映画で学ぶ心理学

『きみに読む物語』を観た後は心の温度が5度上がる

 

恋愛映画に対して拒絶感を持つ人にも観てほしい映画をご紹介します(ネタバレなし)。

特に「最近、心が疲れているかな」と感じている人。

この映画を見終わった後、心がほんのりとして、癒やされていることに気づくでしょう。

 

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単なるワカゾーの恋愛映画だと思うなかれ!

 

『きみに読む物語』は2004年に公開されたアメリカ映画で、いわゆる恋愛ストーリーです。

有名な映画なので観た方もたくさんいらっしゃるでしょう。

いわゆる「全米が泣いた」ふうのキャッチフレーズが付くヤツですね。

(私は泣いていませんが・・・)

 

先に断っておくと、私は基本的に恋愛ストーリーが苦手です。

そういうのには共感できない。

 

ところがこの『きみに読む物語』には一般的な恋愛映画に感じる「押しつけがましさ」、「観客を泣かせよう」という「わざとらしさ」がありません。

それなのに、なぜか心に深く染み入ってくる映画です。

原題:The Notebook
原作:ニコラス・スパークス
監督:ニック・カサヴェテス
脚本:ジャン・サルディ、ジェレミー・レヴェン
主演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス

 

 

ありがちな話かと思いきや予想外の結末

 

さて、ここからは「ネタバレなし」でストーリーを簡単に説明しておきます。

 

映画の舞台は老人ホームのような施設です。

そこの入居者であるノア(男性)とアリー(女性)が主人公。

 

アリーは認知症で自分が誰かもわからない女性です。

一方、ノアは毎日、アリーのもとへ行き、ノートに書かれた物語を彼女に読み聞かせることを日課としています。

 

ノアがアリーに読み聞かせる物語の舞台は1940年、サウスカロライナ州にあるシーブルックという田舎町。

そこで出会った田舎青年のノアと、都会からやって来た大金持ちの令嬢アリーとの恋愛物語といったところです。

 

ここまで読んだ時点で次のように思う人も多いでしょう。

「ああ、最後にアリーが記憶を取り戻して、めでたし、めでたしで終わるんでしょ?」

 

「ネタバレなし」が基本方針なので詳しいことは申しません。

でもまあ、そのように想像していただいても大きくハズレるわけではありません。

 

 

けれど、最後のシーンはもはやその「ありがち」な結末を突き抜けています。

こんな形で恋愛ストーリーが完結するのか!

と、正直言って私は驚きました。

 

軽々しくハッピーエンドなんて言葉を使いたくない・・・。

自分でこんなことを書くのも恥ずかしいのですが、「愛」というものの理想の終着点はここにあった!と気づかせてくれたのが『きみに読む物語』のエンディングです。

 

 

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『きみに読む物語』の中の見落としがちなポイント

 

ところで、この映画を観た人たちの多くが(特に日本人の観客たちが)ひょっとして気づいていないかもしれない点について少し触れておきます。

 

この映画の中でノアがアリーに読み聞かせている物語は1冊のノートに手書きで書かれたものです。

この映画の最後の方で、そのノートのページをノアがめくっているシーンが出てきます。

そのノートのおそらく冒頭と思われるページに書かれていたのが次の文章。

 

“The Story of our Loves”

by

Allison Hamilton

Calhoun

To My love, Noah

Read this to me, and

I’ll come back

to you

 

これを日本語に訳すと次のようになります。

 

“私たちの愛のストーリー”

アリー・ハミルトン・カルフーン著

愛するノアへ

これを私に読んで聞かせてくれれば

私はあなたのところへ帰れる。

 

一般的に認知症というのはある日突然始まるものではありません。

「最近、なんだか物忘れがひどいな、疲れているのかな」と本人が思い、周りの人たちにも勧められて病院に行く。

すると医師も「もしかして・・・」と思って脳内スキャンを撮る。

 

そして医師はスキャンの画像を見ながら患者に次のように告げます。

「残念ながら認知症が始まっていますね。

進行を遅らせることは可能です。

でも、いずれ自分が誰かもわからなくなるでしょう」

 

おそくらアリーも病院でそう告げられたのでしょう。

そこでアリーは自分が誰だかわからなくなる前にノアとの思い出をノートに綴った。

そして、

この物語を読み聞かせてくれれば

私はすべて思い出せるはず!

このように考えたアリーはそのノートをノアに託したのではないでしょうか。

 

それに気づくかどうかで、この映画に対する評価は大きく変わってくると思います。

 

もちろん原作ではどうなっているかは知りません。

でも、映画としてはこれで辻つまが合います。

 

 

心が疲れている時にこそ観てみたい映画

 

この映画、とにかく舞台となっているシーブルックの情景が美しい!

その中でゆったりと流れる時間を自分も一緒に過ごしていると、しだいに心が穏やかになってきます。

そして観終わった後、心の温度がほんのりと5度くらい上がったように感じます。

 

恋愛映画なのだけれど、若い世代だけでなく上の方の世代まで楽しめる映画です。

「最近、ちょっと心がギスギスしているかな」と思ったら、また観てみたい映画。

不思議に心が優しくなれる映画です。

 

 

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