい)

 

 

私はもともと文章を書く時、特に構成とかは考えずに書き始め、書きながら考えを深めていくというスタイルでした。

しかしもっと上手に文章を書きたいという欲が出てきて、有名ブロガーたちの文章作法を研究しまくったのです。

そして実際にPREP法やPASONAの法則を使ってブログを書いていた時期もあります。

 

しかし、そのうちに文章がまったく書けなくなりました。

キーボードをたたく指がまったく動かなくなってしまったのです。

そしてついに10時間かけても記事が1つも完成しなくなりました。

 

実を言うと、このブログを始める前にブログをいくつか作っては挫折し、投げ出しています。

その原因は自分のスタイルを捨てて、PREP法のような他人のやり方をマネしようとしたため、頭が動かなくなったからです。

 

 

私はもう一度、自分を取り戻すために、大ブロガーたちの教えはすべて頭から消去しました。

その結果、また続けられるようになったのがこのブログです。

 

最近、あらためて気づいたのですが、今まで私が吸収しようとしていた大ブロガーたちの教えはすべて雑音だったのです。

そんなものに耳を傾けていたばかりに自分自身を見失っていました。

つまり、空を飛べなくなっていたのです。

 

そこで私はまた以前の自分のやり方に戻すことで、再び自分の文章が書けるようになってきました。

特に上手な文章ではありませんが、それでも最近はまた楽しみながら文章を書いています。

 

 

小学生の時、『空を飛べなくなった男』を読んだ時には

「なんだか変なストーリーだ」

・・・くらいな印象しかありませんでした。

 

ところが50代になった今、ふとそれを思い出し、実は深い意味があったことに気づいたわけです。

「なるほどな~」と。

 

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