愛着障害

子ども虐待を描いたコミック『凍りついた瞳』を読んで

虐待コミック

 

今回は『凍りついた瞳(め)』という、子ども虐待を描いたドキュメンタリー・コミックをご紹介します。

 

自分はたぶん虐待は関係ないだろう・・・

と思う人もいらっしゃるでしょう。

 

でも、もし「自分は愛着障害を抱えていて、それが生きづらさの原因になっているかも」と思われるなら、ぜひ一読されることをお勧めします。

 

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子供虐待を描いたコミック『凍りついた瞳』

 

大人の愛着障害についてずっと考えていると、やはり行き着くところがあります。

それは幼年期に受けた(かもしれない)虐待についてです。

 

親からの虐待というのは早い場合は生後すぐに始まります。

それが幼年期だけで終わる場合もあれば、小学校に入ってから、あるいはそれ以後も継続する場合があります。

 

多くの人にとって思い出すだけで忌まわしい「子供の頃の記憶」ですよね。

こういう記憶って、イジメを受けた記憶と同様、一刻も早く忘れてしまいたい種類のものです。

 

それを今さら思い出していったい何の役に立つのか?

なぜわざわざそんな嫌な記憶を掘り起こす必要があるのか?

 

最初はそう思いつつ、意外にもその作業には「自分を癒やす効果」があることに気づかせてくれたコミックがあります。

 

それが『凍りついた瞳(め)』です。

 

この作品は最初、ノンフィクション作家の椎名篤子さんがドキュメンタリーとして発表され、それを漫画家のささやさなえさんがコミック化しました。

私が読んだのはそのコミックの方です。

 

『凍りついた瞳:第2話/あの子はいらない』から

 

 

「生きづらさ」の原因を考え直すきっかけとなる

 

私自身、幼少時に母親からよく殴られていたみたいだということを、以前、次の記事に書きました。

過干渉と自由意志
親の過干渉が子供の自由意志をつぶしてしまう 親からの虐待というのは何も暴力だけではありません。 過干渉も虐待であるとされています。 そして、その過干渉に...

 

当時の記憶はおぼろげながらにあっても、何だか霧がかかっていてよく思い出せません。

 

その理由はなにぶん幼少の頃のことだったので単に覚えていないということもあるでしょう。

また、もしかしたら専門用語で「解離」と呼ばれる症状があるのかもしれません。

 

「解離」とは心を引き裂かれるような体験をした後、その記憶じたいがとんでしまうことです。

これはいわば「心の防衛反応」として自動的に起こる現象です。

 

いずれにしても「嫌なことを忘れる」というのはよいことのように思われます。

でも、それはあくまでも意識の表面から忘れただけ。

実際には無意識の層にシコリとなって残っている場合があります。

そして、それがその後の「生きづらさ」の心理的原因となったりします。

 

そういう「なかったこととして記憶の闇に葬り去られてしまった出来事」を自分の中で再整理するきっかけとなるのが今回ご紹介している『凍りついた瞳』です。

 

『凍りついた瞳:第6話/浮気の代償』から

 

 

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読み終わった後、どういうわけか心が軽くなる

 

このコミックでは親からひどい虐待を受け、ほとんど死ぬ直前で病院に運び込まれてきたような子供の話がたくさん描かれています。

 

中には足首から白い骨が見えている子供。

頭蓋骨や肋骨、腕など、全身が骨折だらけの子供。

全身、まるでサンドバックのように殴られた痕があり、体温も30度しかなく今にも死にそうな子供。

そして親から性的虐待を受けた子供。

 

 

こういうストーリーを読んで自分の子を虐待する親に怒りを感じる一方、そうならざるをえなかった事情もある・・・ということを知りました。

 

その1つとして、その虐待している親もまた幼少の頃に自分の親から虐待を受けていたケースが多いということ。

 

そういうヒントをこのコミックは与えてくれます。

そしてそれらのヒントを1つ1つ組み合わせていくと、おぼろげながらですが、自分が幼少の頃に置かれていた状況が客観的に浮かび上がってきます。

 

そうして今頃になって、

「ああ、もしかしてこういうことだったのかもしれない・・・」

というふうに、いろんな謎が解けてくるように思えます。

 

 

私はこの『凍りついた瞳』を読みながら、ときどき本を閉じて、自分の幼少時代を思い出していました。

そうやって読み進めるうちに少しずつ自分の中にある「記憶の闇」に光がさしこみ始めるの感じました。

ただしそれは絶望を浮かび上がらせる光ではありません。

むしろ自分を癒やしてくれる温かい光です。

そして読み終わった後、心がずいぶん軽くなっているような気がしました。

 

 

大人の愛着障害を克服するヒントが見つかる

 

『凍りついた瞳』でコミック化されているのは次の3冊があるらしいのですが、私は最初の2冊を読みました。

『凍りついた瞳』

『続 凍りついた瞳』

『新 凍りついた瞳』

 

今、アマゾンでは文庫化されたものが新刊として扱われています。

初版当時の単行本がよければ公立の図書館で借りられると思います。

 

『続 凍りついた瞳:第2通/鍵』から

 

ほとんど原作が1990年代のものが多いみたいで、出てくる言葉が少し古く感じます。

でも、今の時代、子ども虐待そのものは古くて新しい問題です。

 

最初にこのコミックを手に取った時は

「読みたくねえ~」

と反射的に思いました。

 

でも、空いた時間にちょっと読み始めると、夢中になって一気に読んでしまいました。

 

 

このコミックは自分自身が虐待を受けた記憶があろうとなかろうと、もし大人になった今でも自分は愛着障害を抱えていると思うなら、読んでみて損はないでしょう。

 

今のあなたを苦しめている愛着障害を克服するヒントが見つかるかも知れません。

 

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