雑記(未分類)

他人のふんどしで相撲を取るYouTuberたち

ファスト映画 有罪判決!

 

今週、仙台地裁において、YouTubeにファスト映画を投稿して荒稼ぎしていた男女3人組に対し、著作権法違反として有罪判決が言い渡されました。

 

「やっぱりな・・・」という思いと

「やっとか・・・」という思い。

 

この判決は今後、YouTubeという表現の世界を変えていく1つのきっかけになるかも知れません。

 

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映画への愛がないからファスト映画を平気で作れる

 

ファスト映画というのは映画のあらすじを10分くらいにまとめて紹介する動画のことです。

実際の映画の中の映像をつぎはぎし、そこにナレーションや字幕を入れて10分くらいに編集されたものです。

 

映画の配給会社が作っている「予告編」と明らかに違うのは、ストーリ―を最後まで紹介してしまう、つまりネタバレになっている点です。

 

 

ファスト映画の制作者はまずクラウドソーシングを利用してフリーライターを雇い、1件2,000円くらいで10分程度のナレーション原稿を書かせます。

それを読んで、Netflixなどの画面から切り出したシーンを継ぎ接ぎして10分程度の動画に仕上げます。

 

ここでちょっと興味深いのは、その制作者自身はその映画を観ていないケースが多い、ということです。

別に観なくても、ナレーション原稿に合いそうなシーンを選び、それらをつなげていくだけで動画を完成させられるからです。

 

だから「映画への愛を持っていない人がファスト映画を作っている」とも言えるわけです。

 

 

こうしたファスト映画を制作しているユーチューバーは他にもたくさんいます。

今回、仙台地裁で有罪判決を受けた3人はいわゆる「見せしめ」ですね。

 

実際、彼らが逮捕されてから、YouTube上からファスト映画は消えてしまったような・・・。

それとも私が見かけていないだけなのかな?

 

 

今でもトラウマ、子供時代のネタバレ被害

 

だいぶん前ですが、私は1度だけこうしたファスト映画をYouTubeで観た(観てしまった?)ことがあります。

私はそれがネタバレ動画とは知らずに最後まで観てしまって愕然としました。

 

こういう「ネタをばらされる」体験について、私は子供時代のトラウマを抱えています。

 

私は子供の頃から小説を読むのが大好きでした。

しかし私が小説を読んでいると、決まって姉が「私にも読ませて」と言ってくるのです。

今、自分が読んでいるわけだから、当然、貸したくありません。

そこで「嫌だ」と拒否すると、姉が母親に言いつけます。

すると母親は私にその本を姉に貸すように言ってきます。

それで私は仕方なく、読みかけの本を姉に貸します。

すると、姉はその本を先に最後まで読み、それからニタニタしながら私のところに来て結末をバラすんですね。

 

これ、何回もやられました。

 

本来なら自分でストーリーの展開を楽しみたかった・・・。

それなのに、それを永久にできなくなった悔しさ、喪失感、無念さ・・・。

これが大人になった今でも尾を引いています。

 

 

おっと、話が横にそれてしまったので、元に戻します。

ファスト映画の話でした。

 

ともあれ、このファスト映画なるものをYouTube上で発見し、それが驚異的な再生回数を上げているのを知るたびに、

「こういう動画を観るって、どうなんよ?」

と感じ続けていたのです。

 

 

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映画本編を観る時間がないのでファスト映画を観る?

 

最近、Yahoo!ニュースで興味深い記事を見つけると、私は読者のコメント欄もちょっとのぞくようにしています。

 

数か月前だったか、今回の3人が逮捕された時のYahoo!ニュースの記事にもたくさんのコメントが付いていました。

 

その時のコメントを読んでいて私がいちばん驚いたのは、逮捕された3人を擁護する声も意外と多かったことです。

 

中には「毎日、子育てや家事でじっくり映画を観る暇もないので、映画の全ストーリーを10分で楽しめる動画はありがたい」というものまでありました。

 

いやあ、驚きましたね。

でも考えてみると、そういう人がいるからこそ、10分間のファスト映画が100万回とか再生されるわけでしょうね。

 

もっとも映画を作る方にとってはとんでもない大損害であることは間違いありません。

それは単に金銭的な損害だけではありません。

たくさんのスタッフ、俳優たちが大変な思いをして制作した映画なのに、それを部外者によって10分間で結末までバラされるというのは精神的苦痛もはなはだしいと思います。

 

 

書籍のネタバレ動画は問題にならないのか?

 

今回の有罪判決についてのYahoo!ニュースの記事にもコメントがたくさん付いていました。

 

今回のコメントは前回とは違い、擁護論は少なかったように思います。

その代わり、「ざまあ見ろ!」的なアンチ・ファスト映画の内容が多く見られました。

ファスト映画ファンは自分もまた悪に加担していたと気づき、鳴りを潜めてしまったのでしょうか・・・。

 

 

そしてもう1つ、興味深かったのは「書籍の紹介動画」を批判するコメントも出ていたことです。

 

つまり毎回の動画で有名な書籍を1冊とりあげ、その内容を解説するだけで何十万回、あるいは何百万回もの再生回数を叩き出しているユーチューバーがいる。

そういうユーチューバーたちを

「他人のふんどしで相撲を取っているだけじゃないか」

と批判していたコメントがあったのです。

 

 

もっとも私の意地悪な姉とは違って、YouTubeの場合は自分の意志でそういう動画を観なければいいだけだという話もあります。

 

でも、「自分で本を読む」という知的冒険が「できない」人たちの弱みにつけ込み、再生回数を上げようとするユーチューバーの商魂もいささか問題な気がします。

 

 

私もこのサイトでたびたび書籍を紹介しています。

でも、内容を解説するだけの記事というのはまだ書いていません。

むしろ書籍の内容をネタにして、自分の考えを述べるという構成にしているつもりです。

 

たとえば1つ前の記事では『影響力の武器』を取りあげましたが、この本の中身はほとんど述べず、実際には自分の体験に寄せた内容にしました。

 

『影響力の武器』を読んでみた
写真に撮った自分の顔を「人相悪い」と感じる理由 本日、遅まきながら、 『影響力の武器』を読み終わりました。 こういう読み応えのある本には 久々に出会いました。...

 

私がこういうやり方をするというのは、1つには先に述べた自分自身のトラウマがあるからです。

つまり、自分の姉のような加害者にはなりたくないという気持ちがあること。

 

そしてもう1つは、さっきのYahoo!ニュースに投稿されていた他の人のコメントと同じく、「他人のふんどしで相撲を取る」ことを「いさぎよしとしない」からです。

 

 

我ながら「もう少し要領よく立ち回ればいいのに」とは思うものの、やはり生まれながら不器用な人間なのでこればかりは仕方ない・・・。

 

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